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賃金実態調査 大幅賃上げを行え!

 

賃金実態調査 大幅賃上げを行え!

会社は社員の信頼を回復せよ

 

 10月から賃金実態調査を直接回答とウェブを通じて行いました。調査にご協力いただいた皆さん、どうもありがとうございました。この調査により、日本IBMの賃金の実態が明らかになりましたので、ここに報告します。社員の年齢やバンドをもとにリファレンスサラリーの実態を明らかにしたのが左のグラフです。

賃金が大幅に減少

 バンドとリファレンスサラリーの関係を示すグラフ(上図)をみていただくとわかりますが、バンド7の賃金の幅が400万円台から1100万円台まで非常に広いことがわかります。
 また、下のグラフは、2005年と2017年のリファレンスサラリーを比較したものです。なお2005年の賃金はリファレンスサラリー相当に補正しています。驚くべきことに、2006年の人事施策改悪以降、バンド7以下の賃金が極端に低く抑えられています。特に注目すべき点は、2017年の30代から40代にかけて賃金が全く上がっていないことです。11年にわたり賃金が上がらない実態と賃金減額の影響が出ていることがうかがえます。

賃金データを隠す会社

 会社は以前、バンド7以下の平均年齢や平均基本給、平均昇給額、平均一時金額などを公開していました。しかし、経営上の秘密であるとして突然非公開としました。これは、労働条件を労使対等で決めるという基本原則に反するものです。
 会社は、他業種でも同等規模の会社や同業他社と比較して賃金を決めているとしていますが、それらの会社がどこなのか、それらの会社と比較して賃金をどの程度補正しているかの回答をしないため、実態は不明です。

生計費原則に基づく大幅賃上げを行え!

 調査から見えてきたことは、会社の賃金施策のひどさです。他の一流企業では、少なくとも30代、40代で賃金が停滞することはありません。成果主義は賃金抑制のために使われ、生活できる賃金になっていません。このような施策を継続すれば、社員からの信頼を失い、モチベーション低下につながっていることを会社は深く受け止めるべきです。生計費原則に基づく大幅賃上げが必要です。
 来春闘では、政府が財界に3%以上の賃上げを要請していますが、私たちの賃上げはそれ以上でないと生活が守れないことは明らかです。みなさん、組合に団結し、賃上げを要求しましょう。

 

年末ボーナス支給状況 日本IBMは中位以下

 

年末ボーナス支給状況

日本IBMは中位以下

 

 12月8日に私たちの年末ボーナスが支給されました。JMITU加盟主要各社の支給状況を左表にまとめました。

2017年末ボーナス支給状況

もはや中位以下

 

 表の数値は一般職従業員の平均支給金額です。平均で百万円を超えるところがあることに驚く一方で、日本IBMの順位は近年下がるばかり。今や中位以下です。

 

不透明な賞与算定方法の是正が急務

 組合はこれまで会社業績達成度や個人業績率、GDP付与率の合理的な説明を求めてきました。特に全社員の賞与支給金額に影響する会社業績達成度の算出方法については、根拠とする会社業績をUS-GAAPに基づくとしながら、その数値を一切公表しない会社の姿勢には問題があると言わざるを得ません。

 

 

 

日本IBMのシニア契約社員

 ボーナス支給なしは異常

継続雇用者のボーナス状況

 定年後、改正高年齢者雇用安定法に従って65才まで再雇用されて働く人を一般に継続雇用者と呼んでいます。日本IBMでは「シニア契約社員」制度がこれにあたります。
 右表はJMITU加盟各社の継続雇用者のボーナス支給状況をまとめたものです。スペースの間係でほんの一部の会社しか紹介できませんが、ご覧いただけばわかるように、「正社員と同率」のボーナスを支給する会社が主流であることがわかります。

ワーキングプアの水準

 日本IBMのシニア契約社員は一方的にバンドを3とされ、週5日のフルタイム勤務ですら月給17万円で賞与も無く、年収約200万円という低さです。一般に年収200万円以下はワーキングプアと呼ばれますが、日本IBMのシニア契約社員の処遇はまさしくワーキングプアと呼ばざるを得ない水準です。

組合要求が実現 サービス残業撲滅を宣言

 

  組合要求が実現  

 サービス残業撲滅を宣言 

 

 組合は、社員が明日への活力を持てるようにするために、サービス残業の撲滅と裁量勤務制度の適切な運用を会社に要求してきました。しかし、サービス残業や裁量勤務者の長時間労働の相談が後を絶ちません。
 そのため裁量勤務者も含めた労働時間を適切に把握するため、使用者の現認またはタイムカード、ICカードまたはそれに代わる客観的な記録をおこなうことが待ったなしであると要求してきました。

サービス残業の撲滅を宣言

 会社は10月24日に「適正な勤務・健康管理の徹底について」を発表しました。そこには時間外労働に関する基本ポリシーが書かれています。バンド・職種にかかわらず、月80時間以上の時間外労働を「しない」「させない」「容認しない」ことを会社が宣言したことは、素晴らしいことです。そして「例外は一切認めません」としています。組合要求が実現するこの表明はとても評価できます。

労働時間管理を宣言

 会社は続けて、10月31日「eアテンダンス週次入力開始のお願い、およびeラーニング開始のお知らせ」を発表しました。ここでは、適切な勤務時間管理を周知徹底するとともに、全ライン専門職に対し、裁量勤務適用者も含め所属社員の勤務時間管理の徹底により一層のマネジメントアテンションを払うとしました。

時間外労働に関する基本ポリシーを遵守

 ライン専門職が正確な勤務時間の入力を妨げるようなことや、そのように受け取られる行動や発言をしてはなりません。また、社員もサービス残業をしてはいけません。それらは会社の基本ポリシーに対する違反行為となります。

プロジェクトに属するメンバーの裁量勤務の非適用について

 組合は、プロジェクトに属するメンバーの裁量勤務を非適用とするべきと考えています。これは厚労省のガイドラインに沿うものです。会社は「裁量勤務を適用するかどうかは所属長が判断します」「プロジェクトチームでPMなどから業務指示を受け、業務遂行手段や時間配分に裁量を有さない場合には、所属長により適用除外と判断されます」と回答しています。さらに、10月21日の団交において、長時間勤務が続いていれば、裁量勤務を非適用にする判断を所属長がするべきだとしました。組合も、100%時間外勤務手当を支払うべきだと要求しました。安心して働ける職場を作りましょう。

会社が発表した時間外労働に関する基本ポリシー

・必ず勤務実態に即した正確な勤務時間の申請をすること。
・社員一人ひとりは、いかなる場合であっても月80時間以上の時間外労働をしないこと。
・マネジメント一人ひとりは、いかなる場合であっても月80時間以上の時間外労働をさせないこと。
・IBMは、いかなる場合であっても月80時間以上の時間外労働が生まれる環境を容認しないこと。
例外は一切認めません。

 

 

e-Attendance入力講座

 

e-Attendance入力講座

~バンド7・フレックス勤務・38時間事業所の場合をご紹介~

 
 今回は「よく分からない」という声をよく聞く「代休」の入力講座です。バンド7の場合、代休に振り替える時間を数分ずつでも足し合わせていくことができ、半日分、あるいは1日分の時間になったところで半日代休、あるいは1日代休を取得することができます。どれだけ代休時間が積みあがっているかは給与明細の「代休未取得時間」欄で確認できます。

e-Attendance入力画面の構造

 上図はe-Attendance入力画面です。右側にある「所定時間外勤務」と「代休勤務」欄の活用がポイントです。始業時刻・終業時刻・休憩時間を入力した後「計算」ボタンを押すと「フレックス清算」時間数が表示されます。この清算時間を明示的に右側の「所定時間外勤務」や「代休勤務」欄に付け替えることができます。例えば、フレックス清算が1時間だった場合、所定時間外勤務に30分、代休勤務に30分などと振り分けることが可能です。こうして再び「計算」ボタンを押すと、フレックス清算時間がゼロになります。なお、フレックス清算のプラス部分は自動的に平日時間外の残業時間とみなされます。

残業時間や代休時間を入力するコツ

 所定時間外勤務の合計時間分の賃金が専門職手当分に届かないと残業代はつかず、申請した時間は消えてしまいます。その代わり代休勤務時間分として申請しておけば、たとえ数時間でもその時間は残ります。足した時間が3時間48分あるいは7時間36分以上になれば、半日代休、あるいは1日代休として使えます。

代休の取り方

 PEGASUSの代休申請画面が複数入力に対応していませんので、代休勤務時間を足し込む期間を指定し、所属長にその旨を伝えるなどしましょう。なお、「午前半休」は9:00~12:00ではありません。就業規則では厳密に半日を3時間48分としていますので、例えば始業時刻を9時とした場合、9:00~12:48が午前半休となります。この場合、昼休み時間を考慮すると午後の出社は13:48からになります。
 e-Attendanceでは「詳細入力画面」で代休取得した時間を入力します。例えば午前代休を取得した場合、上図のe-Attendance画面の日付のところをクリックすると、下図のような詳細入力画面が出ます。「代休取得」欄に「3:48」と入力すればOKです。

CEの緊急呼出電話当番 「自由時間」と会社回答

 

CEの緊急呼出電話当番

「自由時間」と会社回答 

 

社員を裏切った会社

 第2313号でお知らせした、TSS部門におけるCEの緊急呼び出し電話当番の問題について報告します。
 所定労働時間以外にかかる時間は「手待ち時間」なのか「監視断続労働」なのか、という質問に対し、会社はなんと、どちらでもなく「私的に過ごせる自由時間であり、労働時間ではありません」と回答しました。
 会社は以下3点の運用でこれまで苦しんできた社員を裏切りました。

●当番中は会社支給の携帯電話の電源を切らず、常に手の届く範囲に置く。
●当番中は遠出しない。
●当番中は家にいてもアルコールは飲まない。

社員を拘束すれば労働基準法違反

 TSS部門の皆さん、もはや自らを縛る必要はありません。もし会社が不当に拘束すれば労働基準法違反となります。

 

従業員代表選挙

 

従業員代表選挙

「1年間」白紙委任する大事な選挙です
 

 会社はこれまで、借り上げ社宅廃止など労働条件の改悪を繰り返してきました。それに対して、これまで選出された従業員代表は会社の言われるままに賛成・容認してきました。組合推薦候補は、趣意書にあるように労働条件の不利益変更はさせません。会社の裏切りや、長時間労働をなくします。組合推薦候補に投票をお願いします。

 

趣意書

●各種法令に基づく労使協定の締結、就業規則変更について
 従業員のみなさんが働きやすい環境を作るよう働きかけます。就業規則等の変更が提案される場合、その都度の従業員代表選挙を求めていきます。
●労働時間短縮について
 年間労働時間を1,700時間以内。週35時間制の実施を求めていきます。
●有給休暇について
 有給休暇を完全取得できる会社にします。
●長時間労働撲滅について
 長時間労働が懸念される職場やプロジェクトに対し、安全衛生委員として職場巡回を行い、過重労働がないか検証します。
●プロジェクト勤務の裁量労働制度について
 プロジェクトに属するメンバーを裁量労働制度非適用にします。
●有償稼働率目標の見直しについて
 休日、年休の完全取得、祝日を考慮した上で38時間労働制を基準としたうえで、研修受講・部門会議出席・その他課内業務可能な目標設定にします。

安全衛生で前進回答【秋闘2次回答】

 

安全衛生で前進回答 【秋闘2次回答】

望まれる「マッチング拠出」導入

 

 2017年秋闘二次要求の回答が11月10日の団交でありました。二次要求は、職場の問題を総ざらいしたものです。回答の一部をご紹介します。

チェックポイントの運用について

 チェックポイントが導入されて2年になります。2016年導入時の会社説明は、単なる評価制度の更新ではなく、フィードバックとオープンなコミュニケーションを大切にする企業文化の醸成をしていく。それは、IBM変革の重要な節目であるとしていました。そして「賃金など労働条件に反映しない」ことを強調していました。組合は、労働条件に反映しないように会社に要求しました。

 (会社回答)「ハイパフォーマンスカルチャーやペイフォーパフォーマンスといった会社の考える基本的な人事施策の対局をなすものであり、要求に応じる考えはない」

 これではチェックポイントは、PBC評価制度と同じです。

AEDの設置は組合要求が実現

 本社では、エレベーターや非常口の扉にAEDの設置場所が明示され、組合要求が実現しました。さらに、組合としては、安全な職場を目指して、AEDの設置基準の開示を要求しています。今後、IBM基準に基づいて労使で改善を進めることが必要です。安全衛生の取り組みを前進させましょう。

血液検査の無料化も組合要求が実現

 20代から30代の血液検査が5年ごとになったことについて改善要求をしていましたが、これについても組合要求が実現しました。

 (会社回答)「将来的に全年齢について血液検査を行うことを検討しています」

 全年齢に対し行う検討を始めたことは大きな前進です。来年4月からの再開を期待しています。

インフルエンザ無料予防接種を復活させよう

 インフルエンザ予防接種を昨年までのように無料にするように要求しました。

 (会社回答)「会社費用負担による予防接種プログラムの提供の予定はございません」

 何ら理由を述べておらず、このような回答は通用しません。

PIPを廃止させよう

 組合はPIPを廃止するべきと考えています。業績改善とは名ばかりで、労働条件の不利益変更の口実をつくるためのプログラムだからです。目標設定に問題があったり、所属長からコーチングやアドバイスと称したパワハラ面談が行われていると組合に相談が絶えません。

 (会社回答)「社員の業績改善を促すことは、会社の業績向上の源泉であり、社員のための支援策でもあります。会社に改善プログラムを廃止する考えはなく、今後も継続していきます」

 このようなプログラムから上司と部下の信頼関係が強まることはありません。廃止すべきです。

望まれる「マッチング拠出」の導入

 企業型DCは退職給付制度として位置づけられているため、会社が掛金を拠出する仕組みとなっています。2012年1月の法改正によって、個人が一定の範囲内で事業主の掛金に上乗せ拠出ができる「マッチング拠出」が可能となりました。利用できるように要求しました。

 (会社回答)「現時点では、マッチング拠出を導入する考えはありません」

 マッチング拠出は規約に定めれば導入することができ、会社の負担はありません。また社員は税制優遇のメリットがあります。労使双方がDCを活用しながら退職後の経済的不安に備える仕組みです。一刻も早いマッチング拠出の導入が望まれます。

新卒初任給非公開社員数も非公開

 この会社は、何から何まで秘密主義です。なぜか新卒初任給を非公開にしています。また社員数は重要な経営情報のため公開できないとしています。公開させましょう。

 

幕張のノーツ関連サポートがHCL社へ

 

幕張のノーツ関連

サポートがHCL社へ

 

 2017年10月26日、米国IBMは全世界で今後のノーツ/ドミノ製品群をインドのHCL社と提携して開発していく旨を発表しました。これに伴い日本IBMでもノーツ製品のテクニカルサポート部門の人員をHCL社の日本法人へ移す計画が進んでいることが判明しました。
 HCL社はインドのエンジニアリングベンダーで、全世界で11万5千人、日本法人には3百人の従業員がいます。組合はさっそく会社と協議を行い、情報を入手しましたので、以下にお知らせします。

会社分割か事業譲渡か

 事業をHCL社へ移すということは法律に従って何らかの方法を使うわけです。普通は「会社分割」や「事業譲渡」といった方法を使い、事業と人員を移すわけです。
 ところが、会社説明によれば今回は会社分割や事業譲渡ではなく、HCL社とのノーツ、ドミノ等の製品群についての戦略的パートナシップを結んだとのことです。つまり、HCL社との契約は製品についてのものだけで、人の移動は含まれていないというのです。

必要人員には11月10日にオファー

 そうは言っても事業に人員は欠かせません。そこでHCL社は関連製品群に関するサポートおよび開発業務に従事している社員に対して雇用のオファーを行うそうです。そのオファーに同意した社員のみが日本IBMを退社してHCL社へ移ることになるそうです。
 つまり、日本IBMからHCL社へ転職するのと同じことだというのが会社の説明です。オファーは11月10日にされ、応募期間は11月24日まで。HCL社へは2018年1月1日付で入社とのことです。

オファー対象は三十人

 HCL社からオファーのある対象は、別表の組織の30人です。
 当該社員には個別にオファーが通知され、HCL社にQ&A窓口が設置されます。

HCL社へ移りたくない場合は

 会社説明によれば、HCL社に転職したくない人については、スキルや経験、ケーパビリティといった要素を加味し、業務アサインや異動を行うとのことです。

転職の強要があればすぐに組合に相談を

 今回の件も過去の様々な手法と同様、いわゆる事業の再構築、すなわちリストラクチャリングの一環です。会社は毎回様々な手法を使いますが、問題は人員をどう丁寧に扱うかです。
 今回は製品についてだけのパートナシップ契約とのことですが、そもそも熟練した人員が無ければ事業が円滑に移行できるはずがありません。
 人員が転職するかどうかについては自主的な判断にまかせるとのことですが、そこに何かレトリックがありそうです。
 オファーをしてからの応募期間が2週間と短いのも気にかかります。十分な情報を与えずに転職の決断をさせる意図も垣間見えます。
 ご自身で十分納得してHCL社へ転職するのなら良いのですが、もし会社がHCL社への転職を強要するようなことがあれば、すぐに組合に相談してください。
 また、日本IBMに残ろうとすると「おまえの仕事は無い」などの脅しをかけ、あるいは「残った後も大変だぞ」などと言われるかもしれません。
 しかし、今回の事業再編は一般社員の責任ではありません。会社が一方的に起こしたことです。残った社員の異動は会社が責任をもって行うべきものです。こういった不安があれば、すぐに組合に相談してください。

PIPをでっちあげ 【団交報告】

 

PIPをでっちあげ 【団交報告】

TSS部門の闇、次々と明らかに

 

 前号ではCEの働き方についての問題を報告しましたが、TSS部門でまたひとつ闇が明るみに出ました。今度はPIP(業績改善プログラム)についてです。組合は7月から団体交渉を続け、ついに真相が明らかになりましたので以下にご紹介させていただきます。

突然のPIPに驚き

 TSS部門のAさんは今年7月に突然PIPを提示されてびっくりしました。それまで順調に仕事をしてきており、所属長からは問題点などは何もフィードバックされていなかったからです。

団体交渉を申し入れ

 納得いかないAさんは組合に連絡。組合は早速団体交渉を会社に申し入れました。
 PIPは場合によっては労働条件の悪化につながります。組合員の労働条件の悪化につながるような問題について組合には団体交渉を申し入れる権利があり、会社には団体交渉の応諾義務があります。
 まず組合は「なぜAさんにPIPが必要なのか具体的に説明すること」を要求。文書回答を求めました。

会社回答にびっくり

 会社回答を見たAさんはそのでっちあげ内容にびっくり。そこにフィードバックしたとして書かれていたのは初耳のことばかりで、チェックポイント目標にすらなっていないことが大部分だったからです。
 唯一チェックポイント目標にあったものは、所属長とは合意済のものでした。その合意を会社回答は翻しており、Aさんの信頼を裏切るものでした。

証拠提示を要求

 そこで組合は会社回答にあるフィードバックは「いつ、どのように行われたのか、正確な日時とともに具体的なフィードバックの証拠を示すこと」を要求しました。

あきれる会社回答

 会社はフィードバックしたとする日付を示しましたが、どの日付もAさんには心あたりがありません。
 さらに、年度始めのチェックポイント目標設定の面談日まで記されていたことにAさんはあきれました。目標設定の時点で結果がフィードバックされるはずはありません。そもそも目標設定すらされていないことばかりが会社回答には書かれているのです。
 もっとあきれることに、2014年のPBCがフィードバックの証拠として挙げられていたのです。

PIPの撤回を要求

 組合は会社が主張するAさんのPIP実施理由について一つひとつ丁寧に反論。そもそも目標として設定されていなかったばかりか、年度途中にそれらのフィードバックは一切受けていなかったことを立証しました。
 組合は会社に対し、直ちにAさんに対するPIPを撤回することを要求しています。

チェックポイント目標に

 「残業時間の上限」

   労働基準法違反の疑い

 TSS部門の闇は上記に留まりません。今度はチェックポイント目標の中に「コスト削減」の項目があり、その目標の一つとして残業時間を月あたり20時間以内にするという目標を設定させられていたことが判明しました。
 このような目標は、実際の残業時間を正確に申告しないようにするプレッシャーにつながります。
 そもそも労働法上では残業を命令するのは会社です。ラインマネジャーの目標として残業を命じないようにするというのならまだしも、従業員の目標としてこのような目標を立てさせるのは、サービス残業を強要するようなものです。
 このような管理方法は労働基準法違反の疑いがあり、直ちにやめるべきです。

賃金データを開示せよ【秋闘二次要求】

 

 賃金データを開示せよ

 透明性のある会社に 【秋闘二次要求】

 

 組合は2017年秋闘一次要求に続き、10月25日に二次要求を提出しました。二次要求は、職場の問題を総ざらいしたものです。これらの要求実現を目指します。回答指定日は11月7日です。

200件に及ぶ要求提出

 組合が提出したのは、人事制度やリストラ、パワハラ、労働時間、裁量労働制度、労働条件、福利厚生、安全衛生、定年延長など職場の問題を総ざらいしたものです。そのなかでいくつかを紹介いたします。

賃金情報を開示せよ

 賃金や一時金のデータを開示するように要求しました。
 組合は、賃金制度をもっと透明性のあるものにすべきと考えています。
 9月1日に給与調整が実施されましたが、所属長から通知書が渡されるのみです。これではあなたの賃金がどのレベルなのかわかりません。前号で紹介しましたが、新卒2年目と40歳代の給与が同じという実例もでています。これはごく一部の社員を優遇する会社施策に問題があるためです。透明性のある賃金制度を目指すためにも、賃金データの公開がまったなしの状況です。
 組合は、表にあるように、賃金の基本データを開示するように求めています。これらは、他社では公開されています。すなわち従業員に公開するべきデータです。
 さらにライン専門職に提供されている昇給ガイドの公開や役員報酬も明らかにして透明性のある会社にしようとしています。

労働時間を短縮せよ

 組合は「年間労働時間を1700時間以内にすること」と要求しました。
 会社は長年、1800時間台としていますが、正確な数字を出しません。そのことからも労働時間短縮に後ろ向きであることがわかります。組合は、まず週35時間制を実施し、明日への活力を持てる労働時間にすべきと考えています。

長時間労働の職場を検証せよ

 長時間労働が懸念される職場やプロジェクトに対し、組合と一緒に職場巡回を行い、過重労働がないか検証するように要求しました。
 プロジェクト現場の過重労働は、誰もが知っています。これ以上放置することは許されません。まず、現場巡回を行い、ILC過少申告やe‐Attendanceが正確に記入されているか検証しようと会社に呼びかけています。そして、長時間労働のない安心して働ける職場にするべきです。

プロジェクト勤務は裁量労働非適用にせよ

 プロジェクトに属するメンバーを裁量労働制度非適用にするように要求しました。
 本来、プロジェクトに属するメンバーの業務は、厚労省の昭和63年3月14日基発150号にあるように非適用とするべきです。
 その理由は、遂行手段や時間配分に裁量を有していないからです。定期的に適用の見直しを行い、適用については本人の同意を取るべきです。

稼働率目標を見直せ

 有償稼働率目標を見直すように要求しました。
 就業規則に定められた休日、年次有給休暇の完全取得、祝日を考慮した上で38時間労働制を基準にし、研修受講・部門会議出席・その他可能な社内作業を行うことが可能な稼働時間目標設定にすべきです。

有給休暇を完全取得できる会社に

 2016年度有給休暇の取得実績は、当年度取得可能に対する取得率が35・9%となっています。これは、会社が従業員のことをどのように考えているかを写し出しています。会社の取り組み次第で改善できます。組合は、有給休暇が完全取得できる職場づくりを目指します。

 

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