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相談窓口

許すな賃金減額、パワハラ、サービス残業

 

17春闘賃上げをしろ!

許すな賃金減額、パワハラ、サービス残業

 

 4月になれば賃金が上がる、これが春闘です。17春闘では、すべてのはたらく仲間の暮らしを改善する大幅賃上げ・底上げを前進させなくてはなりません。いまこそみんなで声をあげ労働条件の改善を要求しましょう。

 組合は、春闘アンケートに取り組んでいます。そこで何に不安・不満を感じるかとの質問に対し、①賃金②雇用・リストラ③企業の将来がトップ3にあがっています。ただ例年と違うのは、「パワハラ」と答えた方が15%もいることです。悪くなっている職場の実態が浮き彫りになっています。それでは、寄せられたコメントを紹介させていただきます。

昇給について
・会社の説明がそもそもよくわからない( 50代男性)
・昇給、いつからなくなったのでしょうか?( 40代女性)
・昇給は過去にいつあったのか記憶にない程である( 50代男性)
・PBC1と2+を取り続けてもほぼフラット。やる気が出ない( 40代女性)
・少数の社員だけ不透明な形で昇給させている( 50代男性)
・賃金の決定プロセスがブラックボックスのため何も言えません( 40代男性)

 人事施策が変わり、よくわからないとコメントが寄せられています。さらに、多くの従業員に対し長年にわたり賃上げがない環境。高評価をとっても賃上げがない実態など、不満の声があがっています。従業員のモチベーションを上げるためには、今年の賃上げがいかに重要か会社は考えるべきです。

賃金減額について
・若い社員も将来に不安をもってしまうのではないですか? この先、IBMという会社に、明るい希望がもてない現状と思う( 50代男性)
・平均以上の評価でも昇給は無いのに減給は平均以下の評価一回で簡単に行われるという仕組み。評価及び給与制度は崩壊していると言えます(50代男性)
・賃金については減り続けると思っています(30代男性)
・根本的な発想の誤り(40代男性)

会社の将来について
職場の雰囲気について
・学ぶべきことは多い。しかしサービス残業は当然とみなされている。その感覚は労働基準法を考えると違法そのもの(20代男性)
・上司の動向にぴりぴりしている(40代男性)
・職場では所属長の采配にものを言えない雰囲気( 50代男性)
・会社と社員の関係は切れています。最低限必要な連絡以外のコミュニケーションがなくなった(40代男性)
・いつも追い込んで結果を異常に求めてくる。結果を出してもおなじ状況でリストラをちらつかせている(50代男性)
・人手不足で疲弊しています(50代男性)

ILCと稼働率について
・稼働率の分母は明らかにおかしい。ILCも労働時間も全て入力したいが、できない、やらせない(20代男性)
・稼働率をもっとも重要な業績指標としている限り、労働時間の短縮はない(50代女性)
・満足に休暇も取れないような目標設定には反対( 40代男性)
・分母がつねに160時間なんておかしい( 40代女性)
・週100時間働いても40時間しか記入できず( 20代男性)
・稼働率の計算方法はおかしいと思います。有休を何も取らなくても稼働率未達成になりました( 20代女性)

 今後も春闘アンケートにご協力をお願い致します。また職場でお困りの方がおられましたら組合にご相談ください。

お手盛り賞与さらに不透明に(団交報告)

 

お手盛り賞与さらに不透明に  (団交報告) 

  -チェックポイント評価は無関係-

 

 社員のみなさん、2016年12月27日付で会社が社内Webに発表した「2016年度(2017年支払)賞与・定期俸プログラムについて」はご覧になっていますでしょうか。支給方法は一見、従来と同じような計算方法に見えますが、その内容を詳しく分析してみると驚くべき事実が隠されていました。
 以下にその発表内容の分析と、会社と団体交渉で協議した内容をお知らせし、みなさんに注意喚起させていただきます。

発表内容の分析

 まず2017年度支払賞与・定期俸プログラムの発表内容を見てみます。支給方法は従来と同じく「(A)日本IBMの会社業績達成度反映部分」と、「(B)その他」からなることがわかります。さらに(A)の内容は「リファレンスサラリーX 6% X 会社業績達成度X 個人業績率」の掛け算で、これも従来と同じです。
 問題はここからです。従来「個人業績率」はPBC評価によって決まり、自分で計算できるものでした。例えばPBC評価1であれば個人業績率は160%ということが分かり、(A)の部分は自分で計算することができました。
 しかし、今回の発表では個人業績率については「個人業績率は社員一人ひとりの貢献度を勘案しライン専門職がこれを決定します」とあるのみです。
 これでは自分の個人業績率がいくつなのか分かりませんし、どのような基準で決まるのか分かりません。まるでラインによる「お手盛り賞与」です。
 これについて団体交渉で協議しましたので、その内容を以下にお知らせします。

個人業績率について

組合 今回からチェックポイント評価制度になったが、個人業績率はどのように計算すればいいのか。
会社 マネジャーが決める。今までのようにPBCが1だったら自動的に160%とか、そういった形ではなく、マネジャーが個人の貢献度を元に支給率を定める。
 それは範囲があるのか。
 原資があることなので、相対的にそれぞれのマネジメントにおいて決める。
 どれぐらいの幅で決まるのか。
 今までのようにPBC1だったら160%とか、PBC2だったら80%とか、これしかダメといった形で決める考えは無い。あくまでも相対的なパフォーマンスの位置付けによってそれぞれのライン専門職が決めていく。
 そのパフォーマンスは何段階で決まるのか。
 特に何段階というのは決めていない。
 無段階ということか。
 例えばGDPを比較にすると、あくまでも個人の貢献度に照らしてライン専門職が相対的に個人業績率を決めた中で金額が決まっている。それと同じように個人業績率をライン専門職が決める。
 チェックポイント評価とは関係ないのか。
 チェックポイントで例えばEXCEEDが5個あるから何%という形にする考えはない。逆にEXPECTS MOREが何個だとゼロにしなくてはいけないということも考えていない。
 1stラインと2ndラインで話し合って決めるのか。
 実際はそうなることが多いと思う。
 2月22日がJMITUの春闘統一要求日になる。賃金・一時金の要求もする。賞与も賃金の一部であり、賃金は労働者の生活を土台にして決定されるべきだという考えで交渉に臨みたい。春闘交渉では労働組合の要求に沿った形で改めて協議をして決定していただきたい。
 主旨は理解した。
   ~ ~ ~
 社員のみなさん、ご紹介したように賞与支給額が更に不透明になります。個人で所属長と交渉するのは難しいのは明らかです。今こそ組合に加入して団体交渉の力で交渉しましょう。団体交渉は憲法で保障された権利です。

賃金減額をとりもどそう!

 

今こそ組合に加入するとき

賃金減額をとりもどそう!

JMITU日本IBM支部     
  中央執行委員長 大岡義久

 2016年は、ロックアウト解雇裁判において5人全員の解雇無効の判決がでました。さらに、会社は賃金減額裁判でも請求認諾を行い、誤りを認めています。にもかかわらず会社が賃金減額を再開したことは、会社と労働者の信頼関係を損なうものです。もはや労働組合に加入して減額を取り戻すしか方法がありません。
 私たち労働組合は、会社の労働環境をよりよくするため、これまで一貫して凛々しい態度で会社の姿勢を正そうとしてきました。そしてこれからも続けようとしています。そのためには、会社に打ち勝つための団結力が必要です。そして困難な問題を乗り越えさらに私たちは強くなります。今こそ組合に加入するときです。
 最後に新しい年が更に良い年になるよう祈念致しまして、新年の挨拶とさせていただきます。

【本の紹介】さくらの雲 -ロックアウト解雇が題材の小説-

 

【本の紹介】 さくらの雲

  -ロックアウト解雇が題材の小説-

 

 日本IBMのロックアウト解雇・賃金減額事件を題材にした小説が話題になっています。社会派小説で、現代の働く女性の生き方を問う長編傑作となっています。さっそく内容をご紹介します。

外資系の会社で働く普通の女性が主人公

 主人公のさくらさんは外資系のITサービス会社「東光クレジメント」で働くITエンジニアです。チームリーダーとして難しいプロジェクトも成功に導き、自他共に認めるスーパーウーマンとして活躍しています。
そして、さくらさんはプロジェクトで出会った頭が切れて清潔感のあるイケメンの素敵な男性とめぐりあい、結婚し、子供を産みます。

「くるみん認定」を取得している会社

 ところが、さくらさんが育児休暇をとり職場復帰後、子供の面倒をみるために短時間勤務を申請して働きはじめた頃から何やら雲行きが怪しくなり始めます。東光クレジメント社は厚労省の「くるみん認定」を取得しているのに、短時間勤務を申請すると所属長からは嫌味を言われます。しかし、さくらさんは子供の世話のために嫌味を我慢して制度を利用します。

追い出し部屋へ

 2008年のリーマンショック後、東光クレジメントに米国本社から外国人の社長が乗り込んできます。さくらさんが打ち込んでいたお客様プロジェクトが突然打ち切られると、なぜか「人材開発室」に異動を命じられます。人材開発室に行ってみると、そこは「仕事を探すことが仕事」のいわゆる追い出し部屋でした。毎日、公募されているプロジェクトを探しては面接に出向くのです。

5段階の相対的な成績評価で賃金減額

 人材開発室のマネジャーは短時間勤務のさくらさんに向かって、あなたは稼働率が低く会社に貢献していないので、5段階評価の成績の最下位だと言い放ちます。さくらさんは最低評価を理由に年収の15%も給料を下げられます。
 さくらさんは会社のやり方に疑問を持ち始めます。同じ人材開発室にいる人達はみな能力が無いわけではなく、たまたま介護や子育てなど個人ではどうにもならない事情を抱えているだけです。
 さくらさんは朝の出勤時に時々労働組合がチラシを配布して宣伝していたことを思い出し、労働組合に興味を持ち始めます。

ロックアウト解雇

 さくらさんが労働組合に入ろうかどうか逡巡しているある日、さくらさんの隣の席の人が終業時間30分前にマネジャーに「ちょっと」と言って呼ばれていきました。帰ってきたその人は「解雇されました」と青い顔で言い、段ボール箱に私物をまとめて出ていきます。
 ……はたして、さくらさんの運命はいったいどうなるのでしょうか。

解説

 JALを題材にした「沈まぬ太陽」と同様、社会派の長編小説です。
 もうひとつ、IBM産業スパイ事件の後日談を題材にした「雲を掴め」という小説も話題になりましたが、この「雲」は「坂の上の雲」から来ているそうです。「さくらの雲」にも同様の暗示がありそうです。
 「さくらの雲」は1人の普通の女性を通して描かれている分、誰にでも起こり得るストーリーがより一層真実味を帯びており、どんどん引き込まれていきます。
 さくらさんは当初、労働組合に偏見を持っていましたが、自分の思い込みが間違っていたことに徐々に気が付いていきます。
 今、日本IBMの労働組合に興味をお持ちの皆さんにとって、さくらさんの心の動きはとても参考になると思います。
 現代の働く人をとりまく社会情勢の理解や、ロックアウト解雇裁判原告の心情を理解する上でも、是非ともお読みいただきたい一冊です。

~ ~ ~

さくらの雲
(民主文学館) 文庫
著者 最上 裕
出版社 光陽出版社
定価 税込千円
初版2016年8月5日

会社 賃金減額紛争を拡大【団交報告】

 

会社 賃金減額紛争を拡大

  -都労委の勧告を無視- 【団交報告】

 会社は組合の制止も聞かず、賃金減額を強行しました。賃金減額された皆さん、振り込まれた金額を見てどう思いましたか?思った以上に少ない金額にショックを覚えたのではないですか?
 12月6日に組合は賃金減額を通知された組合員について「業績が期待値に届かなかったと評価された」具体的な理由を問いただす団体交渉を行いましたので、この模様を以下にお知らせします。

具体的理由は何か

 まず組合は、①「2015年の具体的期待値」、②「その具体的期待値をいつ伝えたか」、③「具体的に何をもって業績が期待値に届かなかったと評価したか」について会社に文書回答を要求し、会社の回答をもって協議しました。
組合 賃金減額理由については、これで全てか。
会社 PBCの低評価理由の説明で、全て網羅しているという判断だ。
 他の理由を後出しジャンケンのように後で出すということは無いな。
 全てを紙面で書き尽くすことは不可能だと考えているので、代表的なものを書いている。
 7%もの減額をするのだから、減額に足る合理的な説明をしてもらう必要がある。
 そういう意味で代表的なものとして答えている。
 それぞれの人について、具体的な理由が数行しかない。きちんと一人ひとりについて減額をしなければならなかった合理的な理由を文書で説明することを要求する。
 これですでに回答しいているという認識だ。
 では、組合は「期待値」が何だったかを聞いているが、会社の回答はPBCの「目標」だ。PBC目標が「期待値」だというのは正式に社内にアナウンスしたのか。PBC目標が今回の賃金減額の理由となる「期待値」だというのは誰も知らない。
 期待値という意味ではPBC目標は大きく重なる。一方、最終的な評価が減額にいたるかどうかは別だ。
 それでは何だかわからない。
 目標に行っていないということだけで期待値に行っていないとは判断しないこともあり得る。最終的にはラインの裁量だ。
 2016年の8月18日に発表された賃金減額についての発表内容には、ラインの裁量によるとは書かれていない。
 マネジャーの判断というのは往々にしてそういうものだ。
 そんなもので減額されてはたまらない。
 だから、こうして回答している。
 日本の労働法制では賃金の減額は労働条件の不利益変更にあたる。最高裁の判例からも、経営上の必要性が求められる。
 PAY DIFFERENTIATIONが経営上の必要性だ。
 減額を強行すれば紛争の拡大を招くことになる。12月の減額をまず止めて、その上で労使協議することを要求する。
 会社としては、すでに知らせた通りだ。
 今回の賃金減額が、労働条件の不利益変更法理に照らして違法ではないという理由を文書で示してほしい。
 法律に反しているというのであれば、法律の根拠を示してほしい。
 改めて文書で出す。

組合に加入しよう

 

組合に加入しよう

賃金減額を許さない

-たたかってこそ展望は開かれる-

 7%の賃金減額に対してたたかいたいという社員の組合加入が相次いでいます。原告予定者は10人に達しています。皆さんもぜひ組合に加入して、不当な減額を取り戻しましょう。
 第2次賃金減額裁判は、追加提訴を行い、現在原告は22人となっています。この中には2年以上前に賃金減額されたバンド8の人も含まれています。減額自体は2年以上前でも、現在から2年分遡るところまでは請求できます。あなたもあきらめずに加わりましょう。

会社はもはや打つ手なし

 

会社はもはや打つ手なし

-第2次ロックアウト解雇裁判控訴審報告-

 2016年12月5日に東京高裁809号法廷で、第2次ロックアウト解雇裁判控訴審第2回期日が行われました。
会社は一審では一貫して、「解雇は個別原告の業績不良が理由である」と主張してきました。しかし控訴審では、下野雅承最高顧問と取締役常務執行役員ゼイン・ズンボーリン人事担当が陳述書を提出し、「IT業界は変化が激しい」「IBMはその変化に苦労して対応してきた」「社員も変化への対応を求められるが、対応できない社員を雇い続ける余裕がなくなったので解雇した」と、全く新しい解雇理由を追加してきました。
 それに対して組合は「この陳述書は『時機に後れた攻撃防御方法』にあたる」として却下を求めました。時機に後れた攻撃防御方法とは民事訴訟法157条にある「当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができる。」というものです。

下野さん・ゼインさんの陳述書を留保

 民事訴訟法は「証拠は適切な時機に提出すること」を求めています。一審で3年間も審議を重ねながら、控訴審になってから全く新しい解雇理由が出てくることはありえません。
 解雇は社員やその家族の人生を左右する重大事です。、会社は解雇時点で、解雇理由を明確にしておく必要があります。それにもかかわらず、控訴審になってから新たな解雇理由の主張が出てきたということは、会社が明確な解雇理由がない状態で解雇を行い、後付で解雇理由を考えている証拠です。同時に原告が解雇されて収入が途絶えたことを見据えて、会社は明らかに訴訟の引延しを狙っています。これらの事情を踏まえ、裁判所は下野さん・ゼインさんの陳述書の証拠採用を留保しました。

新しい主張は会社の焦り

 日本の裁判は三審制ですが、これは同じ審理を三回繰り返すものではありません。控訴審は一審での裁判所の判決の誤りを指摘し変更を求めたり、一審で認められなかった自らの主張を補充するものです。
 しかし会社は一審で敗訴したため、一審での主張に加え、新しい主張を出さざるを得なくなったと思われます。しかも最高顧問や常務取締役を引っ張り出してきました。この二人が陳述書を出すことは、会社としては最後の一撃のつもりかもしれませんが、第三者機関である裁判所には対してはほとんど無意味です。
 このような裁判戦術をとらざるを得ないのは、会社の焦りの現れであり、会社が次に打つ手を失っていることを示しています。社員の皆さん、もはや会社は組合員をロックアウト解雇できる状況ではありません。退職勧奨などを受けたらすぐに組合に相談してください。

第4次ロックアウト解雇裁判結審
 2016年12月9日に東京地裁527号法廷で、第4次ロックアウト解雇裁判第13回期日が行われ、結審しました。判決は2017年3月8日13時10分から言い渡されます。組合は原告の勝利を確信しています。多くの社員の傍聴をお願いします。

ILCと稼働率目標の矛盾【団交報告】

 

ILCと稼働率目標の矛盾【団交報告】

  -稼働率目標は休暇以外も圧迫する-

 

 前号では、ILCと稼働率に関する組合要求と会社回答を全文掲載しました。その回答内容の問題点を解説します。

解説:

会社回答(1)について
 具体的な時間数に関する要求を組合からは行っていますが、会社からの回答は総論的な内容にとどまっています。
 前半では稼働率は組織目標であり「あくまでも目標」と言っていますが、実際にはデリバリー組織に所属する社員には稼働率を偏重した評価が適用されており、アサインされた案件の契約額で確定する稼働時間で評価されています。
 稼働率が部門の重要な目標なのは容認するとしても、それを社員各自のノルマとしてその達成に全責任を負わせ未達成であれば低評価、賃金減額、PIP、退職勧奨勧告に結びつけるのは部門運営、会社経営の責任放棄です。後半の「休暇等で、その分、本来の業務に遅れが生じた場合」の回答は、裁量勤務制度適用の社員にとっては全く関係の無い話です。

稼働時間数分母の矛盾: 稼働率目標は休暇以外も圧迫する
365-(土日[52×2]+祝日&年末年始[17]+有給休暇[20])=224日が年間勤務日数
⇒ 224日×7.6時間=1702 時間が年間総勤務時間
Think40研修(40時間)+部門会議(12時間)+社内作業(52時間)=104時間
1702-104 = 1598 時間程度が有償作業可能な上限時間数
ところが現在の100%の分母は2080時間(40時間×52週)
ギャップの480時間=63日以上の時間を個人努力で捻出⇒休暇以外も圧迫

会社回答(2)について
 前半の間接作業時間の扱いに関する回答は、会社としては稼働時間数とは認めず、プロジェクトマネージャーに対応を押し付けて逃げています。
 お客様に請求ができない活動時間を評価されるべき正当な勤務時間として会社が認めないということは、デリバリー組織には正社員を雇用せずプロジェクト毎に契約社員を雇用するクラウドソーシング(かいな2283号)の考え方が既に当然の論理として使われていることを表しています。
 後半のFLCの徹底に関する回答は、コンティンジェンシーの活用等の承認獲得は難しくプロジェクトマネージャーに嫌われて低評価になることを怖れて申告できないことを無視した空論です。

会社回答全文(再掲)

(1)稼働率目標の改善要求への会社回答
 稼働率は会社経営や組織維持のために大変重要な指標です。組織のビジネス目標としても設定されており、目標達成をはかる重要な指標でもあります。このように稼働率はあくまで組織目標ですが、会社や組織の目標に向かって、社員の立場でも高い意識を持ってもらうために、年次有給休暇、研修受講、部門会議出席、その他必要な社内作業の時間を加味したうえで、個人の稼働率目標が設定されています。なお、あくまで目標であり、それ自体が休暇取得を妨げるものではありません。
 休暇等で、その分、本来の業務に遅れが生じた場合、ないし、本来行うべき業務を行えていない場合、その分は生産性を上げることで自らをカバーするべきですが、もしこのカバーにあたって時間外勤務が必要な場合については、時間外勤務のプロセスに沿って、社員から時間外勤務が必要であることを所属長に伝え、所属長はこれが妥当であると判断した場合には時間外勤務を認めることになります。
(2)ILCの改善要求への会社回答
 Non-Billable時間に関しては、お客様へのチャージ等のCost振替の対象ではないため、Billableの稼働率への計上をすることはAuditabilityの観点からも行うことはできません。なお、プロジェクトに関連した間接作業時間については、Claimすべきものもありますので、随時プロジェクトマネージャーに確認を頂く必要があります。
 会社は、FLCの徹底を促進しており、「過少申告を助長させるような状況」が存在するとは考えておりません。また、プロジェクトがオーバーランした場合は、コンティンジェンシーの活用等、ILCの計上が可能です。

 

会社の理不尽さを許さない-賃金減額裁判-

 

会社の理不尽さを許さない

-賃金減額裁判-

 

 11月18日、第2次賃金減額裁判の第4回口頭弁論が行われました。この日行われた原告の意見陳述を紹介します。

減額措置の過酷さと理不尽さ

 私は、2012年度のPBCで5段階評価の最低である4をつけられ、2013年にリファレンスサラリーで15%の減額措置を受けました。本給は5万2700円減額されました。2013年のPBC評価は5段階で上から2番目の2+であり、翌2014年には昇給がありましたが、本給の昇給幅は1万2400円で、減額された幅の1/4にも届きませんでした。その後、2014年と2015年のPBC評価は連続して2でしたが、それにともなう昇給はありません。まったくのゼロ昇給です。その結果、現在のリファレンスサラリーは2013年に賃金減額される前より10%以上低いままです。
会社は、賃金減額を正当化するために「ペイ・フォー・パフォーマンス」などという言葉を掲げて、さも業績に応じた給与体系を目指しているように主張していますが、PBCが単年度ごとの評価制度であるにも関わらず、たった一度の低評価で賃金を15%も下げ、その後は3年連続して平均以上の評価をとっている社員に対して、減額前より10%以上低い賃金にとどめておくことの、どこが「ペイ・フォー・パフォーマンス」と言えるのでしょうか?
 一次訴訟での意見陳述で、私は「会社は、減給措置を正当化するために、ハイ・パフォーマンス・カルチャー、ペイ・フォー・パフォーマンスといった言葉を並べておりますが、全くのおためごかしであって、実際にはコスト削減と人員削減の手段にすぎません。つまり、減給措置に嫌気がさした社員が自ら辞めていくことを狙いとしたものに違いないと思っています」と述べました。この思いは今もまったく変わりません。会社の真の狙いは、その後の会社の行いによってますます明らかになっていると思います。

会社の不誠実な態度

 2015年11月、会社は一次訴訟の請求の認諾を行い、2013年7月から2015年5月までの本給および2015年6月賞与までの減額による差額を支払いました。
 その直後から、わたしたちは団体交渉において、減額の撤回、つまり地位の回復と、本給の減額にともなって生じた時間外勤務手当や退職金積立金の差額などすべての損害の回復を求めました。また同時に、一次訴訟に参加しなかった組合員や2014年など他の年度の賃金減額についても同様の措置を求めました。
会社は一次訴訟の原告の2013年の減額の回復については交渉に応じるかのような態度をいったんは示しましたが、一次訴訟原告以外の組合員および他の年度の減額についての回復はまったく応じようとしませんでした。
 私たちは、「認諾したということは、日本IBMが行った賃金減額が、日本の法律上、何かしら問題があったと認めたのではないのか?」「2013年と2014年の賃金減額は、根拠とする就業規則も同一であり、賃金減額を発表する社内文書も一言一句同じ。それなのに一次訴訟原告の2013年の賃金減額のみ撤回し、2014年の賃金減額は撤回しないのはなぜか?」等、次々と質問を重ねましたが、会社はのらりくらり言い逃れるばかりで、ひとつとしてまともに答えようとはしませんでした。
 こうして私たちはやむを得ず二次訴訟を起こすことになりました。会社が誠実に交渉に応じていれば、私はここに立つこともなかったのです。会社はすべての請求の棄却を求めていますが、その中には賃金差額にともなう時間外勤務手当の差額も含まれています。これは会社が一次訴訟で認諾して支払った賃金額にもとづき、会社自身が計算し、団体交渉でわたしたちに示した金額を含んでいます。いったいどんな理由でその支払いすら拒むのでしょうか? 認諾にもかかわらず、賃金が減額されたままのため、地位確認も求めざるを得ませんでした。地位確認が認められなければ私は定年までの間に、いったい何回訴訟を起こさなければならないでしょう。会社の不誠実な態度が残念でなりません。

組合に加入しよう

 

組合に加入しよう

賃金減額を許さない

-たたかってこそ展望は開かれる-

 第2次賃金減額裁判は、今年の2月に21人の提訴で始まりました。その後新規に加入した組合員が追加提訴を行い、2次提訴への併合が決定されたため、原告は22人となりました。
 最近では今年に新たに発表された7%の賃金減額とたたかいたいというIBM社員の組合加入が相次いでいます。皆さんもぜひ組合に加入して自分の正当な権利を取り戻しましょう。

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