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相談窓口

24春闘 3月14日2次スト決行 IBM、キンドリルは賃上げ回答をせよ JMITU主要企業は昨年より高水準

日本IBM、キンドリルジャパンは、JMITU24春闘要求への3月6日回答において、本給の10%引き上げを柱とする、物価高騰を上回る賃上げ要求に対し、有額回答をしませんでした。組合は、両社の3月6日回答を不服として、3月7日の1次ストライキ(かいな前号参照)に続き、3月14日、午前9時から2次ストライキを決行、従業員の生活軽視に抗議しました。2次ストライキは、キンドリルジャパン本社前で、午前8時45分からの宣伝行動に続き、9時からストライキ行動(左上写真)を決行。前回同様、参加時間を9時から17時36分の間に設定した6つの時間から選択、出社または在宅にて参加する形で実施しました。

JMITUの24春闘情勢

3月14日時点の速報で、JMITU主要企業1社5の賃上げ回答(左上表)は昨年を上回る高水準の成果を上げており、賃上げ率回答の分布(左下表)は背景色で示したように、主たる分布域が昨年、今年と確実に上昇しています。このように主要15社は物価高騰のなか賃上げで従業員の生活に配慮しており、有額回答がいまだに無い日本IBM、キンドリルジャパンとの違いが際立っています。JMITUの支部・分会では、さらに今後の団体交渉、ストライキによる回答額の上積みが期待されます。

定年後再雇用賃金差別 不当労働行為を認定都労委で全面勝利命令!

定年後再雇用賃金差別
不当労働行為を認定都労委で全面勝利命令!

全面勝利命令にあたっての声明

1.東京都労働委員会は、本日、日本IBMシニア契約社員の労働条件交渉を巡る不当労働行為救済命令申立事件に関して、日本IBM(以下「会社」)及びキンドリルジャパン(以下「キンドリル」)の対応が誠実団体交渉義務に違反する不当労働行為に該当するとして、救済命令を発した。

2.会社は、2013年4月、改正高齢者雇用安定法に対応して、定年退職後に雇用継続を希望する社員を65歳まで雇用を継続する「シニア契約社員」制度を設けた。しかし、シニア契約社員の賃金(月給)は、担当業務を問わず、月額一律17万円と当時の最低賃金違反すれすれの低賃金とされ賞与も支給されず、正社員の退職前給与の約2割に減額されるという著しい待遇格差が生じた。この待遇格差の理由について、会社は「シニア契約社員が担当する業務の重要度・困難度を勘案し決定した」と回答するだけであった。組合は、会社に対し、各シニア契約社員が担当する業務は全く異なるうえ、定年前とほぼ同じ業務をしている者もいるのに何故給与額が一律17万円になるのか、各シニア契約社員が担当する業務の重要度・困難度を具体的にどのように評価したのか、比較対象となる正社員の業務とは何か等について、資料を提出して具体的に説明するよう求めた。これに対して、会社は何ら資料を提出せずに従前の抽象的な説明を繰り返すのみで、具体的な説明を全くしないという不誠実な対応に終始したそ。こで、組合は、2020年11月、シニア契約社員の労働条件の根拠を具体的に説明すること及びポスト・ノーティスを求めて、都労委に不当労働行為救済命令を申し立てた。

3.都労委は、次のとおり会社及びキンドリルの対応を不当労働行為と認定した。「会社は、17万円という給与金額の算定根拠や、制度導入以来それが変わっていない理由については、抽象的な説明をするだけで、資料に基づいた具体的な説明等」を行っていないとし、「組合らは、長年にわたりシニア契約社員の処遇改善を会社に要求し、社会情勢や定年後再雇用を取り巻く環境の変化に応じて、会社に改善すべき根拠を示してきており、本件団体交渉においても、シニア契約社員の給与が低いことなどについて根拠を示した上で、パートタイム・有期雇用労働法の説明義務に基づく具体的な説明を求めていたのに対し、会社は、組合らの質問に応じた具体的な説明や回答を行わず、従前と同様の抽象的な回答を繰り返していたのであるから、…(中略)…団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たる(2面に続く)

(1面から続く)と言わざるを得ない」として、「シニア契約社員をバンド3に位置付けて給与額等を決定した理由、シニア契約社員と正社員との待遇の相違の理由、シニア契約社員制度導入以降給与を据え置いている理由を具体的に説明するなどして、誠実に応じなければならない」と命じ、本社内の見やすい場所での文書の掲示を命令した。また、キンドリルに対しても、会社分割したとしても不当労働行為責任を承継すると判断したものである。

4.本命令は、会社がシニア契約社員のような非正規社員の低廉な賃金等についてその具体的根拠を説明しないことの不当性を明らかにした点で大きな意義がある。また、本命令は、パートタイム・有期雇用労働法が禁止している正社員と非正規社員との不合理な待遇差を是正するためにも誠実な団体交渉が重要であることを示すとともに、非正規社員から正社員との待遇差の説明を求められた会社は待遇の相違の内容・理由を具体的な根拠を示して説明しなければ同法14条の説明義務違反となり不誠実団交につながることを示した点でも大きな意義がある。5.組合は、会社及びキンドリルに対して、中労委に再審査を申し立てずに団体交渉で誠実に対応し、シニア契約社員の待遇格差の改善を図ることを強く求める。また、本命令は、事件当事者である両社だけでなく全ての使用者には、非正規労働者の待遇格差是正要求に対しては、誠実団体交渉義務があることを明らかにしたものである。現在の春闘での非正規社員待遇格差是正の前進につながる命令である今。後も組合はシニア契約社員をはじめとする非正規社員の労働条件改善のため全力を尽くす所存である。以上

24春闘統一ストライキに38支部・分会が決起 物価高騰を上回る賃上げを行え

JMITUは、24春闘要求の回答指定日が3月6日でした。62支部分会が有額回答を引き出し、物価高騰に一定の配慮する回答を引き出したところもあります。しかし、6日の回答水準は全体として組合の要求に正面から応えていません。これでは到底、物価高騰に見合った賃上げとはいえません。

全体として、労働者と家族の大幅賃上げへの切実な思いに背を向け、物価高騰から労働者のくらしをまもる経営責任を放棄した不誠実な回答と言わざるを得ません。JMITUは、物価高騰に見合っていない低額回答には絶対に妥協せず最後までたたかい抜く決意です

38支部分会がスト決起

3月7日のJMITU24春闘第1次統一ストライキ(統一行動)には、全国で38支部・分会が大幅賃上げを要求しストライキに決起しました。また、昼休みや就業後の抗議集会、門前宣伝など不誠実な回答への抗議と大幅な回答上積みを求める統一行動を展開しました。

南部地協リレーストライキ

JMITU東京地本・南部地協(東京地方本部・南部地区協議会)は、3月7日のJMITU24春闘第1次統一ストライキとして、リレーストライキを展開しました。リレーストライキは、南部地協に所属する日本IBM支部、通信産業本部東京支部、桂川精螺分会、宇野沢組鉄工所支部のストライキをリレーで激励する一日行動を実施しました。また、ストの合間に、争議でたたかっているノバ・バイオメディカル支部の本社前宣伝行動の支援を行いました。

ノバ・バイオメディカル本社前宣伝行動

朝の日本IBM箱崎事業所前でのストライキ行動(1面)に続いて、ノバ・バイオメディカル支部の本社前宣伝行動では、マイク宣伝をしながらチラシを配布し、会社がノバ・バイオメディカル支部の委員長に対して行っている不当な配転・降格・賃金減額や不当労働行為に抗議しました。

通信産業本部東京支部スト

昼休みをはさんで午後からは、JMITU通信産業本部東京支部が、物価高騰を上回る賃上げを求め、ストライキに入りました。(上写真)NTT持株会社前で行われたストライキ総決起中央集会では、JMITU通信産業本部の宇佐美委員長が「春闘アンケート回答で、生活が苦しいが83%、賃金が安いが6%0になった。勤続10年になるが基本給が上がっていないとのコメントが寄せられている」と職場の状況を報告。「今後も全国の組合員がストを構え大幅賃上げの実現のためたたかっていく」と決意を述べました。

桂川精螺分会スト

続いて、桂川精螺分会が、会社が春闘回答をしない、いつ回答するかも示さないことに抗議し、ストライキに入りました。行動では、桂川精螺分会の古畑分会長が「団体交渉を行え、回答しろ」と訴えました。(左写真)

宇野沢組鉄工所支部スト

夕方からは、宇野沢組鉄工所支部がベースアップがなかったことに抗議し、ストライキに入りました。行動では、JMITUの川口特別執行委員が激励挨拶で「職場で働いている人の思いを回答に示されなければならない。残念だけどその回答になっていない。経営者に猛省を促す」と批判しました。また、宇野沢組鉄工所支部の組合員が「会社は従業員の生活を第一に考えてほしい」「1次回答は満足できなかった。2次、3次回答を要求しがんばっていきたい」と訴えました。(左写真)

24春闘 3月7日1次スト決行従業員の生活軽視に抗議 IBM、キンドリルは賃上げ回答をせよ

IBM、キンドリルは賃上げ回答をせよ

JMITU24春闘要求の回答指定日の3月6日、日本IBM、キンドリルジャパンは回答を行いました。しかし、この日の回答では両社とも、本給の10%引き上げを柱とする、物価高騰を上回る賃上げ要求に対し、有額回答をしませんでした。

組合は、両社の3月6日回答を不服として、翌7日、午前9時からストライキ(1次スト)を決行、従業員の生活軽視に抗議しました。1次ストは、日本IBM箱崎事業所前で、午前8時45分からの宣伝行動に続き、9時からストライキ行動(写真上)を決行。一人でも多くの組合員が抗議の意思を示せるように、参加時間を9時から17時36分の間に設定した6つの時間から選択、出社または在宅にて参加する形で実施しました。

春闘の時期にリストラを強行する日本IBM

かいな2月5日号にて、IBMが1月24日、2023年第4四半期の連結決算発表の中で23年と同規模の人員を削減する方針を発表したことをお伝えしましたが、その後、組合には日本IBMの従業員の皆さんから退職勧奨にあったという情報が寄せられ、また組合員の新規加入があり仲間が増えました。しかし皆さん、おかしいと思いませんか。日本で事業を行う日本IBMが、日本で多くの企業が賃上げ回答をする春闘の時期に、賃上げ回答をせず去年も今年もリストラを強行しているのです。賃上げの前にリストラで昇給原資を捻出せよと海の向こうから命令でも受けているのでしょうか。日本IBMは、他の多くの企業と同様、集団的労使交渉を行い、春闘の賃上げ要求に対する有額回答をすべきです。日本で事業を行う企業の社会的責任を果たすべきです。

組合に加入しよう

日本IBM、キンドリルジャパン両社では、賃上げが1回分少ない状況(2020年から23年の4年間に3回)であるところに、現在の物価高騰が直撃して従業員の生活を苦しくしています。従業員の皆さん、生活改善が実感できる大幅賃上げを勝ち取り、リストラから雇用をまもるため、今こそ組合に加入し、いっしょにたたかいましょう。組合へのご連絡は3面の「組合なんでも相談窓口」までお願いします。ウェブからは組合トップページ上部の「ご意見ご相談」をクリックし、記入、送信して下さい

春闘重点要求の紹介組合に加入して要求を勝ち取ろう

1面に続き、日本IBM支部の24春闘要求書の重点要求の中から主要な要求を以下に紹介します。以下で、冒頭の(IBM)というカッコ書きは日本IBM向けの要求、冒頭の(キンドリル)というカッコ書きはキンドリルジャパン向けの要求、冒頭のカッコ書き無しは両社向けの要求を意味しています。

争議解決の要求

定年後再雇用賃金差別争議、AI不当労働行為争議を解決すること。シニア契約社員の賃金、労働条件を改善し、社内の賃金制度を透明化することが狙いです。

賃上げ要求(賞与部分)

(1)本給(本俸・月額賃金)の引き上げにともない、賞与基準額も本給(本俸・月額賃金)と同率の10%引き上げること。(2)GDPに関する要①求(IBM)▼2023年支払い分のGDPを上積み支給すること▼GDP制度を廃止し、リファレンスサラリーを6%増額すること。②(キンドリル)▼22年支払い分、23年支払い分のGDP(現SSP)を上積み支給すること▼SSP制度を廃止し、リファレンスサラリーを6%増額すること。(※キンドリルではGDPは23年7月にSSP[Shared Success Plan]に名称変更されました)GDPに関する要求の背景は次の通りです。GDPは元々、年収基準額の5.5%を減じてそれを原資とし、当初の会社説明では「リファレンスサラリーの6%を基準とするGDPを支給しますので、基準額ベースの年間総支払額は従来と同等以上となります」というものでした。しかし、GDPは2019年に支給された後、日本IBMでは20年から23年までの4年間に1回(23年)だけの支給、キンドリルジャパンではIBM時代からの通算で20年から23年までの4年間に2回(22年、23年)だけの支給にとどまり、いずれの年の支給水準もリファレンスサラリーの6%にはほど遠い水準でした。これでは報酬制度として機能していないに等しく、実質的な賃下げの道具と化している状況ですので、上記①、②を要求しています。

手当に関する要求

(1)2021年からの物価高騰で従業員の生活はさらに厳しくなっているため、本給(本俸・月額賃金)の引き上げとは別に物価高騰手当を支給すること。(2)(IBM)フレキシブル・ワークスタイルの下でも在宅勤務を選択し実施している従業員が多数います。本来、業務のための水道光熱費および通信費は会社が負担するべきであり、会社は速やかに在宅勤務手当として1ヶ月あたり8000円を支給すること。なお、在宅勤務手当については2020年3月に遡及して支払うこと。(3)(キンドリル)2022年10月から支給が開始された1日200円の在宅勤務手当では不足です。1日400円に増額すること。なお、22年9月分までの在宅勤務手当については1ヶ月あたり8000円を20年3月に遡及して支払うこと。

働き方改善の要求

(1)(IBM)現在の世界の流れに従って、賃下げなしで1日の労働時間を午前9時から午後5時までの7時間、週35時間に短縮すること。これにともない稼働率の上限値を64.9%とすること。(2)(キンドリル)1日7時間・週35時間労働が世界の流れであり、すでにフランスの法定労働時間は週35時間、ドイツの金属産業の労働時間は週35時間が実現しています。このような先駆的事例にならい、1日7時間・週35時間労働を導入すること。(3)デリバリー部門の無理な働き方の問題を根本解決するための要求①要員数の絞り込みより過重労働の原因となりやすい異常に高額な要員単価を適切な水準まで引き下げること。②プロジェクトが始まった後、要員の増強が必要になった時、会社が責任をもって要員を増強すること。

賃下げなしの65歳までの定年延長の要求

特別支給の老齢厚生年金の段階的引き上げが完了することに伴い、「賃下げなしの定年引き上げ」は、職場の切実な要求となっています。賃下げなしで65歳まで定年を延長すること。

組合に加入し、いっしょにたたかいましょう

従業員の皆さん、今こそ組合に加入し、要求を勝ち取るため、いっしょにたたかいましょう。組合へのご連絡は3面の「組合なんでも相談窓口」までお願いします。ウェブからは組合トップページ上部の「ご意見ご相談」をクリックし、記入、送信して下さい。

日本IBM・キンドリルジャパンは賃上げ10%を実施せよ (24春闘)3月6日、賃上げ回答せよ不当回答なら7日、14日早朝行動

日本IBM・キンドリルジャパンは賃上げ10%を実施せよ

24春闘3月6日、賃上げ回答せよ不当回答なら7日、14日早朝行動

前号の通り、24春闘ア ンケートの結果、日本IBMとキンドリルジャパンの従業員は、賃金に最も大きな不安・不満(62%の人が選択)を抱きながら、約7割の人が生活が苦しいと実感していることがわかりました。組合は、従業員のこの厳しい生活実態を踏まえた日本IBM支部の24春闘要求書(統一回答指定日は3月6日)を、統一要求日の2月21日に両社に提出、会社に要求を対面で伝える要求団交を2月22日に日本IBMと、2月26日にキンドリルジャパンと実施しました。

賃上げ要求の内容

24春闘要求書の賃上げ要求は、少ない1回分の賃上げとして2024年4月1日付で賃上げを実施すること、さらに24年度分の賃上げを24年9月1日付で(キンドリルジャパンは24年7月1日付で)実施することを要求しています。その内容は以下から成っています。(1)全従業員(正社員、契約社員、プロフェッショナル・ブルー、シニア・プロフェショナル、シニア契約社員、臨時雇用者・派遣労働者を含む)の本給(本俸・月額賃金)を10%引き上げること。(2)本給が下表の年齢別本給下限額(組合が独自に設定)を下回っている従業員について、本給を下表の年齢別本給下限額以上に引き上げること。

組合の賃上げ交渉の構え

以上の通り、組合は物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げを両社に要求しており、これに対する有額回答が3月6日に無い場合は、組合は翌7日早朝に日本IBM箱崎事業所前で、14日早朝にキンドリルジャパン本社前で宣伝行動を実施します。また、宣伝行動といっしょにストライキを実施するため、当支部が掲げる項目についてスト権を確立するためのスト権投票を現在実施中です。さらに、組合は交渉状況に応じた数次の回答日と宣伝行動(ストライキ)を計画しています。

組合に加入し、いっしょにたたかいましょう

24春闘では、なんとしても、物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げをストライキを構えた交渉で勝ち取らなければなりません。従業員の皆さん、今こそ組合に加入し、いっしょにたたかいましょう。組合へのご連絡は3面の「組合なんでも相談窓口」までお願いします。ウェブからは組合トップページ上部の「ご意見ご相談」をクリックし、記入、送信して下さい。

Googleの無法な退職勧奨

GoogleJapanでの大規模レイオフに対抗するため、JMITUAlphabetユニオン支部は2023年2月に結成されました。
(AlphabetはGoogleの持株会社の名前です。)育休・産休中の対象者を含む違法な退職強要の是正を目指し活動されています。支部からの寄稿を紹介させていただきます。*****Googleは長らく、労働者を大切にする企業として知られてきました。無料の食堂、コーヒースタンドはテレビで見たことがある人もいるかもしれません。他にも、自由に使える卓球台などの設備から、18週間満額の産後手当、復職支援の会社契約のベビーシッターなど、福利厚生は充実しています。その反面、一度会社が退職させると決めた社員に対して、非常に厳しいという側面も兼ね備えています。この両極端な掌返しを、対象となった社員は「裏切られた」と表現しています。2023年の3月に、Googleの日本法人で、組織再編成に伴う退職勧奨が行われました。「断れば、職務の異動に伴い、社内システムへのアクセスを制限する可能性がある」という脅し文句を含むメールが対象者に送られました。断ればロックアウトされる、選択肢はない、と思ったと対象者は語ります。組合が把握している範囲で少なくとも6名の育休・産休中の対象者が含まれ、うち4名が恐怖により退職を受け入れました。生まれたての赤ちゃんを抱える母親は、将来を破壊されたと、労働局に行政指導を申請し、組合は11月に違法行為を認めたため行政指導を開始したとの連絡を受けました。この退職勧奨は終わっていません。断って残った人たちは、いくつかのチームに集められ、過小な要求型のハラスメントを受けています。「このリストに取り組んでくれ」と、ほとんど空っぽのリストを渡されたと言います。ほとんど全員が、下から4%の低評価を受けました。チームのほとんど全員がこれほど極端な低評価を受けているのは、人事評価権の濫用、ハラスメントです。そして、この低評価によって、冬季一時金と、ストックオプションも大幅減額となる見込みです。退職勧奨を断った人に対する明らかな不利益取り扱いです。

退職勧奨が明らかにする移民の立場の弱さ

Googleの職場は国際色豊かです。社内の公用語は英語で、日本法人社員の約半数は日本以外で生まれ育った人たちです。普段は対等に仕事をしているつもりでした。しかし、いざ職が脅かされる事態になると、彼らは日本において移民であり、弱い立場であるということが明らかになりました。もともと、転職が当たり前のジョブ型の企業です。独り身で、日本国籍を持っている社員の多くは、やり口には不満を述べながらも、退職は不満なく受け入れました。しかし、日本国籍、永住権を持っていない場合、そうはいきません。仕事を失えばビザも失い、帰らなくてはならない。日本に家族がいる。子供がいる。自分の国に帰れない事情がある。そういった人たちは、退職勧奨の脅しを乗り越え、会社に残りました。その後待ち受けていたのが上記のハラスメントです。日本語を読むことが難しいと、日本で保護された労働者の権利を学ぶことも、労働基準監督署などの行政機関の利用も難しくなります。

反省のない退職勧奨の繰り返し

会社は、2024年1月にも新たな退職勧奨を行いました。今回は、あろうことか、サインをする前から業務に必要なアクセスを先に制限してしまう更に強引なやり方です。対象となったと通知されると同時に、メールなどの必要最低限のアクセスを除き、専門業務に必要なアクセスが制限されました。会社にあなたの居場所はないと言わんばかりの対応です。去年の退職勧奨で労働局から違法の認定をされ行政指導を受けたにも関わらず、まったく反省の色が見えません。退職した社員の多くは、会社のやり方に不満を覚えながらも、退職パッケージに記載された「すべての訴えを起こさないことに同意します」という文言に怯え、声を上げることを諦めてしまいます。恐怖で脅して社員を黙らせるやり方がまかり通ってはなりません。JMITUAlphabetユニオン支部は、断固として抗議し、東京都労働員会への救済申立で会社の責任を追求します。次回期日は3月18日10時30分からです。傍聴、拡散のご支援よろしくお願いします。

24春闘アンケート生活「苦しい」いまだ7割是非アンケートにご協力下さい

今回は24春闘アンケートの項目ごとの集計結果を発表します。集計結果は、日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの、SE系、コンサル、営業系、事務系など幅広い職種の皆さんの、生活、職場に関する要求や思いの反映です。皆さんにご協力頂いた春闘アンケートの結果は、春闘要求書の賃上げ要求額などの具体的な要求づくりのベースとなります。24春闘アンケートの回答はまだ受け付けておりますので、ご回答がお済みでない方は是非アンケートにご協力下さい。

賃上げ要求平均額

賃上げ要求平均額は、55,152円となり、3年連続で5万円を超える高水準となりました。また、在宅勤務手当(日額)要求平均額は402円となり、キンドリルジャパンの日額200円の2倍となっています。既報の通り、日本IBM、キンドリルジャパン両社の賃上げは物価高騰に追いついていません。その原因は、昨年の組合推定平均賃上げ率(本体・バンド7以下)が日本IBMが1.0%、キンドリルジャパンが1.7%と両社とも低水準であったこと、加えて両社ともに賃上げが1回分少ないこと(2020年から2023年の4間に3回)にあります。

生活「苦しい」67%

 

賃上げ要求の背景にある生活実感は、「かなり苦しい」「やや苦しい」の合計が66.7%になり、昨年より下がったものの、いまだ約7割にのぼっています。依然3人に2人が生活が苦しいと実感しているのです。この数字には、賃上げが物価高騰に追いついていない「実質賃下げ」という従業員の生活実態がはっきりと表れています。

職場の不安・不満

職場の不安・不満は、「賃金」が61.9%で昨年に続きトップ、続いて「雇用・リストラ」52.4%、「査定・評価」35.7%となりました。特に「賃金」は昨年に続き6割を超える高水準となりました。

組合に加入し、いっしょにたたかいましょう

24春闘では、なんとしても、物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げをストライキを構えた交渉で勝ち取らなければなりません。
従業員の皆さん、今こそ組合に加入し、いっしょにたたかいましょう。組合へのご連絡は3面の「組合なんでも相談窓口」までお願いします。ウェブからは組合トップページ上部にある「ご意見ご相談」をクリックし、記入、送信して下さい。

IBM、今年もリストラを発表 昨年と同規模3900人規模の削減かそもそも黒字リストラは必要なのか

IBMは1月2日4、2023年第4四半期の連結決算を発表し、その中で23年と同規模の人員を削減する方針を発表しました。方針では「workforcerebalancing」(労働力の再調整)という言葉が使われていますが、これはすなわち「リストラ」(人員削減)を意味します。IBMは、22年第4四半期の決算を発表した昨年1月25日に、従業員の1.5%にあたる約3900の人員を削減する方針を発表していますので、今回発表のリストラも3900人規模の削減と想定されます。ただ、IBMの23年通期の決算は対前年で増収・増益ですから、今回発表の「黒字リストラ」はそもそも必要なのでしょうか。いえいえ、リストラは雇用を奪うもの、決算がどうあれ、あってはなりません。決算結果は経営者の責任です。リストラされる従業員はたまったものではありません。上記の通り、IBMは1月24日にリストラ(人員削減)を実施する方針を発表しました。昨年は、IBMが1月25日にリストラを実施する方針を発表し、組合に日本IBMで2月頃から退職勧奨が行われているという情報が寄せられましたので、今年もそろそろ日本IBMで退職勧奨が本格化しそうです。その予兆と見られる情報として、すでに組合には昨年秋から、上司からPIPを指示されたという情報や、降格か、300万円の加算金付きの退職かのどちらかを選択せよと迫られたという情報が寄せられています。

今すぐ組合に加入しよう

日本IBMグループ、およびキンドリルジャパン・グループの従業員の皆さんに申し上げます。今リストラにあっている方、今リストラの不安に直面している方は、今すぐ組合に加入して、リストラから雇用をまもりましょう。さらに、将来リストラにあうこと、将来リストラの不安に直面することは、いつだれに起こるかわかりませんので、その前に今すぐ組合に加入して、リストラから雇用をまもりましょう。組合へのご連絡は3面の「組合なんでも相談窓口」までお願いします。ウェブからは組合トップページ上部にある「ご意見ご相談」をクリックし、記入、送信して下さい。

リストラの方法と不安

リストラの方法、リストラの不安には次のようなものがあります。十分に警戒しましょう。【リストラの方法】▼低評価▼PIP(業績改善プログラム)▼賃下げ▼降格(以上はパワハラ4点セット)▼LPIC(LowPerformanceIdentificationConversation=上司が低パフォーマンスと認定した従業員を対象にした業績改善プログラム。目標未達になると次にPIPに進む)▼Bottom10~15%(部門で認定した業績下位10~15%の従業員を退職させるため、チェックポイント・ツールでLowPerformerのフラグ付けをする)▼退職勧奨(退職加算金・再就職支援プログラム有りをうたう)▼退職強要(退職を断っても繰り返される退職勧奨)▼人事からの低評価予告メール(日本IBMが過去に全社規模のリストラで使用)▼解雇予告▼会社や部門が人員削減を発表した▼会社が部門の分社化を発表した▼部門が業務の縮小・AI置き換え・移管(海外・関連会社などへの移管)を発表した※部門が対象の場合でも、他部門の方も安心せず十分に警戒しましょう。【リストラの不安】▼チェックポイント業績評価が低評価だった、または上司から低パフォーマンスだと言われたので、上司からPIP/LPICを指示されそうな予感がする▼上司があなたに低評価/PIP/LPICを予告・示唆する発言をした▼上司があなたに攻撃的・威圧的・不穏な言動を行った▼自部門で退職者が出た、またはそれが続くので、水面下でリストラが走っている気がする▼会社や部門のコスト削減圧力が強い、または業績が不振なので、水面下でリストラが走っている、近くリストラが走りそうな気がする

24春闘アンケート 怒りの声、切実な声、多数 是非アンケートにご協力下さい

組合は毎年、従業員の皆さんに向けて春闘アンケートを実施し、その回答を元に春闘要求を作り、回答として頂いたご意見を春闘要求とともに会社に提示しています。24春闘アンケートにご回答頂いた日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員の皆さん、ご協力誠にありがとうございます。
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24春闘アンケートの回答はまだ受け付けておりますので、ご回答がお済みでない方は是非アンケートにご協力下さい。ご回答方法は次の通りです。①JMITU日本IBM支部ホームページを開く。②トップページ上部にある「各種アンケート」↓「2024年春闘アンケート」をクリックする。➂設問に回答後、送信ボタンを押す。

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24春闘では、なんとしても物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げを勝ち取らなければなりませんこ。うした情勢の中、24春闘アンケートでは従業員の皆さんのご意見として、物価高騰と賃上げ、1回分少ない賃上げ(2020年から2023年の4年間に3回)、在宅勤務手当、定年後の労働条件、人事評価・人事施策などについて、怒りの声、切実な声を多数頂いております。では、春闘アンケートに頂いたご意見を以下に紹介します。

物価高騰と賃上げについて

・キンドリルジャパンと比較しても日本IBMの賃上げは極めて低いレベルに留まっており、物価高騰の中、生活していくことが非常に厳しくなっている。
・国の政策として賃上げがスローガンに掲げられている今、「いやIBMは外資だから」は通用しない。ここは日本なのだから。そういう時だけ都合のいい言い訳を持ち出してほしくない。
・大幅に賃上げがないと、物価高騰にキャッチアップできない。
・物価高騰で、他企業が賃上げのために努力をしているのに、誠意が見られない。

1回分少ない賃上げについて

・日本IBM、キンドリルジャパンが就業規則に平然と違反し賃上げを1回飛ばしたことは、会社としてのコンプライアンス意識の欠如であり、また少ない1回分の賃上げの実施を組合が要求しても応じない姿勢は非常に不誠実である。
・貴重な賃上げの機会喪失なので、追加賃上げを願う。
・就業規則に整合しておらず契約不履行である。また物価・税が上昇する中で企業の社会的責任を十分に果たしていない。
・就業規則違反を行い、それをうやむやにする企業体質を許してはいけません。
・フェアではないと思います。会社はもっと従業員に対する責任感を持ってほしいと思います。

在宅勤務手当について

・大多数の従業員が在宅勤務をしている中、日本IBMは組合の再三の要求を無視して在宅勤務手当を支給せず、キンドリルジャパンの1日200円の在宅勤務手当も現在の物価高騰に対してまだ安い。

定年後の労働条件について

・もうすぐ定年退職だがシニア契約社員の年収がかなり低い為、シニア契約社員になるか退職後別会社に勤めるかで悩む。
・シニア契約社員についても年間平均で見た最低賃金ギリギリの金額では到底生活できない。
・まともな人間ならシニア契約社員の月給を18万5千円で放置できないし、社員を大切にしない会社からは人が離れていき将来の成長は見込めない。
・雇用延長者の給与を上げてほしい。人事評価・人事施策について
・ペイフォーパフォーマンスといいながら、パフォーマンスの評価基準、昇進の仕組み、給与調整金額の根拠が不透明であり、さらに所属長は十分な説明責任を果たしていない。

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