急げ!時効は2年
集団訴訟に参加しよう
第3次賃金減額裁判
-集団訴訟のメリット多数-
集団訴訟のメリットをご説明します。お気軽に組合にご相談ください。
賃金減額の時効は2年です。2年経過したところから、請求権が失われていきます。そのままにしていると退職金、厚生年金などすべてに影響します。生涯賃金の差はとんでもなく大きくなり、退職後の生活にも影響します。
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第3次賃金減額裁判
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賃金減額の時効は2年です。2年経過したところから、請求権が失われていきます。そのままにしていると退職金、厚生年金などすべてに影響します。生涯賃金の差はとんでもなく大きくなり、退職後の生活にも影響します。
同じ仕事のアサインは違法
シニア契約社員制度
シニア契約社員制度について、制度の趣旨や問題点、対応方法などを以下にまとめました。現場ラインによる運用の問題点や、社員として身を守るにはどうしたらいいかを提言していますので、今後考えている皆さんは是非参考にしてください。
希望者全員を雇用
シニア契約社員制度とは60歳の定年退職後、引き続き65歳まで再雇用される制度です。単年度契約ですが、希望すれば65歳まで更新し働き続けることができます。
厚生年金の支給開始年齢が65歳まで段階的に引き上げられるため、生活困窮者が出ないよう改正高年齢者雇用安定法が2013年4月から施行されました。
これを受けた制度がシニア契約社員制度です。希望により週3日~5日の勤務形態がとれます。会社は希望者全員を雇用しなければ改正高年齢者雇用安定法違反となります。
問題は安すぎる賃金
シニア契約社員制度の問題点はなんといってもその賃金の安さです。週5日間フルに働いても月給17万円という安さです。法令対応とはいえ、会社のやり方はあまりにも露骨です。しかも、週5日の勤務を希望しても、会社都合で5日よりも少ない勤務形態を押し付けられる例もあり、この場合はさらに賃金が下がります。
一般に定年退職後の夫婦2人の家庭で健康で文化的な生活をするには少なくとも月収31万円程度が必要だとされています。会社はイヤなら他で働けという態度ですが、このような態度はそもそも改正高年齢者雇用安定法の趣旨にも反しており、大企業としての社会的責任が問われます。
同じ仕事のアサインは労働契約法違反
賃金が安いこともあり、シニア契約社員の業務は現役時代とは違う内容が想定されています。制度規定には想定される業務として「これまで社外に委託していた仕事や部門で発生するサポート業務など」となっています。団体交渉の中でも、会社は「シニア契約社員に同じ仕事をアサインすることはあり得ない」と言っています。
ところが、シニア契約社員になる希望を伝えた社員に対して、所属長が「仕事が無い」などの理由を持ち出して退職勧奨したり、あるいは「同じ仕事しか無い」などと伝える例が後を絶ちません。これらは明らかな法律違反です。実際、2016年5月13日に東京地裁で再雇用後も同じ仕事をさせて賃金ダウンするのは労働契約法違反だとする判決が出されています。
団体交渉で交渉を
そもそも所属長が「仕事が無い」などという理由を持ち出すこと自体が法令違反ですが、個人ではなかなかラインと交渉することは難しいのが現実です。そこはやはり団体交渉で協議していくのが正攻法といえます。団体交渉で協議することできちんとした再雇用が保障され、まともな仕事のアサインも確保することができます。
団結して賃金交渉も
シニア契約社員の皆さんが団結すれば、会社と賃金交渉することも可能になります。
過去の歴史を見れば、労働者の団結こそが労働条件の向上につながることが明らかです。
再雇用されてからでもあきらめる必要はありません。組合に加入し、ご一緒に労働条件の向上を目指していきましょう。
チェックポイントで何が変わるか
マイナンバーシステムは大丈夫か 【団交報告】
組合は5月19日に団体交渉を行い、社員の関心が高いチェックポイント評価制度とマイナンバーシステムについて協議しましたので、その内容について以下にお知らせします。
チェックポイント評価制度について
組合はまずチェックポイント評価制度についての日本語資料が少なすぎる点から質問しました。
組合 正式な日本語資料は前回の団交時に渡された「Checkpoint-How itWorks」と題された2枚ものの資料のみということでよいか?
会社 そうだ。
組 では、これまでは、「PBC評価」の結果は、給与調整が行われたり、退職勧奨や解雇の理由となったりしていたが、「チェックポイント評価制度」においても、その結果により、給与調整(減額を含む)や退職勧奨、解雇が行われるのか?
会 ハイパフォーマンスカルチャーを推進するために、ペイフォーパフォーマンス、貢献に応じた処遇の実現を実施していく。
組 要するに、評価結果によって退職勧奨や減給をやるということか?
会 そうだ。
組 ところで、チェックポイント評価制度は相対評価か、それとも絶対評価か?
会 評価については、相対的な分布はない。
組 要するに、絶対評価ということか?
会 そうだ。
組 では、「期待以上」「期待通り」「もう一段の活躍を期待」の評価をする客観的評価基準となる指標は何か?例を挙げて説明してくれ。
会 指標については、個別に設定された目標による。例えば、営業目標や稼働率などだ。
組 それではディメンションごとの具体的な評価基準がわからない。書面で再回答してくれ。
会 回答する。
組 組合員の評価結果については団体交渉の協議事項ということでよいか。
会 これまでと同様だ。
マイナンバーシステムについて
マイナンバーは重要な個人情報です。その運用について関心を持つのは当然です。前回の団交で、マイナンバーシステムは「個人番号及び特定個人情報取扱規程」に則って運用されるとのことだったので、その内容について質問しました。
組 第31条の3の4項に、「アクセスログを記録し、一定期間保存する」とあるが、その保存期間と保存方法を示せ。
会 情報システムを外部からの不正アクセス又は不正ソフトウェアから保護するため、情報システムの利用状況のアクセスログを記録し、これを2年間、社内データベースに保存している。
組 第35条の2の(7)「特定個人情報等管理責任者」の氏名と所属部署を示せ。
会 執行役員セキュリティー事業本部長志済聡子。
組 前回の団交では情報を外部に提供しないとのことだったが、事務取扱担当者一覧に外部業者が記載されている。これはどういうことか?
会 「情報を外部に提供しない」とした事実はないため、回答できない。
~ ~ ~
社員のみなさん、プロの目からみてこの会社回答はいかがでしょうか。ご意見をお待ちしています。
問い合わせ多数!集団訴訟に参加しよう
第3次賃金減額裁判
― あなたはいくら戻るか、お早めに相談を―
賃金減額の時効は2年です。2年経過したところから、請求権が失われていきます。一刻も早く組合に連絡してください。
そのままにしていると確定拠出年金(退職金)や厚生年金、残業代などすべてに影響を及ぼします。退職するまでの長い年月を考えると、生涯賃金の差はとんでもなく大きくなり、退職後の生活にも影響します。
GBS戦略室は追い出し部屋
第3次ロックアウト解雇撤回裁判証人尋問
2016年5月20日に東京地裁527号法廷で、第3次ロックアウト解雇裁判の四人目の原告Dさん関連の証人尋問が行われました。この中で2008年12月に設立されたGBSの戦略室と呼ばれる部門の実態が「追い出し部屋」だったことなど、驚くべき事実が次々と明らかになりました。
尋問では当時Dさんのの所属長だった速水優担当、解雇前年に参加したプロジェクト関係者の安居淳一、解雇直前に参加したプロジェクトの長田圭史PM、そしてDさん本人が証言台に立ちました。
GBS戦略室(BPG)の恐るべき実態
2008年は10月から11月にかけてわずか2ヶ月でおよそ1300人もの社員が大規模な組織的退職勧奨によって会社を去った年です。会社は目標の3倍の社員、つまりおおよそ4000人の社員に退職勧奨をしたことがわかっています。その年の12月にできたGBS戦略室(GBSビジネス推進:通称BPG)について、その実態が次々と明らかになりました。
尋問の中で原告Dさんは、BPGが「仕事を捜すことが仕事」の部門だったと証言。これはいわゆる「追い出し部屋」の特徴です。
速水担当が、BPGそのものがPIPみたいなものだと開き直ると、傍聴席からは驚きの声が上がりました。さらにBPGでは毎月の部門会議でおよそ50人の所属社員についてリストを投影し、毎月退職者が増えて行く状況を発表していたことを証言しました。そのことについて、原告Dさんは「早く辞めろというプレッシャーを感じていた」と証言、BPGの恐ろしい実態を明らかにしました。
さらに、解散する2013年12月までに50名のうちおよそ半数の社員が退職して行ったことを明らかにしました。
プロジェクト・スタッフを非難するPM
続いて尋問されたプロジェクト関係者の安居淳一、長田圭史PMらは、原告Dさんの働きに関し、メールでは感謝の言葉を送っておきながら、証言では非難を繰り返したり、言いがかり的な発言を繰り返すなど、傍聴席の失笑を買いました。そもそもプロジェクトをリードするPMがプロジェクトに参加して一所懸命に作業してくれたスタッフに対して言いがかり的な発言をするなど、その品位が疑われます。
解雇はやはり人事主導で決められた
解雇については、速水担当は解雇予告通知の出る前の週に、「人事の長とGBSの長が決めた」と証言しました。つまり、これは業績不良うんぬんの話ではなく、人事が組織的にトップダウンで決めたことを意味し、本当の解雇理由は就業規則に基づくものでは無いことを意味します。
今回で第3次ロックアウト解雇裁判の全ての証人尋問を終了しました。この後、9月27日に最終陳述が行われ結審となります。年内にも判決の見込みです。第1次第2次ロックアウト解雇裁判に続いて、組合は全てのロックアウト解雇裁判に勝利し、原告全員の職場復帰を目指して、最後まで闘っていきます。
今後のスケジュール | ||
日程 | 内容 | 場所 |
6/14(火) 14:30~15:30 |
東京都労働委員会 第16回調査期日 | 都庁南38階 |
6/28(火) 13:30~14:30 |
第2次賃金減額裁判 第2回期日 | 東京地裁619号法廷 |
9/27(火) 10:00~ |
ロックアウト解雇第3次裁判 結審 | 東京地裁611号法廷 |
集団訴訟に参加を
第3次賃金減額裁判
組合はこれまで会社と賃金減額に関する団体交渉を重ねてきましたが、会社は請求認諾をしたにもかかわらず賃金減額を撤回する考えを示しません。これを受け、組合は第2次賃金減額裁判を提訴しました。以下に第1回口頭弁論の弁護士意見陳述をお伝えします。
弁護士意見陳述(抜粋)
被告(会社)の違法行為は、既に1次訴訟で断罪されました。
それにもかかわらず、被告はその後も就業規則の改悪を改めようともしません。請求を認諾し、白旗を挙げていながら、違法と判決が判断したわけではないなどと、開き直りとしか思えない対応をしています。
2次提訴にあたり、同じ審理を2回裁判所にお願いするのは我々も不本意です。しかし、原因はすでに述べた被告の背理行為にあります。
2次訴訟の争点は被告が行った就業規則の改定、それに基づく賃金減額が違法かどうかです。個々の労働者への評価等は争点にしていません。1次裁判との間で事実と結論は変わりようがないと考えます。
裁判所におかれましては、速やかに審理、判決を頂けるようお願いいたします。
第3次提訴に参加を
賃金減額された皆さん、組合はまだ多くの賃金減額被害者がおられると見ており、第3次集団提訴の募集も併せて行います。会社に請求して取り戻しましょう。減額は目先の毎月の給与減にとどまりません。そのままにしていると確定拠出年金(退職金)や厚生年金、残業代などすべてに影響を及ぼします。退職するまでの長い年月を考えると、生涯賃金の差はとんでもなく大きくなり、退職後の生活にも影響します。
3ページのなんでも相談窓口に、お気軽にご連絡ください。
最強を誇るJMIU日本IBM支部争議弁護団 岡田 尚 (岡田尚法律事務所) 大熊 政一 (旬報法律事務所) 山内 一浩 (旬報法律事務所) 並木 陽介 (旬報法律事務所) 細永 貴子 (旬報法律事務所) 水口 洋介 (東京法律事務所) 今泉 義竜 (東京法律事務所) 本田 伊孝 (東京法律事務所) 穂積 剛 (みどり共同法律事務所) 河村 洋 (第一法律事務所) 橋本 佳代子 (ウェール法律事務所) 竹村 和也 (東京南部法律事務所) 穂積 匡史 (武蔵小杉合同法律事務所) 北川 沙織 (横浜法律事務所) 笠置 裕亮 (横浜法律事務所) 鈴木 啓示 (横浜合同法律事務所) 海渡 双葉 (横浜合同法律事務所) 馬奈木 幹 (馬車道法律事務所) 岩井 知大 (馬車道法律事務所) 石畑 晶彦 (馬車道法律事務所) 大村 俊介 (大さん橋通り法律事務所) 相曽 真知子 (横浜法律事務所) 西山 寛 (法律事務所たいとう) 山田 守彦 (日比谷ともに法律事務所) |
賃金減額被害の実態
-意見陳述より-
4月19日の賃金減額撤回第二次訴訟第一回期日において、原告が行った意見陳述の内容を紹介します。同じような被害を受けた社員が多くおられると思います。我慢しないですぐに組合に加入しましょう。
1. 一気に1999年まで戻った給与水準
私は(入社当初)、開発製造・情報システム部に所属し、工場オフィスオートメーションから全社にわたるオフィスオートメーション化を推進して来ました。企画から運用までパソコンからメインフレームまで幅広く経験して来ました。2009年までPBC評価は2を下回ることがありませんでした。2010年にPBC 3を付けられて以降2011年、2013年と3回も低評価によって賃金を減額されました。 2. 情け容赦の無い減額 減額は3回ありましたので、2010年時点から27%減額されて月収で15万円、年収は20ヶ月相当なので300万円の減額になっていました。あいだに1回の昇給がありましたが5千円です。これが意味することは、1回でも低評価をうけると浮かび上がれないことを示し、社員は大変な不利益を被ることです。私が元の水準になるのは昇給が続いても30年以上かかるのです。このような一方的に不利益を被ることは許せないことです。 3. 殺伐となった職場 相対評価による賃金減額は職場環境に大変な不安を与えています。マイナスポイントがつかないよう絶えず周りを見る、上司への顔色をうかがい逆らわないようにする、言われたことを行なう、決めない、責任が及ばないようにはじめから断るなど殺伐とした状況になっています。昼でも黙々と仕事、笑い声の無い疲弊しきった職場が広がっています。 |
組合に加入しくらしと雇用を守ろう
-裁判勝利で、乱暴な解雇や一方的な賃金減額をストップ-
IBMで働く仲間のみなさん、私は2012年の最初の「ロックアウト解雇」以来、不当解雇を絶対に撤回させるという思いで、日本IBMの仲間とともに全力でとりくんできました。
現在の日本IBMの労働争議の状況を説明し、不当な解雇や賃金減額を許さず、くらしと雇用をまもるために力を合わせることを心から訴えます。
ロックアウト解雇無効
賃金減額裁判も会社降参
すでにご存じのように3月28日、乱暴なロックアウト解雇を「違法・無効」として争った裁判で、東京地方裁判所は5人の原告組合員全員の解雇を無効とし、日本IBMの従業員としての地位を認め、賃金支払いを命じる判決を言い渡しました。今回の判決の意義はきわめて大きいものがあります。
また昨年11月末には「業績不良」を口実とした10%~15%の「賃金減額」を違法として訴えていた組合員の裁判で日本IBMは、訴えの請求をすべて認める「請求認諾」をおこない、判決を避け裁判を終了させました。
これまで日本IBMで「ロックアウト解雇」や「賃金減額」が強行されたなかで、多くのみなさんは「次は誰の番なのか」「私は大丈夫だろうか」という恐ろしさや心配に胸を痛めてきたのではないでしょうか。
みなさん、私たちが裁判をおこなってかちとった判決や「請求認諾」によって、日本IBMでも簡単に「解雇」や「賃金減額」ができなくなったといえるのではないでしょうか。事実、3月末までに大量の退職者をつくりだそうとして、退職金の割増などを公然とおこなってきましたが、「ロックアウト解雇」はもちろんのこと「パワハラ退職強要」もできなくなりました。
賃金減額は直ちに撤回を
「賃金減額」裁判の争点は、業績不良であるかどうかの「評価」の是非ではなく、賃金制度そのものが違法かどうかでした。それはPBC評価という「完全相対評価」による「下位成績者」に対して「大幅な賃金減額」を連続できる賃金制度であり、労働組合との協議もせず一方的に決定した賃金制度でした。
その違法性が明らかになるなかで、日本IBMは判決を避けて「請求認諾」したのです。とすれば、違法な賃金制度にもとづいた「賃金減額」を撤回して賃金を元に戻すこと、賃金制度そのものを労働組合と協議して改善することが当然ではありませんか。
ところが、日本IBMは性懲りもなく前回の裁判で請求したもの以外はおこなわないという頑なな姿勢を変えなかったため、やむをえず「賃金減額」第2次裁判をおこさざるを得なくなりました。
あまりにも異常な会社の対応ではないでしょうか。結果は見えています。裁判所からは「請求認諾をしておいて、どうやって同じ理由の裁判を争うのですか?」と問われることは明らかです。無駄な抵抗はやめて即刻「賃金減額」を撤回すべきです。
会社の病気を治す医者=労働組合に加入しよう
日本IBMの「ロックアウト解雇」は、①「経営者が勝手な都合で解雇できる」アメリカ型の解雇を持ち込もうとした、日本の解雇規制、日本の労働法規に対する挑戦でした。②また日本IBMでの退職強要に対抗し、多くの仲間の雇用を守ってきたIBMの労働組合を弱めようとした卑劣な攻撃でした。しかしこのもくろみは崩れ去りました。裁判所も、「解雇には社会通念上の重大な理由がなければならない」として、アメリカ型の解雇は許さないという姿勢を示しました。
日本IBM支部は、JMITUはじめ全国の労働組合の支援を得て元気に活動して、組合員も増やしています。日本IBMでは、解雇や「賃金減額」という脅しの人事施策がおこなわれました。職場は暗くなっていませんか、生き生きと働けていますか。こんな状態を続けていて、みんながいい仕事ができて会社が発展するでしょうか。
労働組合は会社の病気を治す医者です。労働組合を強く大きくすることが、みんなが安心して元気に働ける職場にすること、乱暴な解雇や「賃金減額」を再びおこさせない力です。
多くのみなさんが労働組合に加入して、ともに力を合わせることを心から訴えます。
祝いの言葉で勝訴実感
ロックアウト解雇裁判原告の声
3月28日、13時10分、緊張が高まる中で開廷し、裁判長が第一次3人と第二次2人の判決骨子を順番に淡々と読み上げていきました。「原告が被告に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する」。一瞬、判決の意味が理解できませんでした。しかし頭の中で反芻すると勝訴したんだということが理解できました。他の4人についても同じ文面だったので、全員勝訴ということがわかりました。
閉廷と同時に、支援者の方々からお祝いの言葉をかけていただき、握手を求められ、実感が湧いてきました。
米国流解雇
日本はダメ
提訴から3年間の苦労が報われた瞬間で、会社の権利濫用が認められたことは非常にうれしいです。また、後続の三次~五次提訴の裁判にも好影響を及ぼす判決で、日本では米国流の解雇は通用しないことを示した点でも大きな意味があると思います。もしも今回の解雇が適法と認定されていたなら、この手法が日本中に広がり、労働者は安心して働けなくなります。ただ、原告の主張が完全に認定されなかった点は非常に残念です。
裁判所前には、関西から傍聴に来られた人もいて、うれしくなりました。判決後の記者会見では多くのメディアが取材のために出席し、提訴時よりも大きく取り上げられたことは、この裁判に対する社会的関心が高いことを示していると思います。
支援の皆さんに感謝
今回の一審判決に対して、原告・被告共に控訴したため、裁判は法廷を高裁に移して続きますが、引き続き、みなさんのご支援をお願いします。
最後に、この場をお借りして、組合や弁護団、支援者のみなさんにお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。(酒)
ロックアウト解雇裁判 会社資産差押え報告
絵画4千万円相当差押え
ロックアウト解雇第1次2次裁判の判決が3月28日に東京地裁から出され、原告の会社への復帰とともに、解雇時から判決確定日までの賃金支払が命令されました。そして賃金支払いの原資を確保するため、組合は会社資産の差し押さえを行いました。
当日16時半に東京地裁の執行官らが箱崎本社に立入り、絵画4点・評価総額3905万円を差し押さえました。この間、箱崎本社前で20人の組合員と支援者が、通行する人にチラシ配布とスピーカーによる宣伝をする中で、「執行官、頑張れ!」と声援を送りました。声援の甲斐もあって、高価な絵画を見つけることができ、差し押さえは成功裡に終了しました。
高額な絵画を差し押さえることができて良かったと思う一方、不愉快な気持ちが起こりました。評価額は購入額の八掛けのため、差し押さえた絵画の購入額は4800万円を超えます。しかも、差し押えた4点のうち3点は倉庫で差し押さえられました。つまり役員フロアには平均購入額1200万円以上の絵画が飾られており、定期的に架け替えるための絵画が倉庫に眠っていることになります。
売上げや利益につながらないものを容赦なく切り捨てている会社が、役員のためには、絵画に、多額の費用をかけるという身勝手なことをしています。そんな余裕があるなら、頑張って働いている従業員に給与や賞与の増額で報いるべきです。会社はお金の使い方を間違えています。
1次・2次裁判5人全員勝訴
ロックアウト解雇断罪
会社が行ったロックアウト解雇の撤回を求める裁判で2016年3月28日、東京地裁は第1次第2次訴訟の原告5人全員の解雇を無効とし、解雇時点に遡って賃金を支払うよう会社に命じました。以下、組合声明を掲載します。
組合声明
1 東京地裁民事第36部(吉田徹裁判長)は、本日、ロックアウト解雇事件1次・2次訴訟に関して、日本IBM(会社)のなしたロックアウト解雇を違法無効として、原告全員5名につき地位確認及び賃金の支払いを命ずる原告ら全面勝訴の判決を言い渡した。東京地裁は、解雇規制法理を無視した日本IBMの乱暴な解雇を断罪したものである。
2 会社は、2012年7月以降、本件ロックアウト解雇を突然に開始した。これ以前は、会社は、2008年末以降、執拗な退職勧奨によって1300人もの労働者を退職させていたが、業績不良を理由とする解雇を一切していなかった。ところが、2012年に米国本社から派遣された外国人社長が就任した直後から本件ロックアウト解雇が連発されたのである。
これまで分かっているだけでも50名の社員に対してロックアウト解雇通告がなされた。
本件1次・2次訴訟の原告は2012年及び2013年に解雇された社員であるが、他にも6名の原告が地位確認訴訟を提起し、現在東京地裁に係属している(3次~5次訴訟)。
3 本件解雇の特徴は、先ず、会社が原告らに交付した解雇理由書には「業績が低い状態にあり、改善の見込みがない」という抽象的な理由が同一文言で記載されていた点がある。しかも、10年、20年以上勤務してきた原告らを突然呼び出して解雇を通告し、その直後に同僚に挨拶をする間も与えずに社外に追い出す(ロックアウト)という乱暴なものであった。
原告らは長年にわたり会社に勤続してきた労働者であり、会社が主張するような業績不良や改善見込みがないなどという事実は一切なかった。ところが、会社は、人員削減と労働者の「新陳代謝」を図るために、業績不良という口実をでっちあげて解雇したものにほかならない。まさに、本件ロックアウト解雇は、米国流の「解雇自由」に基づくIBMによる日本の解雇規制法理に対する挑戦であった。
4 東京地裁は、解雇の有効性については、原告らに一部、業績不良があるとしたが、「業務を担当させられないほどのものとは認められず、相対評価による低評価が続いたからといって解雇すべきほどのものとも認められないこと、原告らは被告に入社後配置転換もされてきたこと、原告らに職種や勤務地の限定があったとは認められないことなどの事情もある」として、本件「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、権利濫用として無効というべきである」とした。まさに、IBMによる日本の解雇規制法理への攻撃を退けた点について高く評価できる。
5 現在、東京地裁で6名の組合員の解雇訴訟が係属している。また、本件ロックアウト解雇等について労組が東京都労働委員会に救済申立をして現在も審理中である。しかし、本日の判決で、本件ロックアウト解雇の違法性は明らかになった。
われわれは、会社に対して、1次・2次訴訟の控訴を断念すること、そして、3次~5次訴訟原告を含めた原告全員の解雇を撤回し、直ちに復職を受け入れるよう強く要求するものである。
(週刊現代にも掲載)