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相談窓口

「退職しなければ解雇だ」でうつ病

労災認定

中央労基署

2278号-1面

会見で労災認定の報告をする(左から)大岡委員長、水口弁護士、杉野書記長=12月9日、厚労省内

 上司から繰り返し退職強要された社員が、2015年2月に「退職しなければ解雇だ」と言われたことが決定的な精神的ダメージとなってうつ病になり、それが労災として認定されました。
 組合はこの事件の経緯について2015年3月5日付の組合ホームページ記事で報告しましたが、再度ここに紹介します。
 会社はこれまで退職強要やロックアウト解雇を繰り返してきましたが、今回の労災認定、そして先日の賃金減額裁判の勝利は、社員を追い詰める人員削減手法が再考を迫られていることを示すものです。

事件の経緯

 Aさんは2014年末にPBC評価が悪いとして年末までに退職をするよう所属長から数回退職勧奨され、さらに2015年に入ってからも退職勧奨が続いていました。そして2月18日午後4時、面談に呼び出されたとき、所属長は「別の道に行ったほうがいい」と退職するよう求め、Aさんの返答をさえぎって、「受けない場合は、解雇状態になる」と脅迫しました。
 これを受け組合は2月27日に会社と団体交渉を行ない、Aさんに対して脅迫行為を働いたことに対する謝罪を求めました。ところが、会社は3月2日に「退職勧奨を受けない場合には解雇になる、というようなお話しはしていない」と返答したため、組合は3月3日、厚生労働省で記者会見を行い、早期退職に応じなければ解雇だと言われた面談の録音を公開しました。(組合ホームページには録音の書き起こしも記載されていますので、こちらも合わせてご覧下さい。)
 面談では、Aさんが「ロックアウト解雇ですか」と問いただすと、所属長は「そういうふうにならないように次の会社を紹介してあげるのでどうですか」と言い、ロックアウト解雇を否定しませんでした。
 会見で組合は「合法とされる退職勧奨のレベルを超えている」と指摘し、さらに担当弁護士は「これは違法であり、損害賠償の対象になる」と説明しました。

スピード認定の理由

 Aさんはうつ病と診断され、4月から休職しました。同時に組合が紹介した水口弁護士の助けを得て6月に中央労基署に労災申請をしたところ、12月1日に労災が認定されました。精神的な圧迫による労災の認定がわずか半年で認定されるのは極めて異例のことです。水口弁護士は「日本IBMは解雇を連発しており、上司の言葉は単なる脅し以上の心理的負荷があった」と指摘しています。
 スピード認定は会社が実施してきた社員を追い詰める人事労務施策が社会的にも問題視されていることを示しています。

労働組合に結集を!

すべての争議解決を

槍・穂高連峰から昇るご来光 (笠ヶ岳山頂にて撮影) 撮影:古川肇(組合OB)

JMIU日本IBM支部
中央執行委員長  
大岡義久

 2015年の私たちのたたかいは連戦連勝でした。東京都労働委員会に続き中央労働委員会からも「救済命令」が出され、会社が不当労働行為について謝罪文を掲示しました。

 さらに賃金減額裁判においても会社が請求を「認諾」しました。また中央労働基準監督署からは、退職面談を受けた社員の「労災認定」や都労委から会社に対し「勧告書」が出されるなど第三者機関においてことごとく会社に問題があることが確定しています。すなわち、労働者が組合に結集することで労働者の権利を守れることを証明した一年でもありました。
 しかし会社は成果主義と称して、相対評価、賃金減額、ロックアウト解雇で社員を管理し続けています。その結果、過重労働が横行し、労働者の賃金が抑制され、モチベーションが落ち、組織の風通しが悪くなり、チームワークを阻害するなど会社が成長するための根幹を揺るがしています。このような施策を速やかに改めるべきです。
 2016年は組合にとってより重要な年になります。まず、ロックアウト解雇裁判において、先行する5人に対し3月に判決が出るのをはじめ、次々に判決が出ます。組合は勝利を確信しており、会社はすべての争議解決を迫られることになるでしょう。
 最後に、新しい年が更に良い年になるよう祈念致しまして、新年の挨拶とさせていただきます。組合への結集をお待ちしています。

2015年に実現した組合要求一覧

1月 傷病手当金の累積使用が可能に
 組合要求により、傷病手当金が累計として18か月分まで受け取ることができるようになりました。

3月 東京都労働委員会から勧告書
 不当労働行為を繰り返す会社に対して、2回の「要望書」を経て、さらに強い「勧告書」が都労委から出されました。

4月 賃金減額がストップ
 組合が春闘要求として掲げていた4月の賃金減額をしないことが、実現しました。

5月 会社業績達成度70
 組合が春闘要求として掲げていた一時金の算定に使われる会社業績達成度70が実現しました。

7月 中労委で不当労働行為救済命令
 中央労働委員会から会社に対して謝罪文を掲示する命令が出されました。

7月 会社が謝罪文を掲示
 中労委の命令を受け会社が謝罪文を掲示しました。

11月 賃金減額裁判完全勝利
 会社が減額した賃金全てを支払うことを認める「認諾」をしました。

12月 賃金減額は当面「保留」
 賃金減額裁判の結果を受け会社は当面賃金減額を「保留」としました。

12月 労災認定
 「退職しなければ解雇だ」と言われ、うつ病になった人が労災認定されました。

 

会社は賃金を元に戻せ

 

会社は賃金を元に戻せ

―団交報告―

 賃金減額裁判において会社が11月25日に認諾したことを受け、組合は12月7日に団体交渉を持ち、左記の内容を要求しました。
 会社は団交の席上、「真摯に受け止め、検討を行っている。12月24日の次回団交までに文書回答し協議する」と約束しました。

組合要求の内容:

①原告の賃金減額を撤回し、もとの額に戻すこと

 賃金減額裁判では今までに支払われた本給および賞与の減額分を請求していました。請求分については12月1日に全額が支払われましたが、それだけでは十分ではありません。原告の賃金(リファレンス・サラリー)が減額される前の額に戻されてこそ真の解決と言えます。

②今回の認諾で含まれなかった賃金減額分を支払うこと

 裁判では未来に発生する損害の請求はしていないため、賃金が元の額に戻らない限り、毎月新たな損害が発生します。また、今回の裁判では2013年に行われた減額を争点としていたため、原告に対する2014年の賃金減額および2012年以前の賃金減額による損害についても認諾には含まれていません。これらの損害についてもすべて支払うことを要求しました。

③残業代・社会保険・401K等、賃金減額に伴うすべての不利益を回復すること

 認諾による支払い対象は本給および賞与の減額分のみですが、これらが元に戻ることによって残業代や厚生年金保険、確定拠出年金の拠出金の不足までもが顕在化することになります。これらを含む不利益分の回復も要求しました。

④原告以外の組合員について①~③同様の措置を行うこと

 裁判で取り戻せたのは原告の損害のみでしたが、裁判に加わらなかった組合員についても上記①~③の措置を行うことを要求しました。

⑤組合に謝罪と謝罪金の支払いをすること

 認諾は、会社が全面的に非を認めたことを意味します。したがって、組合に謝罪するとともに、裁判に伴う弁護士費用やもろもろの活動費用を弁済するのが当然です。このことを要求しました。

⑥賃金制度を安易に減額できない制度に戻すこと

 会社がフリーハンドで賃金減額をできるような現行の違法な就業規則や格付規程がそのままになっていては、今後も不当な賃金減額を会社が実施する可能性があります。安易に減額できない制度に戻すことが根本的な解決になります。このことを要求しました。

⑦今後、組合員の労働条件変更は組合と事前協議を行い、合意の上で実施すること。

 労働基準法の第2条では、給与等の労働条件は従業員と会社が対等の立場で協議し決めることが定められています。
 今回のようなことを繰り返さないためにも、このことを明文化しておくことが必要です。

減額された賃金は取り戻せます

 

まずは組合に相談を!

減額された賃金は取り戻せます

 組合ではこの間にPBC評価を理由として15%~10%もの大幅な賃金減額をされた社員が2000人以上に上ると推定しています。減額された皆さん、会社に請求して取り戻しましょう。会社はすでに白旗を掲げているのですから。

 すでに9名の原告には請求分が振り込まれました。今回の賃金減額裁判のFAQを右下に掲載します。黙っていても会社は賃金を返してはくれません。さあ次はあなたの番です。

 賃金減額は目先の毎月の給与減にとどまりません。そのままにしていると、確定拠出年金(退職金)や厚生年金、残業代などすべてに影響を及ぼします。退職するまでの長い年月を考えると、生涯賃金の差はとんでもなく大きくなります。退職後の生活にも影響します。

 あなたの賃金を取り戻すには;
 1.こちらのなんでも相談窓口に連絡する
 2.組合に加入する
 3.団体交渉に加わり賃金を戻す要求をする
 4.会社が要求を受け入れなければ、集団訴訟

 年末には決起集会が予定されています。
 連戦連勝の組合に入り、あなたも減額された賃金を取り戻しましょう。

Q.「認諾」の意味は?
A. 会社が裁判で訴えられたこと全てを認めたことを意味します。和解とは違います。従って後続の請求も認めざるを得なくなります。

Q.成果主義による賃金減額は仕方がないことなの?
A.いいえ。相対評価による業績評価のみで一方的に大幅減額することは労働契約法違反です。

Q.待っていれば会社は減額分を返してくれるの?
A. 例えば消費者金融の過払い金の請求の例でもわかるとおり、待っていても返してくれません。組合に入って皆と一緒に請求すれば取り戻せます。

Q.本給を減給前の額に戻せるの?
A.組合は団体交渉でもとの額に戻すことを協議しています。多くの人が組合に入ることで、交渉力が強まります。組合に入ってぜひ一緒に要求しましょう。

Q.賃金減額分の請求に時効はありますか?
A.あります。時効は2年です。

Q.2013年に減額されましたが、もう請求する意味が無いのですか?
A.そんなことはありません。賃金減額はずっとそのまま続いています。2年以内の減額分については請求することができます。

 

賃金減額裁判

組合 全面勝利

―会社がみずから請求を認める―

会見で裁判勝利の報告をする組合と弁護士= 27日、厚労省

会見で裁判勝利の報告をする組合と弁護士= 27日、厚労省

連戦連勝の組合

 2015年11月25日、賃金減額裁判において、会社は「原告らの請求を全て認める」として「請求の認諾」を行い、原告9名に対し裁判で請求されていた減額分の賃金および遅延損害金の全額約1200万を支払うことを言明しました。
 賃金減額裁判は12月25日に判決が予定されていました。しかし裁判の経過から、会社の敗訴が確実視される中、判決によって日本IBMの賃金減額制度の違法性や非人道性を厳しく指弾されることを恐れた会社が、判決前に自らの減額措置が誤りであったことを認め、白旗を掲げたものです。原告組合側の完全な勝利です。都労委、中労委の勝利命令に続き、組合は連戦連勝です。

認諾が意味するもの

 この「請求の認諾」によって回復される賃金はこの裁判を起こした原告9名の請求した金額に限られますが、会社は自らの減額措置の誤りを認めた以上、過去のすべての減額措置を撤回するとともに、今後二度と減額を実施しないことを約する当然の義務が発生します。
 組合は今後の団体交渉を通じて、過去に行ったすべての減額措置を撤回し、減額された組合員の損害を回復するように求めていきます。

組合に加入し、一緒にたたかいましょう

(原告Aさんのコメント)
 私は2013年5月、PBC低評価者に対する一律の減額が発表された翌日に組合に加入しました。真面目に働いてきた社員に対する会社の非道な仕打ちが許せず、また、10%を超える賃金減額が違法であることも確信していたためです。今回の「認諾」によって、過去の減額分約160万円を取り返すことができ、あきらめずにたたかってよかったと、心からほっとしています。
 ただし、賃金減額の問題はまだまだ残っています。今後すべての問題を解決するために、会社と団体交渉を行っていきます。賃金減額された皆さんもあきらめずに組合に加入し、一緒にたたかいましょう。
 ~ ~ ~ ~
 組合ホームページには、勝利声明が掲載されています。合わせてご覧ください。

請求の認諾とは

 被告が原告の請求が正しいことを認め、裁判所が作成する調書に記載されるもの。原告勝訴の判決が確定した場合と同様の効果が発生します。
 原告と被告の合意によって行われる和解とは異なるものです。

 

解雇は労働契約法違反で無効

ロックアウト解雇第1次・2次裁判結審

 ロックアウト解雇第1次・2次裁判は、11月16日に最終弁論を行い結審し3月28日に判決がでます。水口弁護士が最終意見陳述を行いました。以下にその抜粋を掲載します。

 本件解雇は、労働契約法16条に違反することにより無効である。

1 本件審理で明らかになった本件の特徴

 一つは、解雇予告通知書に記載された解雇理由が全てほぼ同一の定型文言にて記載されていたという点です。その文言は、抽象的な「貴殿は、業績が低い状態が続いており、その間、会社は様々な改善機会の提供やその支援を試みたにもかかわらず業績の改善がなされ」なかったというものです。原告らが具体的な解雇理由を問いただしても回答しませんでした。団体交渉での説明さえ拒んだため、中労委で不当労働行為と認定され、会社も命令を受け入れ裁判所への不服申立を断念しました。
 二つは、原告らは、日本IBMで10年、20年以上働いてきたにもかかわらず、突然、業績不良・改善の見込みなしと解雇された点です。その根拠として挙げられるのはPBCという人事評価ですが、これは相対評価です。解雇を相対評価で決めたというのです。
 三つは、IBMでは、2012年以降、毎年、全世界的に人員削減が実施され、そのため毎年、ワークフォース・リバランシング・チャージ、すなわち人員再調整費用が計上されています。時期及び金額は会社発表資料で明らかです。組合員で解雇された35名を見ると、Ⅰ期は、2012年第3四半期で4億800万ドルで11名解雇、Ⅱ期は2013年第2四半期で10億ドルで15名解雇、Ⅲ期は2014年第1四半期で2億ドルで4名解雇、Ⅳ期は2015年第1四半期で2億8000万ドルで5名解雇と時期が合致しています。会社が計画的に被解雇者を選定して、予算措置がある時期に一斉に解雇していることは明らかです。

2 本件解雇は人員削減のための解雇であること

 本件解雇は、原告ら労働者個人の業績が低い結果だとされていますが、実際には、先ず人員削減の目標ありきなのです。この点を赤裸々に語ったのが原告酒本の上司です。この上司は「毎年毎年、組織を維持できないほどの人員削減をやらされている。そうなると辞めさせても影響が少ない人物を人員削減対象とする」と語っています。
 要するに、日本IBMは、経営側の事情による解雇には整理解雇の法理が適用されるため、これを回避するため、あえて原告らの業績不良、改善の見込みがないと、理由を偽装して解雇しているのです。

3 メンタル疾患について

 原告ら5名のうちメンタル疾患に罹患していた者が3名います。日本IBM社内でメンタル疾患は人事上も対策が必要な問題でもありました。HRの資料にも患者の調査結果などが課題として掲載されています。
 ところで、原告らの中にはメンタル疾患を上司に申告できなかった者もいました。それは、メンタル疾患を抱えているということが上司にわかったならば退職勧奨の対象になるのではないか、と恐れたからです。これを申告しなかったことが解雇の理由になるでしょうか?
 最高裁判所は、東芝うつ病解雇事件(平成26年3月24日・集民第246号89頁)の判決の中で「労働者にとって,自己のプライバシーに属する情報であり,人事考課等に影響し得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質の情報であった」として、その情報を申告しなかったとしても、使用者はそれに配慮すべき義務を負うと判示しています。ですから、本件解雇についても、メンタル疾患を管理職に申告していなかったとしても、やむを得ない事情があり、かえって使用者が十分にそれに配慮していなかった場合には解雇が社会的な相当性を欠くことになると言うべきです。

「賃金減額・解雇撤回闘争 報告決起集会」のご案内

 来る12月25日(金)19:00より、「賃金減額・解雇撤回闘争 報告決起集会」を全労連会館2Fホールにて行います。ぜひご参集ください。

 案内はこちら(PDF)→ 賃金減額・解雇撤回闘争報告決起集会

声明<日本IBM、賃金減額問題について判決前に白旗を揚げる!>

声  明
<日本IBM、賃金減額問題について判決前に白旗を揚げる!>

 全日本金属情報機器労働組合(JMIU)日本アイビーエム支部組合員9名が原告となって日本アイ・ビー・エム(以下「IBM」)を相手に提訴していた賃金減額裁判(東京地裁平成25年(ワ)第25401号)において、IBMは、2015年12月25日に決定していた判決言渡しの1か月前である11月25日、突如「原告らの請求を全て認める」として、遅延損害金含め総額約1183万円を支払うと言明した。
 訴訟上、これは「請求認諾」となり、裁判はこれをもって終了するが、原告側の完全勝利である。判決直前の「認諾」は極めて異例であり、判決によって賃金減額制度が「違法」と断罪されることが確実視されるなか、その社会的影響を避けるための苦肉の策としか考えられない。判決前に自らの減額措置が誤りであったことを認め、白旗を揚げたもので、それは勝訴判決以上の意味を有する。
 本件でIBMは、労働者や労働組合との誠実な協議をしないまま、就業規則を一方的に改訂し、従前なかった賃金減額を可能とする文言を挿入し、2013年7月1日に本給で8.25~12.8%、年間収入で9.98~15%の減額率での減額措置を行った。なかには4回の減額で500万円を超える賃金ダウンを受けた者もいる。
 労働基準法91条では、懲戒処分の場合ですら「10%を超える賃金減額をしてはならない」と規定しているが、ほとんどがこれを上廻る減額率である。
 加えて、就業規則には減額の基準や金額については何の定めもなく、何年連続でも、いくらでも減額できるという「フリーハンド」を会社に与える規定になっている。この就業規則の改定当時、IBMは業績も順調で約940億円の経常利益を上げており、減額制度の導入の必要性は全くなかった。労働契約法10条が、就業規則の一方的改訂による労働条件の不利益変更の場合に、これを有効とするために定めた必要な要件を全く具備していない。
 減額は、労働者を職場から排除する狙いで行われており、退職勧奨に応じない者は解雇される。現に、本件9名の原告のうち半数以上の5名が減額措置後に解雇予告通知を受け、2名が解雇無効を求めて裁判係争中である。減額は正に解雇への一里塚である。
12月25日に言渡される予定であった判決は、これらの点を厳しく断罪するものであったことは推測に難くない。
 本件裁判については、労働者側の全面勝利で終わった。しかし、未解決の問題が山積みされている。何より月額本給・年間収入が減額前に戻っておらず、本件の翌年も組合員に対する減額措置がなされている。
 IBMが、係争中の解雇事件を含むこれら全ての未解決問題について、本件「認諾」を契機に、JMIUとの団体交渉を速やかに行い、全面的な解決を図るべく、労使正常化に向けて大きな一歩を踏み出すことを期待し、要求する。

以上

2015年11月27日

全日本金属情報機器労働組合
同  日本アイビーエム支部
同  弁護団

従業員代表選挙 組合推薦候補に投票を

従業員代表に「1年間」白紙委任する大事な選挙です!
労働条件、福利厚生など不利益変更はさせません。

 会社はこれまで、借上げ社宅の廃止や私傷病休職の有給期間の短縮など労働条件を改悪してきました。それに対して、これまで当選した従業員代表は、ほとんど異議を唱えることなく、この改悪を容認してきました。このようなことをなくすために、ぜひ組合推薦候補に投票してください。

● PBC評価制度の改定について
  恣意的な評価を許さず、客観性・透明性・公平性を担保させます。
● マイナンバー制度について
  慎重な運用を求めていきます。
● 改正労働安全衛生法に基づくストレスチェックの導入について
  制度の趣旨に沿った正しい運用を求めていきます。
● 就業規則等の変更が提案される場合
  その都度の従業員代表選挙を求めていきます。
● 各種法令に基づく労使協定の締結について
  従業員のみなさんが働きやすい環境を作るよう働きかけます。
● 時間外労働は厚生労働省通達「1か月45時間」「年間360時間」を遵守
  稼働率目標の達成のための長時間労働をやめさせます。
● 従業員へのフィードバック
  会社との会議内容を従業員にフィードバックします。みなさんの意見を聴取した上で従業員代表の責務を果たします。

事業所 ブロック 組合候補
本社 第1ブロック 大場伸子
第3ブロック 吉野浩介
第5ブロック 杉野憲作
幕張事業所 第1ブロック 池田武司
第2ブロック 石原隆行
大阪事業所 第1ブロック 河本公彦

 会社は11月5日、36協定及びその他協定締結のため、従業員代表選出の通知を出しました。
 会社はこれまで「借上げ社宅の廃止」や「消えた1 ・5ヶ月分の賞与算定期間」「私傷病休職の有給期間の短縮」など労働条件を改悪してきました。それに対して、これまで選出された従業員代表は皆さんの意見を代表するような振る舞いをしたでしようか?ほとんど異議を唱えることなく、この改悪を賛成・容認してきたのではないでしょうか。組合は上記趣意書にあるように社員の皆さんを裏切りません。
 是非とも組合推薦候補に皆さんの一票をお願いします。

MBA昇給、会社は従業員の貢献に報いる気無し【団交報告】

―日本だけ増収なのに無視―

 機関紙「かいな」11月2日号でお知らせした秋闘要求の回答指定日である11月4日に会社から回答が出されました。組合は団体交渉をもって内容について協議しましたので、以下にお知らせします。

低い給与水準を調整するのがMBA昇給

 会社には2つの昇給制度があります。ひとつは4月1日付のTCR(TopContributor Reward)で、もうひとつは12月1日付MBA(Market-Based Adjustments)です。会社の説明によれば、TCRは成績の良かった人のみに対する昇給で、MBAは業界の給与水準などと比較して調整が必要な場合に実施されるものです。この観点からすれば、MBA昇給はいわゆるベースアップに近い考え方だといえます。
 ところで、この4月は消費税が8%に引き上げられたことを受け、各大手企業がベースアップを実施しました。この結果、日本IBMの給与水準はこれら大手企業に比べて見劣りする状況になっていました。これを調整する意味で、この年末はMBA昇給をすることが重要です。
 組合はこのような状況分析の下、大手各社にひけを取らないためには全従業員の平均賃上げ率3%のMBA昇給をすることが必要だと結論し、秋闘要求を提出していました。

ゼロ回答のMBA昇給

 会社回答はMBAの「実施を確約するご要求に応ずる考えはありません」と一蹴。まさにゼロ回答でした。
 これに対し、組合がMBA昇給の検討事項である、

・市場の需要動向
・業界の給与水準
・日本での適用状況
・該当職種

について現在の会社の検討状況を聞いたところ、会社は「まだ決まっていない」との返答を繰り返すばかりで、誠実に働いてきた社員の貢献に報いようという姿勢がまったく感じられませんでした。以下にその模様をお知らせします。

 MBA昇給は考えているか。
 12月は給与調整を行うタイミングであるが、全員の昇給は考えていない。
 市場の環境をどのように考えているかなど、検討内容を回答して欲しい。現時点の状況判断を聞いている。
 会社は成長分野にスキルを求めている。CAMSSのような成長分野に人・モノ・カネを投入したい。全従業員にという考え方は無いが、MBAの性格からして競争力が弱まっているところにフォーカスを当てている。まだ最終的な結論に至っていない。
 12月1日までもう1ヶ月もない。まだ具体的な検討に至っていないというのはどういうことか。
 それは認識している。給与担当と相談しながら進めている。
 この春に大手各社はベースアップをしてきている。現場の感覚では大手各社に比べて社員の給与水準が見劣りしているので、平均3%の昇給を要求している。
 データは開示できないが競合他社の賃金とベンチマークを行って職種別の競争力を図っている。給与水準が見劣りしている点についても会社として確認している。
 もっと具体的に説明して欲しい。日本は対象になっているのか。
 まだ前段階だとしか言えない。
 「今年はこうです」という回答はないのか。いつわかるのか。
 ・・・
 日本だけ増収だったはず。社員に対してどのように報いるつもりか。3%というのは、決して無理な要求ではない。
 会社業績の業績連動部分は賞与で報いている。
 いつまでに決まればよいのか。配分を考える時間が必要ではないか。
 最終的には12月1日だ。どこに昇給するかは、ここ数年で見ると、決定イコール限定だ。
 直前に決まって、協議の時間無しでこのままいくというのは困る。
 なんとか明確にしたいと考えている。

12月1日付で減給をやるのか?

 組合要求に対する回答が「減額調整を中止する考えはありません」となっている。これは12月1日で減額をやるということか。
 上方、下方の賃金の見直しということは、考えとして消すものではないということだ。
 一般的な話ではなく、この12月1日付で賃金減額をしないでほしいという要求だ。これに対してどうなのか。
 まだ検討中ということだ。
 それは、減額があるかもしれないということか?
 そこは最後の決めになる。
 1ヶ月後に迫ったことについて、今の時点で回答できないのはいかがなものか。やらないなら、やらないと回答すべきだ。
 すべてにおいて、慎重に検討しているということだ。

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