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JMITU24春闘方針

どんなに有利な情勢がひろがっていても、労働組合が本気でたたかわなければ、そのチャンスをいかし、大幅賃上げを実現することはできません。JMITUは、今年こそ大幅賃上げを実現するために、団結をつよめてたたかいぬきます。そのために次の5つにチャレンジし「要求実現の力をもつ労働組合」をめざします。1.あきらめと低額回答慣れを乗り越える要求づくり2.納得できない回答にはストライキを3.組合員を増やして要求を実現する4.全国統一闘争という春闘の原点を取り戻す5.地域ぐるみ、国民総ぐるみの春闘をたたかう

「ダメなものはダメ」といえる要求づくり

24春闘では、JMITUの各支部・分会は、「どうせ無理」というあきらめや低額回答慣れを乗り越え「ダメなものはダメ」というかまえで要求づくりを行います。

1.生活を土台にした要求づくり

全国1万人を目標に要求アンケートに取り組みます。要求アンケートに答えることは賃上げを願う人なら誰でも参加できる「全員参加の春闘」の出発点です。また、職場で要求アンケートを集めることは仲間の賃上げへの切実な思いを集めることです。組合員は、みんなで手分けし職場の仲間にアンケートへの協力を呼びかけます。

2.経営者にはくらしをまもる責任がある

労働者のくらしをまもる経営者の責任を徹底して迫ります。職場には「生活が大変。アルバイトをしたい」「この会社で働いていても希望が持てない。転職したい」などの声が出るほど生活悪化と閉塞感が強まり、離職者も増えています。こうした職場の仲間のリアルな生活実態や思いを経営者に伝え、労働者・労働組合の要求を受け止め、その実現に全力をあげることなしには企業の将来もないことを徹底して迫ります。

3.均等待遇など非正規の仲間の要求実現を

年収200万以下の労働者は1042万人もいます(22年)。「非正規の仲間の要求が前進しないかぎり春闘は終わらない」のかまえをつくり、定年後継続雇用者を含む非正規雇用ではたらく仲間の大幅賃上げを勝ち取ります。

4.ジョブ型人事を職場に持ち込ませない

「ジョブ型人事」とは、「ジョブ(職務)」に応じて賃金や処遇を決定するという意味です。しかし、実態は成果主義的な賃金・人事制度そのものです。また、「ジョブ型人事」は仕事や勤務地を限定するという「限定社員」の考え方とセットです。「限定社員」は仕事や勤務地が無くなったときに労働者を解雇できるようにする「解雇自由」につながります。成果主義は、賃金と生活を断ち切るところに本質があります。具体的には、①年齢や経験によって賃金があがる仕組みがなくなる②上の等級(職務)に昇格しない限り賃金はあがらない③技術・営業などと製造現場で賃金の格差が生まれる④経営者の一方的な評価により賃上げ額が決定され、団体交渉が形骸化する⑤「賃金は評価・業績で決めるもの」と言って物価高騰でも賃上げされないなどの問題点があります。実際、すでに導入されているところでは、40歳代以降は賃金がまったくあがらなくなったり、低評価で賃下げされる例が少なくありません。JMITUは成果主義には断固反対します。

24春闘 引き続き物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げをめざします

まず、1月1日に発生した能登半島地震で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。昨年は、マスコミも大きく報道しましたように、たたかう労働組合とストライキへの注目と期待が広がった年でした。アメリカではハリウッドや自動車ビッグ3(GM、フォード、クライスラー)で大規模なストライキが行われ、日本でもそごう・西武労組が大手百貨店として61年ぶりのストライキに立ち上がりました。

24春闘を取り巻く情勢

電気、ガス、ガソリンなどのエネルギーや、食料品、様々な生活必需品の異常な値上がりが23春闘以降も続き、長期化しています。この物価高騰の主な要因は▼ロシアのウクライナ侵攻で原油や穀物の価格が供給不安から高騰していること▼異常な円安で輸入品価格が上昇し、高騰する原油や食料品などの輸入品がさらに値上がりしていること▼人手不足による人件費の高騰、原油価格の上昇によるガソリン価格の高騰などで物流費が上昇していること、です。加えてイスラエル・ハマス紛争で原油価格がさらに高騰するおそれもあります。消費者物価指数の総合指数は、昨年11月現在、前年同月比で27ヶ月連続で上昇、この27ヶ月で7.2%も上昇したにもかかわらず、日本の賃金上昇はこの間の物価上昇に追い付いておらず、実質賃金が下がり続けています。実質賃金指数は、昨年10月現在、前年同月比で19ヶ月連続で下落しています。

政府・財界頼みではだめ、組合に加入しよう

こうした情勢の中、24春闘は、労働者の賃金が持続的な上昇カーブに乗れるかどうかの分かれ目と言える重要な春闘です。24春闘では、組合は23春闘から引き続き、物価高騰からくらしをまもる大幅賃上げをめざします。政府が指針を発表した「三位一体の労働市場改革」は、ジョブ型人事(職務給)の導入を含み、ジョブ型人事の導入はPIPを含んでいます。政府はこの改革を行うことで「構造的賃上げ」の仕組みを作っていくと言っていますが、リストラを伴うこのような経済政策を推進する政府・財界頼みでは持続的な賃上げは実現しません。企業にも政府にも忖度なくはっきりと物を言えるのは労働組合だけです。日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員の皆さん、ぜひ組合に加入して24春闘でいっしょに大幅賃上げを勝ち取りましょう。組合員数の拡大は交渉力の拡大となります。

24国民春闘討論集会・第8回組織建設全国会議 ~物価高騰から暮らしを守る大幅賃上げを

JMITUは11月25日と26日の2日間、24国民春闘討論集会・第8回組織建設全国会議を静岡県熱海市で開催しました。オンライン参加も含め全国から約百名が参加し、24春闘の意思統一をしました。春闘方針案として、生計費原則に立ち生活を土台にした要求づくりの徹底や全国統一闘争で春闘をたたかい抜くことなどを確認しました。

チャレンジ春闘

まず一日目は、参加者がJMITUの24春闘の指針である「24春闘パンフ」を読み合わせた後、JMITUの三木委員長が方針提起を行いました。三木委員長は冒頭、「たたかう労働組合とストライキへの注目と期待が広がっている。アメリカではハリウッドやビッグ3と呼ばれるGMやフォード、クライスラーで大規模なストライキが行われた。日本でもそごう・西武労組が大手百貨店として61年ぶりのストライキに立ち上がった。日本のマスコミも大きく報道した」と参加者を鼓舞し、「24春闘は23春闘で明らかになった課題に取り組む『チャレンジ春闘』だ」と呼びかけました。

24春闘を取り巻く情勢

続けて三木委員長は、24春闘を取り巻く情勢について「23春闘以降も、異常な物価高騰が続いている。23年8月の生活必需品の物価は、22年8月から1年間で3・4%プラス、20年8月から9・6%も上昇しているにもかかわらず、日本の賃金上昇はこの間の物価上昇に追いついていない。その結果、実質賃金が下がり続けている」と述べた上で、「24春闘では、23春闘に引き続き、物価高騰から暮らしを守る大幅賃上げを目指す」という方針を強調しました。24春闘パンフから、JMITUが目指す大幅賃上げ実現の条件を抜粋して紹介します。****

大幅賃上げは可能だ!

24春闘では、何としても大幅賃上げを勝ち取らなければならないし、がんばれば大幅賃上げは必ず実現できます。要求実現の条件は次のとおりです第。一は、異常な物価高騰のもと、職場にも地域にも大幅賃上げを願う切実な思いが充満していることです。こうした職場・地域の思いに依拠をしてたたかうことができれば、大幅賃上げをはじめとする要求を実現する大きな力になります。第二は、人手不足が引き続き深刻であり、規模や産業にかかわりなく人材獲得に積極的な企業が増えていることです。また、中小・中堅企業では、将来に展望を見いだせず退職する若者が増えています。いまや若者の確保・定着はどの企業にとっても重要な課題です。中堅・中小企業が優秀な人材を確保するためには、若者にとって魅力のある賃金・労働条件が求められています。第三は、日本の賃金の異常な低さが日本社会のさまざまな歪みやゆきづまりをつくりだしていることです。異常な低賃金によって国内の消費購買力は弱まり、経済成長の足かせとなっています。悪影響はそれだけではありません。低賃金や労働者使い捨ての人事政策により多くの企業では人材の流出が止まらず技術・技能が継承できず、国際競争力が急速に低下しています。地方では都市部との賃金格差により若者を中心に人口流出が深刻となっています。急速にすすむ少子化も、若者が出産や子育てに希望を持つことができないことに根本的な原因があります。日本の低賃金が生み出すこうした社会のひずみが問題となり、賃上げを求める国民世論が大きくひろがっています。第四は、賃上げを求める国民世論のひろがりとあわせて、労働組合やストライキへの国民の意識に大きな変化が生まれていることです。国内外でのストライキがマスコミで紹介されることで労働組合やストライキへの認識に変化が生まれています。9月27日付朝日新聞の社説がストライキを正面からとりあげ、「労働組合はストライキで存在感を示せ」と主張するなどマスコミの論調も変化しています。こうした世論の変化を追い風にして、ストライキを軸にした攻勢的な春闘に打って出れば大幅賃上げは可能です

IBM・キンドリル従業員代表選挙 組合推薦候補へのご支持ありがとうございました

今年の従業員代表選挙は、組合推薦候補が左表の4選挙区に立候補しました。投票は日本IBMグループで11月27日に、キンドリルジャパン・グループで11月21日に締め切られ、日本IBM箱崎第2ブロック、キンドリルジャパン箱崎第3ブロックで再選挙にもつれ込みました。

最終結果は上表の通り、組合推薦候補は日本IBM箱崎第2ブロックで当選させて頂くことができました。従業員の皆様の組合推薦候補へのご支持に御礼申し上げます。また、12月8日に行われた日本IBM箱崎事業所の従業員大代表を選出する互選は、組合推薦の第2ブロック代表の吉野さんと、3ブロック代表が立候補しましたが、残念ながら吉野さんは大代表になれませんでした。

組合推薦候補は善戦

今回の選挙では、組合推薦候補は当選できなかった3選挙区でも善戦しました。つまり、この3選挙区では、対有権者数得票率が当選した相手候補でも51%台から54%台であり、2%~5%ほど組合推薦候補に票が動けば、組合推薦候補が再選挙で当選するくらいまで肉薄したのです。従業員の皆様のご支持のおかげで当選まであと一歩のところまで押し上げて頂きました。

日本IBM箱崎第2ブロックの再選挙得票数が未公示という問題

12月5日に投票が締め切られた日本IBM箱崎第2ブロックの再選挙結果は、立候補者2名が両名当選という結果だけが公示され、両名の得票数は12月12日終業時現在、公示されていないままとなっています。上表の得票数は立候補者の吉野さんがコーディネーターにメールで問い合わせ、12月12日にメールで入手したものです。得票数が公示されていないということは選挙の透明性確保の観点から大きな問題です。なにか得票数を知らせることができない事情かあるのでしょうか。しかし、いかなる事情があれ、得票数は公示すべきです。

不正行為の情報提供を

今回の日本IBMグループ、キンドリルジャパン・グループの従業員代表選挙で、ラインマネジャーからの立候補依頼、特定候補者への投票依頼などにあわれた従業員の方は、是非、組合トップページ(JMITUIBMで検索)の上部にある「従業員代表選挙不正行為通報」ボタンを押して、情報をご提供下さい。

組合推薦候補へのご支持を

組合推薦候補は、労使対等原則(労働基準法第二条第一項)の立場に立ち、従業員代表に選ばれれば、会社提示の就業規則改定案に関する事柄だけではなく、就業規則全般について従業員の利益、労働条件の向上になるよう会社に意見することをお約束します。今後とも従業員代表選挙では、ぜひ組合推薦候補をご支持下さい。

学習会開催「ジョブ型人事とどうたたかうか

11月14日夜、JMITUはオンライン学習会「ジョブ型人事とどうたたかうか」を開催しました政。府が内閣府に設置した「新しい資本主義実現会議」は「構造的賃上げ」などをかかげる一方で、ジョブ型人事の導入を含む「三位一体の労働市場改革の指針」を発表し、働き方の改悪を進めています。学習会では、JMITUの三木委員長が、ジョブ型人事制度の問題点を解説しました。その内容を学習会で使用した資料から抜粋し紹介します。

成果主義は「賃金と生活を切り離す」賃金制度

(1)「ジョブ型人事」とは、本来、「ジョブ(職務)」に応じて賃金や処遇を決定するという意味ですが、実態は賃金・雇用破壊の成果主義的な賃金・人事制度そのものです。(2)「成果主義」賃金の本質は「賃金と生活を切り離す」ということです。具体的には、次のような問題点があります。

「賃金は成果・業績で決めるもの」と言って物価高騰でも賃上げしない

成果主義とは「会社の評価によって個々の労働者の賃金を決める」仕組みです。したがって、労働者全員を賃上げするという意味での定期昇給、物価上昇に応じて賃金を底上げするという意味でのベースアップという考え方は否定されます。日本IBMでは「異常な物価高騰だから労働者全員に一律のベースアップを」という組合の要求に対して会社は「IBMの賃金はあくまで一人ひとりの成果によって決める仕組みだから物価が上がったからといって一律には賃上げしない」と応えています。

会社の評価は恣意的で基準もあいまい

成果主義では上司が個々の労働者を評価し賃金を決めるわけですが、その評価の基準があいまいで不公正なところがほとんどです。会社の都合によって評価の基準が変わったり、上司から見えやすい成果には高い評価がついたりする一方、目に見えない努力や成果は無視されるなど、多くのところで評価をめぐる不満が吹き出しています。

年齢給や勤続給など年功によって賃金があがる仕組みや住宅手当・家族手当などがなくなる

成果主義賃金では年齢給や勤続給など年齢や経験に応じて賃金があがる仕組みがなくなります。「定期昇給」と言っても、年に一回賃金を見直すだけです(日本IBMでは賃金規定から「昇給」という言葉が「給与調整」に書き換えられました)。実際には会社から高い評価を受けない限り賃上げはなくなり、低評価の場合は賃下げもあります。また、家族手当や住宅手当など成果・業績と関係なく支払われる属人的な手当も廃止しているところが少なくありません。

成果主義は雇用問題でもある

(1)成果主義の問題点は賃金だけにとどまりません。成果主義が導入されているところでは、低評価を受けた労働者に対する退職強要も頻繁におきるなど雇用の問題ともなります。日本IBMでは、「会社の新陳代謝を促す」といって、「毎年、会社の評価で下位10%の労働者を退職させる」という「ボトム10」という人事政策を公然とうたっています。そうした退職強要を制度化した「PIP(業務改善プログラム)」も外資系などを中心にひろがっています。PIPとは、低評価の労働者に対して、「学び直し(リ・スキリング)」を強要し、それでも成果がでなかったといって退職に追い込む手法です。

成果主義では企業の将来展望は生まれない

(1)成果主義が導入されると、経営者は自らの経営責任を棚にあげて労働者に責任転嫁するようになります。業績が少し悪くなると労働者に責任を転嫁する安易な発想となり、みずからはどうやって会社をよくするか考えないようになります。「麻薬」に侵されたように、賃下げと業績悪化の悪循環が繰り返されるようになります。賃金制度も改悪が繰り返されるようになります。(2)成果主義が導入されたところでは、会社や上司が労働者の生殺与奪の力をもつようになり労働者支配が強まります。労働者は会社全体の利益よりも自分がどう評価されるかを優先するようになり、業務上の問題点やミスを隠すようになります。その結果、重大な不具合や不良が可視化されないとか、ハラスメントが横行するなど、ブラック企業化してしまいます。(3)成果主義が導入されたところでは、助け合って仕事をする気風が薄れます。労働者は分断され、力をあわせて仕事をするというチームプレーの精神が希薄になります。技術・技能は承継されなくなり、みんなで知恵と力をあわせて仕事を工夫するということがなくなるため、「集団知」「経験知」も集積されなくなります。その結果、技術力、開発力も弱まります。電機をはじめ日本企業の国際競争力が弱まったのも、成果主義をはじめ労働者を使い捨てにする人事政策の結果といえます。

JMITU冬ボーナス回答速報 組合員平均、昨年を3万3194円上回る

物価高騰がいまだに収まらない中、JMITUの23年末一時金闘争は、11月17日現在、99支部分会が回答を引き出しています。また、上積み回答を求めて奮闘する支部分会が広がり、上積み回答を引き出したところは、29支部分会にのぼります。左表のJMITU主要企業の支部・分会は90万円を超える回答を引き出しており、昨年冬に続き堅調です。全体としても昨年冬の水準を上回っています。JMITUの組合員平均(加重平均)は、昨年の同時期との比較でプラス3万3194円(0.12ヶ月)となっています。

東京東部では、大東工業支部が昨年妥結を28万円上回る90万円を引き出すもこれを不満とし、5万円の上積みで95万円としました。小坂研究所支部は3次回答67万円(2.24ヶ月)を引き出しました。東京西部では、超音波工業支部が6万円の上積みで100万円の大台にのせました。東京北部では、文化シヤッター支部が初回回答74万円(2.61ヶ月)を不満として、一言メッセージを集めニュースを発行するなどし、0.29ヶ月上積みの82万682円(2.90ヶ月)を引き出しました。東洋精機支部は2次回答93万5千円を引き出し、昨年妥結を19万千円上回りました愛。知地本では、川本製作所支部が3次回答121万8千円を引き出しました。京滋地本では、カシフジ支部が2次回答110万円を引き出しました。大阪地本では、宮本製作所支部が昨年妥結23万円を大きく上回る初回回答からさらに上積みを引き出し、3次回答60万円(1.64ヶ月)としています。兵庫地本では、神港精機支部が4次回答75万円(2.61ヶ月)まで引き出し、昨年妥結を16万4千円上回りました。

IBM・キンドリルの状況

下表の通り、日本IBMの組合推定平均支給額は、賃上げ日が5月1日のため、夏ボーナス時と同額の92万6千円(2.06ヶ月)で、昨年より5万7千円アップでした。また、キンドリルジャパンの組合推定平均支給額は、賃上げ日が7月1日のため、夏ボーナス時より1万6千円アップの91万6千円(2.05ヶ月)で、昨年より4万7千円アップでした。
昨年よりアップも不十分このように日本IBM、キンドリルジャパンを含め多くの支部分会で回答は昨年実績を上回っているものの要求に届かず、物価高騰を補うにはまだ不十分な水準です。まだ多くの支部分会が大幅上積みを求めて闘争を継続しています。

昨年上回る 23秋闘要求提出102支部36支部が回答引き出し

 

要求、回答ともに昨年を上回る

10月7日時点で23秋闘要求提出支部分会は102支部、36支部分会で回答を引き出しています。昨年同時期と比較し、要求が+7支部分会、回答で+11支部分会を上回るものとなっています。

通勤手当の見直し

昨今のガソリン代の高騰を踏まえ、埼玉・吉原鉄道支部、自動車精工支部では通勤手当の改善(金額算定基礎のガソリン代の見直し)の回答を引き出しています。

再雇用者・継続雇用者の待遇改善

埼玉・東京セキスイ支部、東京北部・東洋精機支部では再雇用者、継続雇用者の賃金引上げや住宅手当の支給を引き出しました。

休暇数の引上げ

東京西部・超音波工業支部では、2時間単位休暇を年3日限度から年4日(16回)へ、中途入社者の初年度有給休暇付与日数増、神奈川・三興製鋼支部では年間休日、長野・マグネエース支部では結婚休暇日数を引き上げさせています。

時間外労働の扱い

埼玉・日新興業支部では時間外労働支給を1時間単位から15分単位に、長野日酸TANAKA支部ではノー残業デーを1日増やすことができました。東京西部・リオンサービスセンター支部では、労基署要請も行い、残業代を1分単位で支払うことを勝ち取り、過去3年分に遡及して精算するという大きな前進を築いています。労災補償では長野・カネテック支部、マグネエース支部が上積みを勝ち取っています。

事前協議・同意協定の遵守

また、多くの支部分会で、事前協議・同意協定遵守を確約させています。東京北部・鈴木シャッター支部では、団交を積み重ね、統一要求に対する回答で「事前協議」に関連する文言を「相互理解と納得をめざし事前に誠実に団体交渉を行い十分に協議する」と6箇所を書き換えさせました。東京西部・リオンサービスセンター支部の団交では、統一要求の項目で「事前協議同意協定を結ぶことはしないが、会社として行うべき責務はきちんと行う」ことを表明させました。また、「一時金交渉においては根拠となる経営数字の開示は行わない」という回答を変えさせ、きちんと開示して説明することを約束させました。政府が進めるジョブ型人事・成果主義に備え、事前協議・同意協定の回答を引き出し、遵守を迫っています

労働条件・職場環境改善

東京西部・HOYA支部では、「賃金制度の原案提示。自然災害時のアナウンス実施。階段段差対策実施。人感センサー付照明・階段ホールの換気・水平移動は必要な対策を行う。傘立て増設検討。作業着改善検討。食堂の改善検討。」など、支部要求に概ね沿った前進回答・前向きな回答を引き出しています。超音波工業支部では、女性事務員の作業服をスカートのみから、スカート・ズボンの選択が可能へ、などの前進回答。それ以外にも、「忌引き休暇取得運用見直し(東京西部・アジアエレクトロニクス支部)」、「職場環境改善(東京西部・田原電機分会)」、「インターバル勤務制度は今後検討する(東京南部・NSW分会)」、「職場の人員と技術に見合った仕事量への調整及び人員補充実施など組合要求に沿った回答(東京南部・TSP分会)」、「少しでも労働条件改善につながるものがあれば、可能な限り実行していければと考えております(東京南部・大田地域支部・高昭産業)」などの回答がありました。

IBM/キンドリル従業員代表選挙組合推薦候補に投票を

日本IBMで11月1日に、キンドリルジャパンで11月6日に従業員代表選挙が公示されました。

今回の従業員代表選挙には、左表の組合推薦候補が左趣意書を提出して立候補しています。従業員代表は「時間外および休日労働に関する協定書」(36協定)などの労使協定の締結、ならびに就業規則の一部改定についての意見聴取の役割を担います。任期は今年12月1日から来年11月30日までの1年間です。両社で従業員代表選挙が行われるのは、労働基準法が、労使協定の労働者側の締結当事者を、労働者の過半数で組織する労働組合、それがない場合は労働者の過半数を代表する者と定めているためです。よって、両社は労使協定を従業員代表と締結しているのです。

会社のYESマンの従業員代表の恐ろしさ

組合推薦でない候補者は、会社のYESマンの可能性があり、立候補趣意書の推薦人欄にラインマネジャーの名前の記載がある、つまり会社側の人から推薦されているケースが散見されます。会社のYESマンの従業員代表は、労働条件の不利益変更が含まれていても、会社からの制度変更提案になんでも同意しかねない恐ろしさがあります。会社はこれまで、会社のYESマンの従業員代表の同意を得て、組合との事前協議も十分に行わずに諸制度の改悪を強行してきました。実際に行われた制度改悪の象徴が、賃下げを可能にする格付規程の改悪です。その結果が、会社がパワハラ4点セットを使って行ってきた人員削減と人件費削減なのです。

組合推薦候補に投票を

従業員の皆さんにとって利益になるのは組合推薦候補の当選です。組合推薦候補は、上趣意書のとおり、労使協定の締結や就業規則等の改定に際し、必ず従業員の利益、労働条件の向上になるよう会社に意見することをお約束します。ぜひ、組合推薦候補者への投票をお願いします。

JMITU日本IBM支部23秋闘二次要求書の紹介

重点要求以外の要求より

10月24日、組合は日本IBM、キンドリルジャパンに2023年のJMITU日本IBM支部秋闘二次要求書を提出しました。回答指定日は11月7日です。この支部秋闘二次要求書は、重点要求のみ掲載した支部秋闘一次要求書に、職場のさまざまな労働条件の改善を求める詳細要求を追加掲載した要求書です。以下に支部秋闘二次要求書から詳細要求を抜粋して紹介します。

(IBM向け)労働条件の改善に関する要求

1.有期雇用やPC型社員を廃止し、レギュラー社員に転換すること。2.恒常的な仕事をしている臨時雇用者や、1年以上の継続勤務をしている派遣労働者については、本人が希望する場合は正社員化を検討すること。3.食堂・カフェテリアについて(1)横浜北事業所に、社員食堂・カフェテリアを設けること。(2)リロクラブの割引対象として社員食堂・カフェテリアも含めること。(3)社員食堂が利用できない従業員には食費補助金を出すこと。(4)本社事業所(箱崎)の社員食堂・カフェテリアが利用できない間は、本社事業所の従業員に食費補助金を出すこと。4.傷病休職に関する要休求職期間中は、現行制度では最初の3ヶ月(短期休職期間)は賃金が支払われ、その後は傷病手当金(本給より低い金額)が支払われるが、この制度を2014年の就業規則改定前までの最長3年まで賃金を支払う制度に戻すこと。5.出産、育児、看護、介護に関する休暇、時短勤務、深夜勤務制限などの会社諸制度を利用したことにより個人業績評価を低評価にしないこと。6.物価高騰を受け、各種出張手当を一律1000円増額すること。7.2時間以上の時間外労働をした際に支給される食事手当を500円にすること。

福利厚生に関する要求

1.永年勤続表彰制度を下記の通りに見直すこと。・勤続25年特別休暇20日特別一時金5万0円・上記以外で勤続5年ごと特に別休暇5日特別一時金10万円2.労働災害の死亡特別弔慰金を有扶養者3000万円、無扶養者2500万円にすること。(現行=それぞれ2500万円、2000万円)3.未就学者までになっている育児早退の対象を、小学校卒業までに延長適用すること。4.借り上げ社宅制度の廃止を撤回すること。5.住宅費補助の廃止を撤回すること。

健康及び安全衛生に関する要求

1.健康診断項目に関する要求(1)2014年4月1日付で有料化した健康診断オプション項目を家族検診も含め無料に戻すこと。また、無料オプション検診については最初から検診メニューに組み込んだ形で提供すること。(2)眼圧・眼底検査を4歳0以上の社員の無料必須検診項目として追加すること。2.インフルエンザの無料予防接種を復活すること。

(キンドリル向け)労働条件の改善に関する要求

1.食堂・カフェテリア・ベンディングマシンについて(1)横浜北事業所に、社員食堂・カフェテリアを設けること。(2)リロクラブの割引対象として社員食堂・カフェテリアも含めること。(3)社員食堂が利用できない社員には食費補助金を出すこと。(4)本社事業所(箱崎)の社員食堂・カフェテリアが利用できない間は、本社事業所の従業員に食費補助金を出すこと。(5)新本社事業所(六本木)でも従業員がベンディングマシン、給茶機などを利用できるようにすること。2.物価高騰を受け、各種出張手当を一律1000円増額すること。3.2時間以上の時間外労働をした際に支給される食事手当を500円にすること。4.永年勤続表彰制度を下記の通りに見直すこと。・勤続25年特別休暇20日特別一時金50万円・上記以外で勤続5年ごと特に別休暇5日特別一時金10万円5.借り上げ社宅制度を創設すること。6.住宅費補助を創設すること。7.有料の健康診断オプション項目については家族検診も含めキンドリルジャパンが補助金を出すことにより無料検査項目を増やすこと。8.眼圧・眼底検査を40歳以上の社員の無料必須検診項目として追加すること。9.インフルエンザの無料予防接種を実施すること。

シニア制度改善が大きく前進

キンドリルジャパン、来年1月に制度改定へシニア契約社員、月給19万円から25万円に

シニア・プロフェッショナル制度でも契約時のバンド条件を拡大(バンド8以上から6以上に)

キンドリルジャパンは10月27日、2024年1月1日付でシニア制度を改定することを発表しました。今回の改定(左図参照)では、まず、シニア契約社員の月額給与(週5日勤務)が19万円から25万円に賃上げされます。年収は228万円から300万円になります。さらに、シニア・プロフェッショナル制度でも次の点が変わります。・契約時のバンド条件がバンド8以上から6以上に拡大・初回の契約期間が(一定の条件をもとに)最長で次年度末まで、から最長2年に変更このようにシニア契約社員の月給は、昨年までの東京都の最低賃金ぎりぎりの17万円から、ほぼ1年で世間の水準に近づくことになります。(下図参照)シニア・プロフェッショナルでも雇用機会が拡大します。組合が訴え続けてきたシニア制度改善が大きく前進します。

広がる日本IBMとの差

日本IBMではシニア契約社員の月額給与(週5日勤務)がようやく10月に18万5千円(下図参照)になりましたが、シニア・プロフェッショナル制度の契約時のバンド条件はバンド8以上で据え置きです。キンドリルジャパンと日本IBMとのシニア制度の差は広がっていきます。

組合に加入しよう

従業員の皆さん、ぜひ、あなたも組合に加入してシニア契約社員の賃上げ、シニア・プロフェッショナル契約の締結・更新を要求求しましょう。組合員数の拡大は、要求を実現する交渉力の拡大となります。組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。

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