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リストラ実施、確実

リストラ実施、確実
-記者会見で報告-

 11月10日午後3時より、JMIU三木書記長と、IBM支部杉野書記長が、厚生労働省にて記者会見を行いました。
 この会見は、前号でお伝えしたとおり、IBMの3Q決算報告にて、4Qに「Workforce rebalancing(人員再調整)」のために6億ドルを費やすことが発表され、日本でもリストラ実施が確実となったため、そのことを広く世間に訴える目的で行われたものです。団交でリストラ実施について明言を避ける会社側の対応も紹介し、共同通信社、NHKなど各社記者から質問が相次ぎ関心の高さが伺えました。

2014.11.10厚生労働省にて記者会見(2255号)

各社記者からの質問に答えるJMIU三木書記長
(奥中央左)とIBM支部杉野書記長(奥中央)

従業員代表選挙

従業員代表選挙
組合推薦候補に投票を
従業員代表に「1年間」白紙委任する大事な選挙です
労働条件、退職金規約など不利益変更にストップをかけます。

 2014年12月1日から2015年11月30日までの任期中、従業員の不利益にならないように努めますのでよろしくお願いします。突然発表された就業規則変更や借り上げ社宅廃止のような「大改悪」を繰り返さないために頑張ります。

●就業規則およびその付則規定の一部改定について
 労働条件の切り下げや、雇用を脅かす改定には同意しません。
●退職金規約、確定拠出年金規約を変更する場合
 労働者の不利益になる場合は署名しません。
●会社分割について会社と協議する役割
 労働者が移籍させられる場合は、会社に対し本人の同意を求めます。
●各種法令に基づく労使協定の締結について
 労使協定の締結は、法令を最低限守ればよいというものではありません。労働者が働きやすい環境を作っていかなければなりません。
●時間外労働は厚生労働省通達「1か月45時間」「年間360時間」を遵守
 労働者が心身の疲労を回復させ、健康で充実した生活を送るためには、時間外労働を減らし、年次有給休暇の取得が必要不可欠です。
●従業員へのフィードバック
 会社との会議内容を従業員にフィードバックします。みなさんの意見を聴取した上で従業員代表の責務を果たします。

 会社は11月5日、36協定及びその他協定締結のため、従業員代表選出の通知を出しました。
 社員の皆さん、この一年間、会社は様々な制度の一方的不利益変更を行ってきましたが、皆さんが選出した従業員代表は皆さんの意見を代表するような振る舞いをしたでしょうか? 借り上げ社宅の廃止、消えた1・5ヶ月分の賞与算定期間、そしてこの秋の就業規則の大改悪。組合は上記趣意書にあるように、社員の皆さんを裏切りません。是非とも組合候補に皆さんの一票をお願いします。

?事業所 ?ブロック ?組合候補
?本社 ?第1ブロック? ?大場 伸子?
?第3ブロック ?吉野 浩介
?第5ブロック ?並木 和男
?豊洲事業所? ?第2ブロック ?田中 純
?幕張事業所 ?第1ブロック ?橋本 弘嗣
?第2ブロック ?石原 隆行
?大阪事業所 ?第1ブロック ?河本 公彦

 

会社は4Qリストラをやめろ【団交報告】

会社は4Qリストラをやめろ【団交報告】
MBA昇給は従業員の切実な要求

 組合は秋闘二次要求についての回答団交を11月5日に行いました。この中で、特に関心の高い4QリストラとMBA昇給について突っ込んだ協議をしましたので、以下に報告します。

4Qリストラについて

 4Qに日本でリソースアクションプログラム(RA)を行うのか?ジニーがグローバルでやると言っているが、まだ下りてきていないのか?
 まだ下りてきていない。
 いつくらいにくるのか?
 まだわからない。
 まだ退職勧奨はないのだな?
 従業員と所属長がキャリアを話すことはある。
 RAはいつBUごとに下りてくるのか?
 まだわからない。
 わかったら事前協議をして欲しい。
 RAの規模その他について事前協議する気はない。
 ではなにが答えられるのか。
 個別の組合員について協議する。
・・・・・
(組合のコメント)
 会社は4Qのリストラについては否定せず、逃げの答弁に終始しました。団交の雰囲気から、組合は4Qにリストラが行われることを確信しました。

MBA昇給について

 組合は一律3%の昇給を要求している。
 一律3%昇給の要求に答える考えはない。
 これは協議なので、どういうことならできるのか? MBAの検討状況を教えて欲しい
 今現在検討している。
 前回、給与担当の川合さんは2週間くらいでわかると言っていた。現時点でもわからないのか。
 まだ検討中だ。
 現時点でもわからないのか。部門によっては昇給なしと発表している。一方、世の中では3%物価上昇がある。
 部門での昇給無しの発表は承知していない。
 MBAは会社業績よりもマーケットに依存するのでは。
 マーケットに比べて負けてはいけないということはあるが、とはいえ、原資を確保できなければ難しい。
 12月にやるには、1ヶ月程度の交渉期間が必要である。(給与担当の)川合さんがいないのはおかしい。
 交渉しないということではない。鋭意努力している。
 どこかで最終判断が出るはずだ。
 ちょっとわからない。
・・・・・
(組合のコメント)
 会社は検討していると言っていますが、何度も昇給原資について言及しています。つまり、現時点で原資が確保できていないという事実がわかります。このことから今年のMBA昇給は難しそうです。しかし、社員の士気に大きく影響することであり、組合は引き続き交渉を続けていきます。

フィットネス・ジムについて

 リモートの人や事業所に来られない人のための新たなプログラムを検討しているか?
 まだ決まっていないが、来年には発表できる。
 この業績でフィットネス・ジムを作れるのか?
 社員にコミットしている。
組 フィットネス・ジムを作る金があるなら社員を削減しないで欲しい。
・・・・・
(組合のコメント)
 組合はフィットネス・ジムを作ることで部門に費用負担が転嫁されるのではないかと懸念しています。会社は投資先を変えたと言っているので、本来、この費用はすべて部門を超えたコーポレートで持つべきです。

米IBM 10期連続の減収

米IBM 10期連続の減収
  4Q 6億ドルの大リストラ

 IBMは10月20日、第3四半期決算が減収減益となったことを発表しました。また1株20ドル以上としていた2015年の利益目標「2015ロードマップ」の達成を断念したことを明らかにし、さらに半導体事業をアメリカの半導体メーカーに、1600億円を支払うという異例の条件での譲渡を発表しました。

世界で6億ドルのリストラ費用を計上

 IBMは「人員再編」のため6億ドル(約600億円)の費用を計上する方向であることを明らかにしました。従来の傾向からすると、日本に十分の一の約60億円の割り当てが来ると予想されますので、この年末に一千名規模のリストラが断行される恐れがあります。これは日本IBM本体の約一割の人員になります。
 年末に行われる勤務査定では、ターゲットとして選んだ従業員に対する査定をあらかじめ低くし、後述するような手法を使って、退職を強要し、あるいは、ロックアウト解雇をして無理な人員削減をすることが懸念されます。

賃金減額・退職強要・ロックアウト解雇

 会社は、行き過ぎた成果主義を悪用してリストラを行います。まず、PBC低評価を口実として賃金を減額します。しかも、年収の15%にも及ぶ減額幅で、なかには40歳代にもかかわらず初任給よりも月給が低くなってしまう人もいます。そして、賃金減額された人には、次に上司による退職強要が待っています。最終的にはロックアウト解雇が待っています。
 社員のみなさん、ひとつの例として、以下に「4Qのパフォーマンスについて」と題されたレターを受け取った社員がいます。我慢しないで、少しでもラインが変な動きをしたら、すぐに組合に相談してください。早ければ早いほど会社の様々な動きに対応することができます。

10月20日IBMは、ジ二ー・ロメッティCEO同席のもと決算発表があり、以下の発言がありました。

“Additionally, as we execute some of our plans to drive simplification and accelerate productivity in our business, we expect to take a workforce rebalancing charge in the fourth quarter. We are starting to work through our plans, but at this point we’d expect to take a charge of up to $600 million.”

2253号-1面-4Qのパフォーマンスについて

賃金減額裁判、会社のピンハネ明らかに

賃金減額裁判、会社のピンハネ明らかに
  リファレンス・サラリー総額10億円減少

 賃金減額裁判は2013年9月に提訴してからこれまで5回の口頭弁論が行われました。
 10月2日に行われた第5回口頭弁論で会社が提出した書面において驚くべき事実がわかりました。会社が提出したリファレンス・サラリー総額の推移を示す書面が、なんと見事に労働条件の一方的不利益変更であることを示していたのです。

減少分10億円

 会社が提出したデータには2013年6月から7月にかけて、バンド7以下の社員のリファレンス・サラリー総額が約10億円も少なくなったことが読み取れます。これは約千人の社員のリファレンス・サラリーが平均約百万円減額された額に相当します。

昇給分たった2億円

 会社が提出したデータをさらに読み取ると、2013年9月から10月にかけての昇給では、バンド7以下のリファレンス・サラリー総額はわずか約2億円しか増えていないことが分かりました。
 10月の昇給は、会社の説明ではリサイクル昇給とのことでしたが、リサイクルどころか、減額した賃金の8割を、会社がピンハネしていたことがわかりました。

2253号-2面-リファレンスサラリー減少

賃金減額の経緯

 会社は2009年にまずバンド8以上の社員に対して相対評価の勤務査定を口実とする賃金減額を始めました。この当時からリファレンス・サラリーの10%にもなる減額でした。2010年からバンド7以下の一般社員に対しても賃金減額が始まりました。最初は5%程度の減額幅で、対象者はごく限られていましたが、2013年に入ると、その対象者は全社員の15%に拡大し、その賃金減額幅はリファレンス・サラリーのなんと15%~10%にまでなりました。

違法な就業規則の改定

 この賃金減額に先立って、2010年に就業規則・格付規定の変更が強行されていましたが、この内容は会社がフリーハンドで一方的に不利益変更を従業員に強いることができるもので、さらに賃金減額基準や減額幅の規程も無く、まったく合理的な変更ではありません。これは労働契約法十条違反になります。

懲戒処分より重い減額

 この賃金減額は従業員の不利益が著しく、また、その減額幅は懲戒処分よりも重いもので、賃金減額期間を定めないものとなっており、定年まで減額が続きます。しかも、毎年でもさらなる賃金減額がされる仕組みで、まさに権利濫用といえるものです。

必要性の無い減額

 さらに問題なのは、会社は毎年おおよそ950億円もの経常利益を上げており、賃金減額の必要性はまったくありません。

減額はリストラの手段

 会社は例外無くこの大幅な賃金減額と同時に全社的な退職勧奨プログラムを実施します。「賃金減額される前にやめたほうが退職金が高くなる」と退職を強要します。また、減額され「これでは暮らしていけない」とみずから会社を見限って辞めていく社員もいます。最終的には退職勧奨に応じない社員をロックアウト解雇で追い出します。賃金減額のねらいがリストラにあることは明白です。賃金減額とロックアウト解雇は、会社の恐怖の合わせ技なのです。

原告を職場に戻そう! 800人を超える参加者で大成功

原告を職場に戻そう! 800人を超える参加者で大成功
許すな!「解雇自由化」
日本IBMのロックアウト解雇に反対する10.16大集会報告

 ロックアウト解雇のたたかいを勝利させ、解雇自由化を阻止しようと10月16日みらい座池袋で大集会を開きました。800人を超える参加者で2階席まで埋め尽くされ、熱気に包まれました。

2253号-1面 満員の参加者

 橋本のぶよさんの美しい歌声で始まった2時間に渡る集会の前半の目玉は、立川談之助師匠の落語でした。「落語界では、師匠は弟子から一円も取らないのが普通。一門で唯一、弟子から上納金を巻き上げる立川流は、落語界のブラック企業だ!」と枕で笑いをとり、安倍政権への風刺を交えつつ、爆笑と「そうだ!」の掛け声と拍手喝采を浴びていました。
 後半の山場は、JMIU日本IBM支部と橋本のぶよさんの共演です。
 前号の「かいな」で歌詞を掲載した「ブラックNo・1」を合唱した後、原告が裁判所に提出した意見陳述書を涙ながらに読み上げると、参加者も目頭を熱くしていました。
 最後に、大岡支部委員長が決意表明を行い、登壇した組合員をはじめ会場に集まった全員とともに、原告を職場に戻す決意を新たにしました。

2253号-1面 ロックアウト解雇原告の訴え

【団交報告】就業規則協議、まともな回答無し

【団交報告】?就業規則協議、まともな回答無し
        -労働組合は変更に反対-

 10月2日に秋闘一次要求の回答に対する団交を行いました。
 JMIUは秋闘を春闘と並ぶ年間闘争の二本柱として位置づけています。秋闘では私たちの暮らし、雇用、職場の将来展望をかちとる課題と取り組みます。

不透明な臨時昇給

 組合は従来からTCR昇給の対象にならなかった社員に対し、臨時昇給で報いるよう要求していましたが、今回会社は臨時昇給を10月1日付で実施しました。

組合 臨時昇給した人数がいつもより多い。全社では何人くらいか。
会社 各部門の判断で行った。
 今、臨時昇給を行った理由は?
 プロモーションと、このタイミングでラインが賃金の見直しを行った。
 12月のMBAをまたずに昇給を行った理由は?
 MBAでなく、今年の貢献を評価してラインが決めた。
 人事からのガイドや原資のガイドはしたか。
 ガイドはあった。
 今、昇給させるという判断の理由は?
 消費税のことを言っているのか。それも含めて貢献を評価した。
 客観的な基準があるのか?
 ガイドはあるが、総合的な判断だ。
 社員全体における昇給者の割合は?
 処理中である。部門によって方針が異なる。臨時なので随時行っている。現時点で集計していない。
 臨時昇給があったから、MBAがないと言うことはないだろうな。
 別物である。
 今年、MBAを行うのか。
 決まっていない。グローバルの決定がまだ来ていない。

健康診断有料化

 組合は無料での診断内容拡充を要求している。オプション有料化はこれに矛盾する。
 健保組合の財政が厳しい。
 一般社員の声は、有料化の金額が高すぎるとの声が多い。
 検討する。

過重労働改善へ

 勤務時間把握のためのシステム化をすべき。
 本人の申告に基づいてラインが承認する仕組みである。システム化の計画はない。
 客観的に把握する仕組みを求めている。
 Eワークや自宅勤務の人がいるので難しい。
 厚労省は客観的な方法か、第三者による確認などを通達で求めている。正直に自己申告するのが難しい状況だからこそ、これらが必要だ。2003年に会社は労基署から指導票を受けた。その中でシステム構築を指導された。その後、何度も指導票を出されている。
 検討は進めていく。
 具体的な方針を示すよう要求する。会社は正しい労働時間を把握していない。だから過重労働が起きる。客観的に労働時間を把握するシステムが必要である。
 検討する。

就業規則の会社宿題

 説明会の資料を公開できるか。
 検討中である。
 休職に関する投資額とジムなどの予防措置の投資額の比較を開示してほしい。
 必要な説明は行っている。
 休業補償保険の件はどうなったか。
 今年1月に満期で終了している。
 満期ということは誰も知らない。我々は約款も見せてもらっていない。
 背景は確認する。
 傷病手当金を累計にする交渉はどうなっているか。
 交渉中である。
 欠勤時の承認プロセスの話はどうか。
 作成中である。
 ドラフトを事前に示してほしい。
 持ち帰る。
 多数回にわたる病欠で休職になる場合のプロセスはどうなっているか。
 検討中である。
 短期私傷病休職を命じる場合のプロセスはどうなっているか。
 検討中である。
 復職を判断するプロセスはどうなっているか。
 検討中である。
 復職後に欠勤した場合に退職となる判断プロセスについてはどうなっているか。
 検討中である。

確定拠出年金制度変更

 3年以内に辞めた場合、確定拠出年金を返金させる根拠は何か?
 現在、在籍している社員には関係ない。
 IBMの確定拠出年金を運用しているのはどこか。
 把握していない。質問の意図がわからない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 以上のような大変に不誠実な会社の態度を受け、組合は今回の就業規則変更については反対です。

「退職勧奨は不当」

「退職勧奨は不当」
-労働局長が会社を助言・指導-

 低評価を理由とした退職勧奨に関して、東京労働局長( 局長: 西岸正人氏) が、会社に助言・指導を行っていたことが判明しました。

退職勧奨の今後の可能性を否定せず

 今年に入ってからも、退職勧奨が一部の社員に行われています。これに対し、社員が東京労働局長に助言・指導を申し出ました。
 東京労働局は、この申し出を受け、労働局に出頭した会社側の労務責任者2名に対し「退職の強要はあってはならない」と2014年9月17日に助言・指導を行いました。
 労働局からの「今後、同様のことがあるのか」との質問に、会社側は「度合いによっては、可能性はあるが、必ずあるとは言えない」と今後の可能性を否定しませんでした。労働局は、「何回も退職を勧奨することは、違法行為を形成する。」と釘を差しました。

組合に相談を

 低評価になったことを理由に退職勧奨・退職強要を行うことは許されません。透明性、公平性、客観性、納得性ない成果主義システムの中で意図的に評価され、真面目に業務に取り組んでいる従業員に対し退職を迫ったり、ロックアウト解雇の理由とすることは会社の発展につながりません。会社の横暴を許さないためにも、所属長の対応が「少しおかしいな」と感じた時は組合にご相談ください。

【投稿】社会保険料で計算ミス

?【投稿】?社会保険料で計算ミス
        間違いがあれば2年遡及可能

 私は7月分の給与明細をみて、会社が社会保険料の計算ミスをしていることに気づきました。この際の給与・社会保険担当およびBuzzHRの対応が極めてずさんであるばかりでなく、この事実を隠蔽しようとしましたので、筆をとりました。

◇保険料が大幅に増加

 今年2月、私は多忙のため勤怠データの提出が遅れ、本来、3月給与で支払われるべき2月分の残業代が4月給与で支払われました。そして7月分給与明細をみて絶句しました。いきなり社会保険料が大幅に上がっていたのです。
 調べたところ、2月分の残業代は除外して計算するべきなのにこれを加算して社会保険料を算出したことがわかりました。

◇計算ミスにもかかわらず今後の対策は不明

 そこでBuzzHRに質問しましたが、なかなか回答がありませんでした。そこで給与担当者に直接メールしたところ、会社も計算ミスを認め、社会保険料の計算結果を訂正しましたが、謝罪はありませんでした。計算ミスをした理由と、今後の対策を確認したところ、理由には触れず、「関連部門と協議して、今後の対応を検討します」だけでした。検討するだけなら誰でもできます。これは対策ではありません。さらに勤怠データの提出が遅れたのが理由(だからお前が悪い)と言われました。確かに勤怠データの提出は遅れましたが、高額な社会保険料を支払う必要などありません。

◇自分で確認を

 これは私だけの問題ではありません。誰にでも起こりえます。そこで私は「社会保険料の計算に間違いがあった事実を、社員に公表して注意を喚起するべき」と訴えましたが、これも「その気はない」とのことでした。完全にこの計算ミスを隠蔽するつもりです。
 社員の皆さん、社会保険料の計算方法はインターネットその他で容易に入手できますので、疑問のある方は確認してみてください。間違いがあった場合、2年に遡って、会社に請求できます。不明な点があれば、BuzzHRに確認しましょう。
 給与計算システムや担当者は信用できません。自分の給与は自分で守りましょう。(F)。

ここがおかしいILC

ここがおかしいILC
  PBCは長時間労働が高評価
  プロジェクトでは短時間を入力

 サービス部門所属の社員のPBC目標設定に、ILC稼働率が入っています。この「稼働率目標」がいかに欺瞞に満ちたものであり、社員の生活を破壊するものであるか、検証します。

健康と生活を破壊する稼働率目標

 サービス部門では所属社員の有償稼働率が部門の実質的な売上とみなされるため、社員は稼働率目標を達成することが強く求められます。
 GBSでは、稼働率目標は90%で、分母は休日も祝日も無視した年間40時間×52週です。週末と国民の祝日およびIBM年末年始休日だけ休み、有給休暇を1日もとらずに週38時間働いた場合でも稼働率は88%であり、目標に達しません。
 GBSのガイドラインには、年間の祝日/休暇として29日(うち有給休暇15日)を勘案しているとありますが、祝日の日数計算が間違っており、実際には有給休暇は10日分しか算入されていません。勤続25年以上の社員の場合、有給休暇は年に29日付与されるにも関わらず、その1/3しか取得できない目標設定なのです。
 有給休暇を取得し、会社の求める研修や部門会議など有償稼働率に算定されない活動にも参加するには、長時間残業が不可欠となります。そもそもの目標稼働率設定が、社員が健康でワークライフバランスのとれた生活を送ることを考慮していないのです。

部門とプロジェクトの板挟み

 部門の売上は所属社員が長時間働くほど上がりますが、逆にプロジェクトにとってはメンバーが長時間働くことはコスト増を意味します。コストが増えれば当然利益は減り、PMの評価は下がります。プロジェクト・メンバーの作業時間を適正に管理するのもPMの重要な仕事なのです。
 ところが現実のプロジェクトでは、工数は予定より膨らみ、要員は不足し、プロジェクト・メンバーは過重労働を強いられています。PMは、メンバーの労働時間を実際に短くするのではなく、短く見せかけること、すなわちILCを少なくつけさせることを指示します。メンバーは、所属長とPMからの相反する要求を突きつけられます。その結果、PMに嫌われてプロジェクトをリリースされ、稼働率が0%になるという最悪の事態を回避するため、PMから割り振られた工数通りの数字をILCに入力することを選択してしまいます。

二枚舌の会社施策

 会社はガイドラインや研修でFLC(稼働実績通りのILC入力)の徹底を求めてはいますが、社員の労働時間を正しく把握するための具体的な施策はなく、掛け声だけです。裁量労働制を適用し、社員がどんなに残業をしていても無視し、万一ILCの不正入力が発覚した場合は、現場のメンバーを処分するだけで、問題の本質は放置されたままです。

そもそもおかしい有償稼働率目標

 プロジェクトにおいて、予定された工数を超えた作業が発生しても、そのコスト増加分をお客様に追加で請求できることはまずありません。当初の契約金額の中で最大の利益をあげるには、労働生産性をあげ、短い時間で作業を完了させることが一番有効です。サービス部門が有償稼働率の目標値を掲げ、長時間働いた社員の評価を高くするというのは、根本的に間違っています。成果主義を掲げているにも関わらず、PBCでも稼働率の高さ、すなわち労働時間の長さばかりが評価され、労働の質については評価されにくいのが現実です。
 プロジェクトにおいて過重労働が横行している背景には、このように長時間労働を是とする会社の体質に問題があります。
 組合では、不当に高い稼働率目標を設定し、個人の稼働率を評価に結び付けることに反対しています。また、社員がワークライフバランスのとれた健康な生活を送れるように、適正な労働時間の管理を行うための具体的な施策の作成と実施を会社に求めていきます。

- 現場の声-
◇ プロジェクトにフルアサインされ、残業もしていたのに、あとになって「プロジェクト・コストが足りないので0.5人月で勘弁してくれ」とPMに言われた。その結果、見掛けの稼働率
が低くなり、稼働率が目標に達していないことを理由にPBCで低評価をつけられ、賃金減額された。

◇ 新入社員研修でFLCの重要さをとくと聞かされたので働いた分の時間を正確にILCに入力したら、PMに「空気を読め」と怒られた。

◇ PMからは「予定されている時間を超えて作業する場合は事前に申請してください」と言われているが、申請書を書くだけで大変でとてもやっていられない。なかなか認めて貰えず交渉にも時間がかかる。結局誰もそんなもの出さずに黙って深夜まで残業しているが、ILCは週40時間しかつけていない。

 

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