ロックアウト解雇裁判でさらに4人が追加提訴したほか、賃金減額撤回で9人が東京地裁に提訴し、東京都労働委員会に対しても不当労働行為の救済申し立てを行うなど、組合は日本IBM相手の大反撃を開始しました。
9月26日、ロックアウト解雇裁判で、4人の組合員が日本アイビーエムに対し、社員としての地位確認と賃金支払いなどを求めて東京地裁に追加提訴しました。一連のロックアウト解雇裁判で、昨年10月に3人、今年6月に2人が東京地裁に、さらに8月に大阪地裁に1人提訴しており、今回の提訴を合わせて原告は10人になりました。
さらに同日、会社がおこなっている賃金減額は違法、無効であるとして、減額措置によって支払われなかった差額賃金の支払を求め、9人が東京地裁に提訴しました。これにより、退職強要・人権侵害裁判を入れると23人が会社を訴えたことになります。
加えて同日、東京都労働委員会に対しても、一連のロックアウト解雇及び賃金の減額措置は、組合の弱体化を狙った不当労働行為であるとして救済申し立てを行いました。
その後、厚労省記者クラブで記者会見を行いました。
ロックアウト解雇で4人追加提訴
会社に対して、4人の組合員の労働契約上の地位があることの確認を求めるとともに、同契約上の賃金(賞与・DC拠出金額相当分を含む)の支払いを求めました。
また、会社が解雇無効であることを知りながら違法な方法で行ったものであり、かつ労働組合員である4人を会社から排除する目的で行った不当労働行為であることを理由に、不法行為に基づく損害賠償(慰謝料)を請求するものです。
減給撤回裁判で9人も
日本アイビーエムは、違法な就業規則の変更を行ったうえ、9名に対し、当該変更後の規定を根拠に、減額率8.25%~12.8%にも及ぶ大幅な賃金減額を行いました。
会社が行った就業規則の変更は違法、無効であり、変更後の就業規則に基づいてなされた賃金減額も違法、無効であるから、当該減額措置によって支払われなかった差額賃金の支払を求めました。
また、この就業規則の変更及び賃金減額は、会社が労働者を退職に追い込むための退職強要の手段としてなされたものです。
不当労働行為救済命令申立
全日本金属情報機器労働組合(JMIU)とJMIU東京地本、および日本アイビーエム支部は、不当労働行為救済命令申立を東京都労働委員会に行いました。
8月28日には別件で「全部救済命令」を勝ちとっていますが、今回の申し立ては、一連のロックアウト解雇及び減額措置は、組合の弱体化あるいは壊滅を狙って行った不当労働行為で、労働組合法第7条1号及び3号に該当することが明らかであるとして救済命令を求めたものです。
そのなかで「現職に復帰させること」「解雇の日から復職までの間、組合員らが受けるはずであった賃金相当額に年6分相当額を加算して支払うこと」「陳謝文の掲示」などを請求しました。
組合は20人の弁護団の支援を受け、これらの事件の解決を進めます。
また不当な減給撤回を求める裁判にさらに多くの方が結集されるように呼びかけます。減給にあった方は組合にご相談ください。