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相談窓口

解雇理由になり得るか?

 4月15日の「ロックアウト解雇」裁判での原告側の意見陳述は以下のとおりです。

意 見 陳 述 書
2013年4月15日
東京地方裁判所民事第36部 御中
原 告  松木 東彦
 本日意見陳述の時間をとって頂いたことに御礼を申し上げます。
今回提訴したことにより、会社の準備書面で、初めて詳細な解雇理由が明らかにされました。その理由を読んで、私は、こんな抽象的で些細な事が果たして解雇理由になるのかと、強く疑問に思いました。個々の事象の当時、私に対して懲戒処分にあたるなどとの説明は一切ありませんでした。
 解雇理由として、PBCの評価の低さが強調されています。しかし、PBCとは年初に(所属長と相談して)目標設定をして、中間PBCを経て、年末に評価を行う会社の評価制度です。このPBCの大きな問題点は相対評価ということです。個人が100%の業績を上げたとしても、比較対象の他の社員が110%の業績であれば、評価は低くなり、評価3や評価4となります。しかも、比較対象の母集団は知らされておらず、どこの誰と比較されているのかわからない、さらに母集団の1,2,2+,3,4の評価分布もわからないのです。次の問題点は、評価に所属長の恣意的な意見が入りやすい点です。
 私は入社以来、10人ほどの所属長を経験して来ましたが、PBC評価3をもらった際によく言われたのが、“君もがんばったが他の人の業績がよかったからね”といった言葉でした。このように、比較対象者もわからず、さらにその母集団の評価分布すらわからないような相対評価のもと、目標に対するおおまかな達成度すら公表できないような不透明なPBCでの低い評価が解雇理由になりえるでしょうか?
 解雇理由はいずれも些細なことの羅列ですが、そのひとつについて反論します。会社から提出された準備書面には、“月次報告書に業務と全く関係がない事項を記載する”とあります。
 会社では、年に1回、全社員に業務としてセキュリティ&インテグリティ研修を実施しています。インテグリティとは、コンプライアンス(法的遵守)は当然のこと、それ以上に清廉潔白な状態を目指すことらしいです。
 一方、所属している課では毎月ハイライトレポート(月次報告)を提出(データベース上に記入)するように言われています。数ヶ月前から、何でもよいので業務に関するコメントを一言でもよいので書くようにと所属長の藤澤さんから指示がありました。
 そこで、8月にセキュリティ&インテグリティ研修を受講し、かつ、これまでの自身が行ってきた改善活動で感じた疑問や、横浜北事業所のある部署で起きたという業者へのプール金の事件の説明・教育で感じた疑問も含めて、8月の月次報告に次のようなコメントを書きました。
「今月、セキュリティ&インテグリティ研修をwebで受講しました。
インテグリティは毎年受けるたびに疑問を感じます。
この会社は本当に精錬潔白を目指しているのでしょうか?社内調査機関は機能しているのでしょうか?
そんな中、元社長の大歳さんが盗撮で書類送検されました。
大歳childrenたちの経営は大丈夫でしょうか・・・。
会社は本当に精錬潔白を目指しているのでしょうか?」
   上記のコメントについて藤澤さんから削除するように指示があり、私は、大歳社長に関する部分のコメントは削除しました。他については、藤澤さんが削除するなら削除してもらって結構と回答しました。
果たしてこれが解雇理由になるのでしょうか。
 私を解雇した本当の理由はなんでしょうか?
 わかっているだけでも、わずか2週間ほどの間に10人にほぼ同じ文面で『解雇予告通知および解雇理由証明書』が渡されています。これはかなり不自然なことではないでしょうか。会社が人員整理をするために、何らかの理由で解雇したい人物を選択して解雇したとは考えられないでしょうか。
 私の場合、会社を正しい方向へ導こうとして行った、在庫管理の問題点や外注企業との発注トラブル等について社内調査機関への通報や意見具申が、会社にとって疎ましく、解雇の原因になったのではないかと考えています。
以上

平成24年(ワ)第29095号 地位確認等請求事件
原 告 鈴木裕治 外2名
被 告 日本アイ・ビー・エム(株)
意見陳述書
平成25年4月15日
東京地方裁判所民事第36部 合議A係 御中
原告ら訴訟代理人弁護士 細 永 貴 子
 2001年以降、2011年5月20日までに、就業規則53条2号(著しい能力不足等)を理由として解雇された従業員は存在しないこと
 被告は、退職強要事件訴訟の証人尋問期日において、2001年以降2011年5月20日までの間に、就業規53条2号に基づき解雇された従業員はいないことを認めた。
 すなわち、2008年のRAプログラム(1300人の退職を目標として行われた退職勧奨)実施時点で、被告の人事担当の取締役執行役員であった坪田國矢証人は、次のとおり証言した。
2008年のRAプログラム実施に際し、著しく業績が悪く、普通解雇相当であると判断された従業員の数は3,4名であり、そのうちRAプログラムのオファーを受けた者は退職した(甲1・35頁)
就業規則53条2号(著しい能力不足)に基づき解雇された従業員は、2001年以降、2011年5月20日の証人尋問当日まで、一人もいなかった(甲1・35~36頁)。
 この坪田証言を前提とすれば、今回、被告が合計15名(解雇時点において組合員10名、非組合員5名)もの従業員を同時期に就業規則53条2号に基づき解雇したことは、まさに異常というべき事態である。
 著しい能力不足という個別判断であるべき解雇理由により、2カ月間に15名も従業員が解雇されたこと自体の不自然性
 しかも、今回の解雇は、皆一律に「貴殿は業績が低い状態が続いており、その間、会社は様々な改善機会の提供やその他の支援を試みたにもかかわらず業績の改善がなされず、会社は、もはやこの状態を放っておくことができないと判断しました。」という、極めて抽象的な解雇理由をもってなされている。
 本来、能力不足か否か、それが解雇に相当するほど著しいものかどうかについては、従業員ごとに具体的に検討されるべき事情である。上記のような一律の抽象的な理由をもって、15名もの従業員が同時期に解雇されたこと自体、極めて不自然であり、組織的な人員削減の手段として普通解雇を利用したことは明らかである。
 本件解雇は、会社が従業員に「能力不足」のレッテルを貼り、解雇という手段を利用して会社から追い出すことを正当化しようとするものにほかならず、解雇権濫用法理に照らし、到底認められるものではない。
 原告らの求釈明申立書(2)に対する回答を求める
 原告らは、本日付で求釈明申立書(2)を提出した。
 上述のとおり、本件解雇は、被告の従前の人事施策に照らしても異常なものである。本件解雇の全体像を明らかにすることは、被告がいかなる理由で原告らを解雇したのかを理解する上で必要不可欠である。よって、原告らは被告に対し、本日付求釈明申立書(2)へ誠実に回答することを求める。
以上

都労委証人尋問 団交拒否に理由なし


 4月30日都庁34階にて、組合員への解雇通知に関する会社の団体交渉拒否事件に対する東京都労働委員会の尋問が行われ、会社側の主張が無意味であることが露呈しました。組合側証人はJMIU日本IBM支部の大岡義久委員長、会社側証人は当時団体交渉の責任者であった人事の坂上正樹氏です。

▲目的は組合潰し▲

 大岡委員長は、昨年9月21日の団体交渉にて、解雇通知された組合員について議題にできなかったことにより「対象となった組合員は、団体交渉ができないまま自主退職を選ばざるを得なかった。
このことにより、組合への求心力が損なわれた」と証言しました。
 会社側代理人(弁護士)は「その後の団体交渉でも、退職した組合員について議題にしていないではないか」と指摘しましたが、大岡委員長は「自主退職せざるを得なかったことにより、彼らは組合員資格をなくし、団体交渉に出席すること自体できなくなったのだ」と証言しました。
 また会社側は「当日解雇通知の件を議題に入れなかったのは、2時間という団体交渉の時間制限があったためだ」と証言しましたが、

9月21日以前、会社側から「団体交渉の時間は2時間で延長なし」と事前通知があっても、協議が尽くせなかった場合はしばしば時間延長されていた。
9月21日当日も、時間延長をして解雇の件についての協議を行うことが不可能ではなかった。
現に当日は時間延長していた。

と、議題に入れることが可能だったことを、双方の証人が証言することとなりました。

▲続々と新事実▲

 坂上氏への尋問では、9月21日当日、なぜ2時間という時間制限にこだわったかについての証言が得られました。「団体交渉終了後、TD&D部門解散に関する人事処理を行わなければならなかったから」とのことです。TD&D部門の解散期限を9月末と決めたのも、自主退職か解雇かの選択の期限を決めたのも、どちらも会社です。これらの期日が重なり、団体交渉ができないほどの多忙な状況を、会社自らが作り出したことが判明しました。
 また、これまでの組合との交渉経験から、組合員に解雇通知を発行すれば、組合が団体交渉を要求することは十分予見可能であり、会社の対応に客観的な理由はなく、団体交渉拒否であることが浮き彫りとなりました。
 この尋問において、解雇の実態も一部明らかになり、

坂上氏は、解雇の最終決定者ではないが、解雇に対する検討会には参加しており、解雇理由ほかを知っていた。
解雇は実際に解雇通知される数日前には決まっていて、その後は手続きや解雇通知に当たっての想定問答などを作成していた。

という事実が判明しました。労働委員会の委員からも「解雇が決定した時点で組合に通知することが可能だったのではないか」との指摘がありました。そもそも組合が団体交渉を急いだのは、解雇通知された日から自主退職をするか解雇かの決定期限までが三日程度と短かったことが原因です。この期
間の短さは、労働委員会の委員からも「あまりに短いのではないか」と指摘がありましたが、なぜこの短い期間が必要なのか、坂上氏は明確な証言ができませんでした。
 今後は、5月30日に最終審問があり、9月には労働委員会から命令が出る予定です。

◆組合に加入を◆
 
 組合は、引き続き不当な解雇と闘い、解雇ならびに解雇に至る実態を解明していきます。 一人では会社の攻撃に対抗することは至難です。もしPBC低評価、退職勧奨やPIPなど、解雇につながる処遇にあった場合は、速やかに組合にご相談ください。

2013年春闘要求【4】の組合要求と会社回答


組合春闘要求文
(2013年2月21日)

【4】リストラ・人減らし「合理化」・パワーハラスメントに反対する要求

 会社は、利益増大のために継続的に徹底した人員削減を進めるという雇用責任を放棄した経営姿勢をとっている。職場は殺伐とし、メンタル疾患患者を大量に発生させ、その人たちを退職に追い込むという人道的問題が続出している。さらには退職に応じない者を解雇するという暴挙に出ている。これらの人権侵害を直ちに止め、社会的責任を果たせる企業となるために、以下を要求する。

  1. 組合員の待遇変更に関しては、事前に労使間で充分に協議し、合意の上実施すること。また、別紙1のJMIUの「事前協議・同意協定」について組合と協議し、労使協定を結ぶこと。
  2. 会社が進めているCoE化の全貌を組合に明らかにすること。
  3. 2015ロードマップを受けた、日本IBMの人員削減計画、部門売却計画、社員の有期雇用化等の計画についての施策を組合に明らかにすること。
  4. 恫喝、高圧的発言などによって労働者に対して退職強要を行なうことを直ちにやめ、退職を拒否した労働者に対してその後の退職勧奨は一切行わないこと。
  5. 会社は解雇、退職強要に関わったライン、および、指導した経営層と人事担当をBCG、インテグリティーに則り処分すること。
  6. 一切のリソースアクションプログラムの実施をしないこと。
  7. 米IBMからのアサイニーに対し日本の労働に関わる法律、慣習等を教育し理解させ日本の法律を遵守させること。
  8. 昨年度の日本IBMの減収減益の責任をとり大幅な役員数を削減するとともに自ら率先して役員報酬カットを実践すること。
  9. 労働条件の一方的不利益変更に繋がる「業績改善プログラム」を直ちにやめること。
  10. グローバリゼーションの名による業務の海外移管により、職場を失い、また永年培ってきたスキルを活かせない状況下、当該社員について本人の意向を十分尊重した上、新職場の提示・確保と必要十分な研修を実施すること。
  11. ロータステクニカルサポート部門の慢性的な人手不足による長時間労働を解消すること。
  12. Lenovo社、IPSJ(現RPPS)社へ強制「移籍」させた労働者を「出向」に戻すこと。
  13. 今後はむやみな会社分割を止めること。日立GST社、Lenovo社、RPPS社等の被会社分割会社において、日本IBMから「移籍」した労働者の雇用継続が不可能となるような事態になった場合は、日本IBMが雇用について責任を持つこと。
  14. 営業譲渡等にかかわる転籍不同意者や出向からの帰任者について、会社は責任をもって日本IBM内の職場を提示・確保すること。
  15. IGASへのIBMからの出向者は総務推進に帰任させること。
  16. 厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ」から提出されている報告に基づき、労使協定を結ぶとともに、パワーハラスメントが起こらないよう対策を講じること。
  17. ISC-Jに部門ごと強制出向させた組合員をIBM本体に帰任させること。
  18. 労働組合と会社双方の代表者から構成されるセクハラ調査委員会を設置すること。


会社春闘回答文
(2013年3月6日)

【4】リストラ・人減らし「合理化」に反対する要求

冒頭部分について

貴組合は、恰も会社が社員を退職に追い込み、さらには退職に応じない者を解雇する、と主張しますがそのような事実なく、貴組合のご主張は誠に遺憾です。
  1. について
    会社と貴組合との間に、組合員の待遇変更に関しては事前協議を行い合意の上実施するとの協約および慣行はなく、貴組合と「事前協議・同意協定」について労使協定を結ぶ考えもありませんが、会社は、貴組合と健全な労使関係を築くため、貴組合からの交渉申入れがあった場合、これまで同様、必要に応じて貴組合と協議する考えに変わりはありません。
  2. について
    COE(Center Of Excellence)は、生産性を高めることを意図し、業務を一定の区分で再編成し、集約する考え方であり、これらの発想は、従前より日本IBMならびにグローバルlBMの様々な部門で広く用いられており、今後も適時適切に活用していく考えです。
  3. について
    先述のlBM Corporationが発行するAnnual Reportにも記述がありますとおり、例えば今後、成長が期待されるrowth Marketでのビジネスの強化、あるいは、BAO(Business Analytical Optimization)やCloud Computing、smarter Planetなどを通じ、企業の成長を図ってゆく考えです。
    なお、「人員削減計画」「部門売却計画」「社員の有期雇用化計画」なる計画は現時点において存在しません。ビジネス戦略の一環として、適時適切に、各種施策を検討し実施する考えに変わりありません。
  4. および6.について
    これまでの団体交渉においてもお伝えしたように退職強要は行っておりません。一方、社員に対し、将来に渡って多様なキャリア選択の機会を提供することは重要であり、この方針を変更する考えはありません。
  5. について
    「4.および6.について」でもお伝えいたしましたとおり、退職強要は行っておりませんので、処分をしなければならないとの認識はありません。
  1. について
    アサイニーが日本の法律を遵守していないとの理解はしておりませんが、今後も適宜、適切なガイドを実施していきます。
  2. について
    役員数およびその報酬については、今後も、企業運営上適切な配置・設定を行っていきます。
  3. について
    昨年来、団体交渉の場でも繰り返しご説明しておりますとおり、業績改善プログラムは、通常のPBCプロセスに加え、短期の目標を設定し、例えば、所属長によるコーチングやアドバイス、関係者との協業などを経て、改善目標の達成の有無を評価することにより、業績が芳しくない社員の業績改善のきっかけを作ることを目的としたプログラムであり、何ら「一方的不利益変更」に繋げることを目的としたものでないことは、これまでの団体交渉でもお伝えしたとおりです。業績が芳しくない社員に対して、所属長が改善目標を立て、業績向上のための指導を行うことは、社員のための支援策として、今後も継続していきますので、貴組合におかれましても正しくご理解頂き、積極的に臨んでいただきますようお願いいたします。
  4. について
    IBMはGlobally Integrated Enterprise(GlE)の実現に向け大きく変革を遂げています。日本IBMグループも、グローバルに展開されるアセットやスキルの活用、中国、インドそしてその他の Giobal Delivery Center(GDC)との協業など、全世界に展開しているIBMのケイパビリティーを活 用し、お客様へより価値の高いサービスを提供していくことが求められています。GlEの意義を理解し、「IBMだからこそ実現できるお客様VaIue」について、セールス、デリバリー、製品、サポートなど個々のRoleを超えて、社員一人ひとりが理解を深め、日々のビジネスに活かしていくことを期待していますので、会社は必要に応じて適当・十分な研修等を実施のうえ、業務上の要請に基づき適時適切な人材配置を実現していく考えです。貴組合員におかれましても、業務として行われる研修の受講や試験の受験、さらには個々人による自己k研鑽を継続して行って頂くことを求めます。
  5. について
    現時点において大きな問題となるような状況ではないことを確認いたしました。
  6. について
    レノボ・ジャパン株式会社および旧インフォプリント・ソリューションズ・ジャパン株式会社(2011年10月に、リコープリンティングシステムズの販売部門を統合し、リコープロダクションプリントソリューションズ・ジャパン株式会社に社名変更)は、それぞれ会社法上の会社分割法制が適用され設立された会社です。これに伴い、「会社の分割に伴う労働契約の承継等に関する法律(労働契約承継法)」の手続きに従って従業員の方々に移籍していただいたのであり、ご要求には応じられません。
  7. について
    2001年6月22日付、2002年11月22日付、2005年2月24日付、2006年11月13日付、2007年3月20日付および2007年4月3日付貴組合宛書簡にてお知らせいたしましたとおり、万が一、移籍された方々の雇用を継続させることが不可能な状況になった場合には、日本アイ・ビー・エムとしても可能な限りの配慮をいたします。ただし、自動的に日本アイ・ビー・エムの社員として再雇用するとの考えはありません。
  8. について
    転籍を希望しなかった社員や出向からの帰任者については、社内の要員計画の状況と本人のスキル・資質が合致する機会について検討します。
  9. について
    すでに団体交渉や各種書簡等でもお伝えしたとおり、総務推進部門の各業務に、誰をアサインするかは、日本|BMのビジネス上の判断に基づくものであり「|BMからの出向者」を一律に「総務推進に帰任させる」考えはありません。
  10. について
    会社はこれまでも、新任ライン研修等を通じ、必要な措個を緋じており、今後もこれを継続して行く考えです。貴組合と、新たな労使協定を締結する考えはありません。
  11. について
    社員の業務アサインは、個々のビジネス上の判断に基づき行われており、「出向させた組合員」を一律に「lBM本体に帰任」させる考えはありません
     なお、出向は就業規則記戦のとおり、会社の専権事項であることから、「強制出向」とのご主張は当を得ておりません。
  12. について
    セクシャルハラスメントについて関し、会社は、理解促進の観点から、各種研修の中でその重要性をお伝えしています。また、会社は、Concerns & Appeals により社員が提起して調査を行うプロセスを提供しております。以上のことから、あらためて第三者による検証等を行う考えはありません。

4月30日労働委員会傍聴のお願い

 団交拒否の救済申し立てをしている労働委員会審問において、以下の日程にて申立人と被申立人双方の証人調べが行われます。 大きな節目となりますため、皆様の傍聴のご支援をよろしくお願い申し上げます。


都労委 日本IBM団交拒否 救済申し立て
日時:4月30日(火) 13:30
於 :東京都庁 34階     
 

解雇自由化を許すな
自由法曹団主催でシンポジウム

 3月23日、全労連会館にて、自由法曹団主催のシンポジウム「首切り自由を許すな!!退職強要、解雇、雇止め、派遣切りとのたたかい」が開催されました。
 解雇については、IBMの「ロックアウト解雇」が取り上げられ、松木さんがどのように解雇されたかについて、説明しました。
 パネラーは高橋賢司立正大学准教授、今井幸次郎弁護士、生熊茂実JIMU中央執行委員長の三名です。
 第二次安倍政権に於いて「雇用関係」規制の改革が実施されようとしています。安倍政権では、アベノミクスの三本目の矢「成長戦略」において、その「一丁目一番地」は規制改革と位置づけています。「雇用関係」規制改革は6月にまとまる安倍政権の成長戦略の柱となっています。産業競争力会議、経済財政諮問会議、規制改革会議によって、強力な推進をしようとしていますが、そのメンバーは、閣僚、財界人、学者のみであり、労働者、消費者の代表は不在です。


2222号1面自由法曹団シンポ
熱心に聞き入る満場の参加者

 会議の中では、産業競争力会議がもっとも解雇自由化に積極的で、解雇ルールの合理化・明確化を行おうとしています。そこでは、「解雇自由の原則」、「金銭解決を含む解雇の手続き」を労働契約法に明記しようとしています。
 「解雇ルール」では、若手・中堅世代の雇用を増やすためという名目の元、解雇人数分の半数以上を20代から40代の外部から採用することを要件付与することも検討すべき、とされています。
 厚生労働省大臣への提出資料には「民間人材ビジネスを最大限活用したマッチング機能強化」という労働政策が盛り込まれています。
 これらの解雇ルールをIBMに当てはめて考えると、昨年7月から突然始まったロックアウト解雇(解雇自由化)、解雇をする一方で新卒・中途社員を雇用していること(外部からの採用)、転職支援コンサルタント会社が支援しますというオプションをつけて自主退職させようとすること(民間マッチング機能)など、すべてが当てはまります。
 IBMで闘っている「ロックアウト解雇裁判」については、「解雇自由化」を許さない裁判闘争が重要とされています。「国策としてのリストラ」に迎合しがちな裁判官の意識を変える取り組みを行うこと、憲法で保障された労働者の権利の重要性を正面から打ち出すこと、そして「非常なリストラ」が労働者にとっても社会にとっても大きな害悪であることを立証することが求められています。
 生熊氏はIBMのロックアウト解雇を取り上げ、「経営側の弁護士は、就業規則に普通解雇の条文があり、解雇は自由なのですと言います。そして、裁判で解雇無効となっても職場に戻さず、金銭で解決すればいいとまで考えているのではないか」と発言しました。
 IBMの解雇に向けての手法は、安倍政権下での「解雇規制緩和」の動向と軌を一にする解雇攻撃となります。「日本IBMはリストラの毒味役」で、雇用の自由化、解雇の金銭的解決へと向かっています。今後TPPに参加すれば「アメリカンルール」を強要されます。
 この潮流に対して闘うためには、個別裁判だけでなく、広く社会的な運動が必要であり、「賃上げと雇用安定こそデフレ脱却の要」となります。労働者が報われる社会にするために、今後も闘っていく必要があります。
 IBMは、現在「ロックアウト解雇」「退職強要・人権侵害」裁判で闘っています。みなさんのご支援をよろしくお願いします。

第14回中央団交報告


業績改善できないPIP
就業規則改訂を議論せよ

 3月26日に第14回中央団体交渉を開催し、PIPについて抗議し、就業規則改訂の件で会社を追及しました。

◆業績改善が目的ではないPIP 

 PIPについては、3名が直接団交の場で抗議を行いました。AさんはPIPの目標設定で過重な業務を課され、心身のバランスを崩していることを訴えました。
 しかし会社は「具合が悪いなら休んだらどうですか」と、真の原因の「過重な目標」から話をそらしました。従業員の健康などまるで考慮していないことを暴露しました。
 Bさんは、PIPの面談で所属長から全く指導やサポートがないこと、質問しても「あなたにかまっている時間はない」と相手にされなかったこと、それでいて業務が上手くいかないと「過去の事例を参考にしていない」と理不尽なことを言われたことを訴え、PIPが個人の成長を促すものではないことを示しました。
 CさんはIGAS出向中ですが、IBM総務推進のリソースマネージャーDさんからPIPを言われています。しかしCさんのIGASでの働きぶりを知らないDさんによるPIP実施に疑問を投げかけ、抗議しました。

◆正々堂々議論せよ

 最後に4月1日付けの就業規則改訂について議論しました。会社が団交の前半に会社書簡をまとめて渡さず小出しにしたため、組合は「本日会社で用意してきた書簡はこれで全部か」と確認し、会社は「そうだ」と答えました。
 しかし、以前から組合が質問書を出していた就業規則改訂の件を議論しようとしたところ、会社は回答書を出してきました。質問をさせない目的で団交の冒頭に渡さなかったのは明白で、大変不誠実な対応です。さらに会社は事前に団交の議題に入っていなかったことを口実に、討議することを拒絶しました。組合は「4月1日付けの改訂であり、交渉するには本日3月26日の団交しかない」と厳重に抗議しました。
 今回の就業規則改訂が正しいと思うなら、正々堂々と団交で説明し、議論できるはずです。会社はあくまでも、就業規則改訂による不利益変更を覆い隠そうとしています。
 組合はPBC評価やPIP、退職強要、解雇だけでなく、賃金アップや就業規則の不利益変更についても追及していきます。

新入社員へのメッセージ

 厳しい環境の中で日本IBMグループへ入社された皆さん、まずはおめでとうございます。それぞれが夢と希望に胸を膨らませていることでしょう。一日も早く仕事を通じて会社へ貢献できることを祈念しています。
 皆さんは今後「成果主義」の中で結果を求められます。成果主義とは何でしょうか。多くの人は、がんばれば報われる施策、賃金が上がる制度と幻想を抱いてないでしょうか。成果主義は,相対評価されすべて個人に結果責任を負わせるものです。

入社おめでとうございます
組合加入をお待ちしております

全日本金属情報機器労働組合
日本アイビーエム支部 中央執行委員長
 大岡 義久

 しかし違った業務の貢献度を比較評価することはできないと言えます。チーム一丸となって取り組んだり、成果が出ない厳しいプロジェクトに入れられたり、さらに影の貢献もあるでしょう。その中で評価により賃金の差別化が行われます。さらに毎年15%の「著しく業績が低い」といわれる社員が作り出され、極めて低い処遇を受けることに対し、社員の納得が得られるはずがありません。会社のために必死に貢献しようとした社員ほど、この低い処遇で心が深く傷つくことになります。そして、何とか良い評価を取ろうと同僚間で過重労働を伴う競争が行われたり、上司にアピールしやすい数字を追い求めるようになります。
 しかし、これらの個人主義の競争は会社の成長に結びつきません。みなさんが一度はぶつかる問題だと思います。その時に、考えてほしいのです。成果主義が社員からモチベーションを奪っていないかと。
 組合はこのような弊害が多い成果主義に反対しています。そのことは、組合の機関紙「かいな」や組合ホームページに詳しく書いています。ぜひお読みください。
 最後に日本IBMグループを発展させ、活躍することを期待して、今日の入社式をお祝いいたします。
 私たち全日本金属情報機器労働組合(JMIU)日本アイビーエム支部は、50年以上(1959年設立)の歴史を持つ労働組合です。日々労働条件の向上に取り組んでいます。みなさんの組合加入をお待ちしています。

第13回中央団交報告

単なる文言整備?就業規則改悪を追及

 3月6日に第13回中央団体交渉が開かれ、春闘要求・回答および就業規則改訂を中心に追
及しました。
 冒頭、組合はWebを通じて社員から寄せられたPBC・PIPに対する多くの不満の声を読み
上げました。しかし会社は「不満があるなら、スキップ・インタビューもあるし、Concerns & Appealsもある」と言って、PBC・PIPの問題点を認めようとしませんでした。
 次に春闘要求の柱である給与・一時金の議論を行いました。組合から「安倍政権から、デフレ脱却のために業績の良い各企業に昇給の打診があったのではないか」と問いかけました。会社は「日本の政治の状況は理解しているが、会社としては、業績と給与は連動していて、賃金の底上げは考えていない」と、昇給を一部社員に限定することを宣言しました。
 最後に4月1日付けの就業規則改訂について議論しました。組合は以下の問題があると考えます。現在の就業規則では「復職後に再度長期欠勤した場合、休職期間を通算するか否かは『会社の認定による』」と解釈されます。ウツ病で12ヶ月休職した社員が、10年後に心筋梗塞で12ヶ月休職した場合、現在はこのケースでは休職期間を通算しないため、復職出来ます。しかし就業規則本則第46条第1項旧第7号(新5号:前にあった2つの号が削除され、番号が繰り上げられました)が「再度私傷病により欠勤した場合には、中断前後の休職期間を通算する」と改悪されるため、4月以降では通算され、最長でも23ヶ月目に休職期間満了で退職することになります。入社から退職までの休職期間が制限されることになり、重大な不利益変更になります。会社は「改訂前後で違いはない」「単なる文言整備のためである」と回答し、不利益変更を隠蔽しようとしました。会社は今回の就業規則改訂で、メンタル疾患のため休職や欠勤を繰返している社員を狙い撃ちしていると考えられます。組合は個人のPBC低評価やPIP、退職強要、解雇だけでなく、賃金アップや就業規則の不利益変更についても追及していきます。

第14回中央団交報告
就業規則改訂の問題点(その2)

2013年春闘回答

賃金上げる気なしデフレ脱却は他人事

 会社の春闘回答から今の会社の姿が見えてきます。それは人事施策の行き詰まりです。組合は、全従業員の昇給を実施するように会社を追及して行きます。

▼ストライキ決行▼

 組合は、JMIU春闘統一要求日の2月21日に2013年春闘要求を会社に提出し、3月6日に回答を得ました。会社回答に不満があるとして、四つのスローガンで、3月7日に箱崎本社および豊洲事業所を中心に、14日には大阪を中心にストライキに突入しました。
 組合は ①解雇、退職強要をやめさせよう②PIP・減給・降格をやめさせよう③すべての仲間の賃上げを実現させよう④組合に団結しよう の四つのスローガンですべての労働者の雇用を守り処遇改善を実現するため取り組んでいます。

▼解雇、退職強要をやめさせよう▼

 組合はロックアウト解雇の撤回を要求しています。また「解雇」という脅し文句を使い自己都合退職を迫っている問題に対し「会社は脅しを行った事実はない」としています。しかし、組合には「上司から『ロックアウト解雇になるよ』と脅された」と相談が寄せられており、会社がラインに対しどのような調査を行ったのか疑問が残ります。

▼PIP・減給・降格をやめさせよう▼

 会社回答によると、業績改善プログラムは、通常のプロセスに加え短期の目標を設定し、所属長によるコーチングやアドバイス、関係者との協業を経て、改善目標の達成の有無を評価することにより、業績がかんばしくない社員の業績改善のきっかけを作ることを目的としたプログラムであり、何ら「一方的に不利益変更」を行うことを目的としたものではないとしています。
 しかしPIPの実態を見ると、達成できない目標を設定されたり、過重労働で休職に追い込まれたりしています。
 また、所属長によるコーチングやアドバイスはなく、小さなミスを追及し、PIP面談を利用して退職勧奨が行われていると組合に相談が寄せられています。

▼すべての仲間の賃上げを実現させよう▼

 組合は全従業員の定期昇給とベースアップを要求しています。しかし会社は「Pay for Performance の観点からも組合の要求に応じる考えはありません」と回答をしました。多くの大企業が定期昇給の維持を打ち出し、日本全体で労働者の賃上げを実施しデフレ脱却を目指そうとする中での回答だけに、会社の姿勢が問われかねないものです。組合は臨時昇給を適用すれば、全従業員の昇給が可能であるとして追及しています。

第4回都労委で「団交拒否理由」を証人調べ

 IBMの不当労働行為(団交拒否)に対する第3回目の審査が行われました。皆さんご存知のように昨年のロックアウト解雇に対して、3人の原告が東京地裁に解雇無効を訴えて提訴していますが、会社は解雇以外にも、不当な行為を繰返しています。会社は解雇予告通知を出した社員に対して「指定日までに辞職届けを出せば、自己都合退職を認め、退職加算金を支払う」と通知しました。組合は、指定日以前に団体交渉を開くよう要求しましたが、別の議題で指定日以前に団体交渉が予定されていたにも関らず、会社はロックアウト解雇を団体交渉の議題にすることを拒絶しました。組合は会社が解雇について話合いを拒否したことは、団交拒否だとして、不当労働行為の救済命令を求めて都労委に申立てを行いました。
 昨年12月に1回目の審査で労使双方からの事情聴取を行い、今年1月の第2回目審査で、組合は「自己都合退職前の団交拒否が不当労働行為である」旨の主張を補充しました。
 第3回目の審査で、公益委員(中立な立場の委員。他に労働側と使用者側を代表する委員)から「団交拒否は明らかだ。問題は正当な理由があるかだ」や、「団交をやっておけばよかったのに、なぜやらなかったのか」との発言がありました。そこで団交拒否の理由を調査するため、次回4月30日13時30分開始予定の第4回目の審査で組合委員長と会社側の当時の団交責任者(坂上正樹氏)の証人調べが都庁南側34階で行われる予定です。
 組合は団交拒否の事実を追求し、会社の横暴な解雇阻止のために闘います。多くの社員の傍聴をお願いします。 

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