退職勧奨、PIP、賃金減額、いじめやハラスメントなどで困っていませんか?そんなときは組合に相談しましょう。上の「ご意見ご感想」リンクをクリックしてメールで送るか、平日なら右のボタンで相談窓口へご連絡を。
相談窓口

日本IBMロックアウト解雇に反撃する大集会動画

日本IBMロックアウト解雇に反撃する大集会の模様がYouTubeからご覧になれます。下記リンクよりご覧ください。

日本IBMのロックアウト解雇に反撃する大集会(あいさつ編1)
(http://www.youtube.com/watch?v=8-ltDfrcg2Y)

日本IBMのロックアウト解雇に反撃する大集会(寸劇編)
(http://www.youtube.com/watch?v=3TBFl6D9Z4A)

日本IBMのロックアウト解雇に反撃する大集会(原告団編)
(http://www.youtube.com/watch?v=F_R2HCPPbOY)

日本IBMのロックアウト解雇に反撃する大集会(争議団編)
(http://www.youtube.com/watch?v=EWPYKuLL3fs)

日本IBMのロックアウト解雇に反撃する大集会(集会決議編)
(http://www.youtube.com/watch?v=kG9HBxy6FKQ)

許すな不当解雇 !!
IBMの横暴に反撃する集会

 日本IBMの横暴な解雇を許さない、「ブラック企業のメダリストIBMの大量指名解雇に反撃する大集会」を11月27日に東京・日本橋公会堂で開催しました。会場をいっぱいにする約350人の支援の仲間が参加し、決議を採択して反撃の拳をあげました。

▲解雇自由な社会許さない▼

 集会は、全労連(*1)、東京地評(*2)、JMIU(*3)、JMIU日本IBM支部の共同主催で開催。伊藤東京地評議長は「IBM型解雇が許されるなら、他の企業にも広がり、労働者の存亡にもかかわる」と訴え、大黒全労連議長は「解雇自由な社会を許さない」と呼びかけをしました。JMIU生熊委員長は、「退職強要からロックアウト解雇へと、次の段階に入った。このような解雇を全国に拡散をしてはいけない」さらに「IBMの崩壊の始まり」であると釘をさしました。

▲力強い連帯挨拶▼

 弁護団を代表して今泉弁護士が法廷闘争について報告。更に、国交労連の宮垣委員長、日本マスコミ文化情報労組会議(MIC)日比野議長から力強い連帯の挨拶が続きました。電機業界のリストラや今回のロックアウト解雇問題を衆議院予算委員で政府を追及していただいた日本共産党の志位委員長から寄せられたメッセージが代読され、厚生労働委員の田村智子参院議員から激励のあいさつをいただき、会場は熱い拍手に包まれました。

▲怒りの寸劇▼

 日本IBM支部がロックアウト解雇がいかに横暴な解雇であるかを知っていただくために寸劇を行いました。あまりにも冷酷で、淡々と進む解雇プロセスに「ありえなない、あきれる」と怒りの声があがりました。

▲「会社許せない」と決意表明▼

 次に原告全員が「このような会社は許せないから立ち上がった」と怒りの気持ちを決意表明。集会に結集した全争議団がステージに上がり団結の意思を表し、代表してJAL原告団から決意表明が行われました。

▲勝利するまでたたかう▼

 つづいて日本IBM支部の大場副委員長が大会決議文を読み上げ採択。大岡委員長から「私たちは、たたかう組合であり、今後も団結、連帯し
て勝利するまでたたかう」と支部決意表明を行い、JMIU東京地本の小山内委員長の閉会の挨拶でしめくくりました。最後に全員で「団結してがんばろう!」と拳を高く突き上げ気勢を上げました。

 日本橋公会堂に集まった共に闘う仲間たち

12月7日に上部団体などにより集会の決議文を持って日本IBM本社に対し問題解決のための要請行動を行いました。

*1 全国労働組合総連合の略称で、1989年に国民、労働者の利益を最重視する全国組織として誕生
*2 東京地方労働組合評議会の略称で、東京都内にある様々な産業別労働組合や地域労働組合が加盟している連合組織
*3 全日本金属情報機器労働組合の略称で、たたかいなどを通じて多くの争議を労働者の勝利解決に導いてきた日本IBMの組合が加盟する産業別労働組合。

 


「許すな!解雇自由化 ブラック企業のメダリスト
日本IBMの大量解雇に反撃する大集会」決議

 本日、東京・日本橋公会堂ホールにおいて「許すな!解雇自由化 ブラック企業のメダリスト日本IBMの大量解雇に反撃する大集会」が開催され、会場をいっぱいにする350人以上の仲間が参加した。集会では、日本IBMで吹き荒れる乱暴な大量解雇を告発するとともに、裁判に立ち上がった3名の原告をはじめ、解雇攻撃とたたかうJMIU日本IBM支部の仲間を激励し、ともにたたかう決意を固めあった。

 夕方5時頃、突然別室に呼び出し、「3日以内に自主退職を。しなければ解雇する」という旨の解雇通知書を読み上げ、「5時36分の終業時刻までに会社を出て行け」と迫るその手法は、ハリウッド映画さながらの乱暴さであり、マスコミ報道や国会質問では「ロックアウト型解雇」と呼ばれ国民の大きな怒りを生んでいる。

 IBMの解雇の不当性はそれだけではない。会社は、就業規則の解雇要件に該当すると言うだけで、その具体的内容の説明を一切拒否しており、労働契約法16条でいう解雇権濫用法理に照らし違法である。会社は、一方的な理由で解雇することを常態化することをねらっている。
 JMIU組合員だけでも、3ヶ月間で11人が解雇通知を受け、全社的には9月の1ヶ月だけで200人という大量の退職者が出たとも言われている。解雇の真の目的が人減らしリストラであることは明らかである。

 会社はJMIUが団交を申し入れたにもかかわらず解雇を強行した。組合員への解雇並びに団交拒否は不当労働行為である。
 今回の大量解雇攻撃が不当不法なものであることは明白であり、日本IBMはただちに解雇を撤回し労働者を職場に復帰させるべきである。

 いま、財界・大企業は「解雇の自由化」をねらい、法の規制をなくし自由に労働者を解雇できるようにしようとしている。今回の攻撃は日本IBMが「リストラの毒味役」として、「解雇自由化」を現場からすすめるものであり、これを突破口に「解雇」によるリストラ人減らしが一気にひろがる恐れがある。

 いまIBMの職場では、JMIUに加入し不当な解雇・退職攻撃に抗議しともにたたかおうと仲間が立ち上がり始めている。わたしたちは裁判の勝利判決をめざすとともに、こうした職場・地域の仲間と連帯し、世論と運動で日本IBMを包囲し、解雇撤回・職場復帰を必ず勝ち取り、「解雇自由化」の財界・大企業のねらいを粉砕するために全力をあげる決意である。

     2012年11月27日

許すな!解雇自由化 ブラック企業のメダリスト日本IBMの
大量解雇に反撃する大集会

日本IBMロックアウト解雇裁判傍聴のお願い

 いよいよ、たった30分で社外に追い出したロックアウト解雇裁判が始まります。 原告の意見陳述もあります。 皆様の傍聴のご支援をよろしくお願い申し上げます。

    日本IBMロックアウト解雇裁判第一回口頭弁論
      日時:12月21日(金) 午前10時
      於 :東京地裁 103号法廷

     同日朝8時半から裁判所前で事前宣伝行動を行いますので、こちらのご支援もよろしくお願い申し上げます。

一時金最低15万円!!
秋闘・年末一時金要求に回答

 組合は9月19日会社に対し2012年秋闘・年末一時金要求を提出し10月3日回答と11月9日の団体交渉での二次回答を得ました。要求は、一時金に関する要求、人事施策に関する要求、リストラ人減らしに関する要求など、17項目155件に及びますが、会社回答は形式的回答に終始し、組合の要求にこたえるものではありませんでした。

■生活安定の一時金を■

 一時金に関しては、一時金は、生活の糧とする賃金支払の一部であり、生計を維持するために必要なものです。労働者の安定した生活設計を保証するため、組合は、会社業績・PBC評価を適用せず、一時金は、本給および本俸月額の一律4ヶ月分を支給すること及び格差を拡大し業績によって変動するGDPの導入は、撤回もしくはPBC評価によらず一律6%を支給することを求めてきましたが、会社は決定してきたことを組合に伝えることに終始し、労使対等の原則を踏みにじりました。
 バンド7以下(対象7400人)の12月期賞与は、平均973,200円と回答をしましたが、50歳代で15万円の社員がでるなど看過できない金額になっているため、安定した生活ができるように追及しています。

■人事施策を正せ■

 会社が2005年10月3日「人事制度の改革」発表以来、徹底した成果主義のもと、ゼロ昇給の恒常化、年齢別保障給の廃止、減給などにより異常な格差拡大が進んでいます。その上で低評価をつけ、リソースアクションプログラムの実施、またそれを拒否した者に対し異常な低評価の実施と年収の大幅な切り下げを行い、次は自分か、と多くの社員を不安に陥れてきました。ごく一部の社員は異常なほど優遇され、大多数の社員が冷遇されることにより社員間の格差はますます拡大し、チームワークを阻害し、モチベーションを低下させる原因となっています。
 コーポレートが掲げる目標「2015年度に一株利益20ドル」達成のためアメリカへの送金を最優先する姿勢は、日本において社会的責任を果たす姿勢がまったく見られず、「社会とともに」を標榜しているはずの会社にあるまじき態度である、と言わざるを得ないため会社の姿勢を正すよう追及しています。

■リストラやめよ■

 会社は、利益増大のために継続的に徹底した人員削減を進めるという極めて異常な経営姿勢をとっていることで職場は殺伐とし、メンタル疾患患者を大量に発生させ、その人たちを退職に追い込むという人道的問題が続出しており、さらには退職に応じない者を解雇するという暴挙に出ています。これらの人権侵害を直ちに止め、社会的責任を果たせる企業になることを要求しています。
 2015ロードマップを受けた、日本IBMの人員削減計画、部門売却計画、社員の有期雇用化等の計画について明らかにするようにという組合要求に、会社は、そのような計画は現時点において存在しません、ビジネスの戦略の一環として、適時適切に、各種施策を検討し実施する考えに変わりありません、とうそぶきました。
 この会社回答は、3月7日の春闘夏季一時金の時と同じですが、その後5月にテクノロジー開発部門の解散を発表し、8月3日に整理解雇が発表されました。単なるビジネス戦略の一環で整理解雇することは許されません。
 恫喝、高圧的発言などによって労働者に対して退職強要を行なうことを直ちにやめ、退職を拒否した労働者に対してその後の退職勧奨は一切行わないようにとの要求に、会社は、退職強要は一切行っていないが、社員に対し将来に渡って多様なキャリア選択の機会を提供することは重要であり、この方針を変更する考えはないと繰返しました。
 社員に対し、多様なキャリア選択の機会を提供するとは何か、これが継続されることで退職勧奨から退職強要につながるものです。

組合OBからいただいたカンパのお礼

 先日行われました組合員2名の定年退職のお祝い会におきまして、多くの組合OBの方々から合計20万円の闘争支援カンパをいただきました。日本IBMの労働組合はこうしてOBの方々からも温かい支援をいただいていることに感謝いたしますとともに、ここに厚く御礼の意を表させていただきます。

 いただいたカンパはロックアウト解雇闘争資金としてありがたく使わせていただきます。

 ありがとうございました。

JMIU日本IBM支部組合員一同

以上

違法・非道な解雇許すな
      国会質問で無法横行追及

 2012年11月1日衆議院本会議で日本共産党委員長の志位和夫氏が代表質問に立ち、電機・情報産業の大企業が13万人もの首切り・リストラを強行しようとしている問題と共に、日本アイ・ビー・エムの「ロックアウト解雇」について質問し、違法・非道な解雇は許されないと政府を追及しました。
 野田首相は無法をただす姿勢はいっさいみせず「関係法令や裁判例に基づく啓発指導などを実施している」と述べるにとどまりました。
 志位和夫氏の質問の該当部分は以下のとおり。

▲違法行為を根絶せよ▼

 電機・情報産業の大企業が13万人もの首切り・リストラを強行していることは、きわめて重大です。
 この大リストラは、繰り返しの面談による退職強要によって強行されています。NECでは一人の労働者に11回も面談し、退職を強要したという訴えが寄せられました。会話が外に漏れないように通気口を鉄板でふさいだ面談室で、繰り返し繰り返し退職を迫りました。疲れ果てた男性は病気になりましたが、退職強要は続きました。11回目の面談で上役に「残れると思った?残れないよ。」と追いつめられた男性は思わず涙があふれ「病気にまでさせておいて、さらに追い打ちをかけるんですか。もう自殺するしかない」と叫んだとのことです。
 労働者をここまで追い詰める退職強要が横行しているのです。繰り返しの面談による退職強要は違法行為です。総理、直ちに違法行為の実態をつかみ、それを根絶するために断固たる措置をとるべきではありませんか。

▲認められぬ解雇権乱用▼

 日本IBMでは、ある日突然正当な理由なく解雇を通告し、そのまま労働者を職場から締め出す「ロックアウト解雇」というやり方がとられています。ある男性の労働者は、ある日終業時刻のわずか15分前に人事担当者からいきなり解雇通告が読み上げられ「今日の終業時刻までに私物をまとめて帰れ。明日からは出社禁止だ」と告げられ同僚がまだ仕事を続ける中、上司の監視を受けながら私物の整理をさせられそれ以来一歩も職場に入れない状態となりました。解雇通知書には「業績不良」が理由として書かれていましたが、その根拠を会社に求めても何の説明もされていません。
 労働者に考える暇さえ与えず有無を言わせず解雇に追い込む。これは明らかに解雇権の乱用であり、絶対に認められるものではありません。総理はこのような非道な解雇が許されると考えますか。
 生きた人間を人間扱いせず、力づくで解雇に追い込む、このような恐るべき無法の横行を放置していて、日本経済の再生はないと考えますが、いかがですか。
 電機・情報産業の大企業の内部留保は26兆円にも及びます。雇用や地域経済に責任を負わない身勝手なリストラに際しては、政府が乗り出してリストラをやめさせ、企業に社会的責任を果たさせる、これはヨーロッパでは当たり前に行われていることです。政府は、そうした姿勢で望むべきではありませんか。

JMIU日本IBM支部東京都不当労働行為
救済申し立てにあたっての声明

(1)2012年11月5日(月)、全日本金属情報機器労働組合、同東京地方本部、同日本アイビーエム支部(以下、総称してJMIUという)は、東京都労働委員会に不当労働行為救済申立を行った。申立の内容の概要は以下のとおりである。

    ①日本IBMがJMIU組合員らに対し、9月18日から20日にかけて行った解雇予告通告について、9月21日に予定されていた団体交渉の議題とすることを拒否したことが団交拒否の不当労働行為にあたることの確認。
    ②日本IBMは、今後、JMIU組合員に対し解雇通告を行う場合には、日本IBMが設定する自主退職期限の前にJMIUとの団体交渉に応じなければならない。
    ③ポストノーティス

(2)日本IBMでは、この間、指名解雇通知を大量に乱発している。JMIUが把握しているだけでも、7月に1人、9月に9人、10月に1人の合計11人の労働者が解雇通知を受けた。なお、11人のうち3人は、10月15日に東京地裁に解雇無効を求めて提訴し、1人は現在、提訴準備中である。残りの7人は、解雇通知後、解雇日までに自主退職した。

(3)JMIUは9月18日から20日にかけて行われた8人への解雇通知の撤回を求め、もともと解雇通知前から別件で設定されていた9月21日の団体交渉で緊急に議題にするよう日本IBMに求めた。ところが会社は、この団交はもともと別件の団交であることを理由に団体交渉の議題にあげることをかたくなに拒否した。しかし、解雇は、労働者にとってもっとも過酷な攻撃であり、解雇前に労使協議を行うことは高度な必要性がある。にもかかわらず、それを拒否したのは、解雇前の団体交渉を拒否することで、労働組合を弱体化することをねらったからである。実際、8名のうち6人は解雇日前に自主退職した。

(4)過去の経験からすると、日本IBMは、年末にかけて、解雇攻撃をさらにエスカレートしてくることは必至であり、このような団交拒否が繰り返されると労働組合のいっそうの弱体化は避けられないし、労働者の雇用をまもることはできない。

(5)労働委員会が新しく改正された委員会規則の趣旨を踏まえ、ただちに命令を発していただくよう強く要望するものである。

2012年11月5日

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同  東京地方本部            
同  日本アイビーエム支部       

日本IBM退職強要事件
東京高裁不当判決に対する声明

(1)2012年10月31日、東京高裁第1民事部は、平成24年(ネ)第763号各損害賠償等請求控訴事件について、控訴を棄却する不当判決を下した。

(2)この事件は、JMIU日本IBM支部組合員4名が、日本IBM株式会社により退職を強要されたとして損害賠償を請求した事件である。同社は、2008年10月から年末にかけて、「RAプログラム」という名のリストラ計画にもとづき、会社が恣意的に低評価にした労働者をターゲットにして、多くの労働者に退職を迫り、1300人の社員が退職に追い込まれた。

(3)東京地裁は、会社の主張をそっくり鵜呑みにした事実認定のうえに立って、退職勧奨に応じるかどうかは労働者の事由な意思に委ねられているので、労働者が退職拒否の意思表示を示した後も使用者が引き続き説得を継続することは違法でないとしていた。

(4)東京高裁判決は、予断と偏見に立った東京地裁判決を大幅に修正した。たとえば、目的に合理性がない場合や対象者の選定が恣意的な退職勧奨は、労働者の自由な意思決定を阻害するものであること、当時、日本IBMでは整理解雇に準じるような事情はなく、人員削減にあたっては労働者の自由な意思決定が必要不可欠であること、ラインマネージャーのなかには職務権限を背景に恣意的な業績評価や過剰な説得をする者があるのではないかという危惧があったことなどを指摘した。個別の事実認定でも、会社の主張をそっくり鵜呑みにした東京地裁の事実認定を大幅に修正した。

(5)にもかかわらず、東京高裁は、考え方の大枠として、東京地裁判決を踏襲しており、このように、東京高裁判決は極めて不当であり到底納得できるものではない。

    ①日本IBMは2008年においても、当時1000億円の純利益をあげる優良企業であるにもかかわらず、リーマン・ショックの影響を過大に評価して、人員削減の必要性を無批判に肯定している。
    ②1300人という大量人員削減をめざしたことやさらにその3倍の労働者に退職勧奨を行ったこと、使用者が恣意的に退職勧奨の対象を選定したにもかかわらず、プログラムが「飽くまで対象者の自由意思」であることを形式的にかかげていることを理由に「定められた退職勧奨の方法及び手段自体が不相当であるともいえない」として、雇用をまもる使用者の責任を不問にしている。
    ③ラインマネージャーの言動などに不適切なものがあることを認めるなど、面談で執拗に退職と業績改善を求めた事実を認定しているにもかかわらず、「会社の退職勧奨が労働者の自己決定権を阻害するものではない」という結論に至っている。この背景には、使用者は労働者に対して圧倒的に強い立場にあるという職場の現実を考慮していないことがある。

(6)電機大企業では、全体で13万人とも言われる大規模なリストラ人減らしの嵐が吹き荒れている。そのリストラの様態は、どこも、日本IBMでの退職強要に酷似している。また、日本IBMでは、今年後半に入り、さらに「ロックアウト解雇」といわれる乱暴な大量指名解雇へとそのリストラの手法をエスカレートさせている。こうした背景に、東京地裁判決があることは想像に難くない。

(7)わたしたちは、ただちに最高裁に上告するとともに、現在、東京地裁に申し立てした大量指名解雇事件とあわせて、一日も早い勝利をめざし、全国の仲間とともに全力をあげる決意である。

2012年11月5日

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同     JMIU日本アイビーエム支部
日本IBM裁判弁護団           

強引に計画された整理解雇
解雇撤回へ記者会見

 10月15日、東京地裁への普通解雇撤回を求める提訴の後、原告団は裁判所内の司法記者クラブと厚生労働省記者クラブの2カ所で記者会見を開き「不当解雇撤回裁判にあたっての声明」を出してIBMの普通解雇の不当性をマスコミ各社に訴えました。

◆「業績不振」に疑問◆

 記者会見には、並木弁護士、三木JMIU中央書記長、杉野IBM支部書記長と3人の原告が出席しました。まず並木弁護士が訴状を示して、解雇撤回と給与・賞与の支払を求めた裁判であることを説明しました。特に会社が「業績不振を理由とした普通解雇である」と言っているにもかかわらず、「期日までに自己都合退職を申し出れば、解雇予告を撤回し、割増退職金を支払う」と但書きしていることを指摘し「業績不振」の正当性に疑問を呈しました。

◆ロックアウト型解雇の強引さ◆

 杉野IBM支部書記長は解雇の状況および会社の状況を説明しました。終業時間30分前に面談に呼びつけて解雇予告通知書を淡々と読み上げ、17時36分までに退去するよう通告することや、CASカードやノーツIDを直ちに停止して事業所から締出し、メールも使えないようにする、ロックアウト型の解雇の強引さを訴えました。

◆計画された整理解雇◆

 さらに、これまで例のなかった普通解雇がわずか3ヶ月間で組合が確認しているだけでも11人も集中して出されたことや、このロックアウト型解雇を引合いに出して自己都合退職を迫るラインがいることから、組織的に計画された整理解雇であることを説明しました。
 3人の原告はそれぞれ、解雇通知を受けたときの無念さや悔しさ、夜中の3時、4時まで眠れず不眠に悩まされていること、将来への不安を口々に訴えました。

◆裁判避け但書きか◆

 マスコミからは「なぜ解雇のような(裁判を起こされる可能性がある)面倒なことをするのか。他社のように希望退職ではダメなのか」という質問が出されました。
 三木JMIU中央書記長は「IBMは二十数年来、希望退職募集を行っていない」こと、「希望退職は何度も面談を行うので手間がかかる。解雇通知なら1回十数分で済む」こと、「裁判を起こされないために『割増退職金付の自己都合退職』の但書きがついている」と答えました。
 さらに最初に解雇された組合員にはこの但書きがなく提訴の意志を強く示したため、それ以降の解雇通知書には但書きをつけた可能性を示唆しました。

◆解雇自由化を許すな◆

 またブルームバーグのPIP解雇裁判で解雇無効判決がでたこととの関連で質問が出ました。それには「PIPのように解雇理由を詳細に説明した解雇でさえ無効である。解雇理由を全く説明していないIBMの解雇には合理性が完全に欠けている」と答えました。
 最後に「IBMは破廉恥事件で辞任した最高顧問が言ったように『リストラの毒見役』を自認している。このような違法な解雇を許せば、解雇自由化につながり他社にも同様の違法な解雇が広まるであろう。」と訴えました。
 司法記者クラブでは20名の記者とテレビカメラ、厚生労働省記者クラブでは十数名の記者が取材に来て、盛況のうちに記者会見を終えました。

ブルームバーグ不当解雇撤回裁判に組合側が勝訴 

~強引な米国流の能力不足解雇に厳しい判断~

米国系通信社ブルーグバーグ(BB)社を相手に新聞労連が2011年3月から争っていた解雇撤回裁判(民事36部、事件番号・平成23年(ワ)8573号、光岡弘志裁判官)の判決で東京地裁は5日、解雇無効を認める判決を下しました。
労働側の勝訴はBBが東京支局で長年行ってきた「能力不足を偽装した」解雇が、極めて違法性の高いことを示した判断といえます。

周到に準備された解雇

BBが解雇自由な米国の流儀を日本に持ち込んで強行している「能力不足解雇」は、日本の元労働弁護士に指南を受け、日本の法制度の「すきま」を縫って実現しようとして用意周到に準備された「仕掛け」です。
辞めさせようとする社員にパフォーマンス・インプルーブメント・プラン(略称・PIP)と称する特別な過剰なノルマを短期間に課し、社員を追い込みます。ノルマが達成できないと突然会議室に呼び出し、そのまま机に戻さず会社から「ロックアウト」し自宅待機にします。
裁判になった時に証拠を確保させないための違法性の高い戦術です。同時に退職勧奨しますが、応じないと有無を言わさず解雇するのです。

ブルームバーグPIP解雇事件東京地裁判決についての声明

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。