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相談窓口

あなたに突然解雇通知・会社は団交拒否

 理由も明さず「低業績」を名目にした普通解雇が相次いでいます。組合はこれに対して直ちに団体交渉を申し入れましたが会社は団交を拒否しました。
 組合が確認しただけでも会社は9月14日から1週間で12人に解雇を通知しました。
 解雇通知の手交後ロックアウトされ、数日のうちに自ら退職の意思表示をする期限が設定されています。退職届を出さない場合は解雇通知から10日前後で解雇されます。
 深夜にノーツメールで解雇通知が送られてきたりという乱暴なケースもあります。

◆会社は団交拒否◆

 組合は9月21日と28日に会社と団交を行いました。
 組合は解雇通知が行われてすぐ18日の団交を申し入れましたが、会社は拒否しました。組合から再度「適切な時期に団交を行わないことは団交拒否とみなします」と申し入れましたが会社は再考せず、さらに「不誠実団交だ」と団交を要求しても21日の団交の議題に入れませんでした。
 そのため解雇通告問題で交渉できたのは9月28日の団交になってしまいました。この日は会社が通告してきた解雇日ですが、当日の交渉となったにも関わらず解雇日の延長も行わないという不誠実さでした。

◆不自然な大量解雇◆

 何人に解雇通知を出したのか会社は回答しようとしません。1週間という短期間に多くの解雇通知を行ったことはきわめて不自然です。しかも解雇理由が皆同じです。
 実態は普通解雇を装った整理解雇ではないかとの組合の追求に、会社は「整理解雇ではありません。会社は整理解雇しなければならない状況にはない。解雇理由書にも書いてあるでしょう」というだけですが、解雇理由は一律に「貴殿は業績が低い状態が続いており」というだけで全く説明になっていません。

◆ロックアウトされて◆

 また、解雇通告後ロックアウトを行っています。
 ある社員の場合後日会社から自宅に私物が送られて来ましたが、乱暴に押し込まれておりその中に入っていたカップは割れていました。この「送りつける」という行為に通常考えられる配慮はありません。私物の整理も許さないことにどういう意義があるのでしょうか。

◆今後も続く解雇◆

 会社は低業績の社員に対して今後も解雇を行っていくとしています。しかしながら具体的に「低業績」とはどのような状態かの説明は全くありません。今日突然あなたに解雇通知が手渡されるかもしれません。他人事ではないのです。

◆整理解雇も強行◆

 TD&D部門の解散に伴う整理解雇では、社内での配転を望んでいる社員は残り1名となりました。1人に対しても社内での配転先を見つけられないのかと問いに、会社は「努力しましたが見つかりませんでした」と答えるばかりです。
 自主退職した人たちが84人中65人いますが多くは次の就職先が決まらないままです。会社が斡旋した転職支援サービスを受けた社員もいましたが、そのサービスを通じて転職できた人はいません。会社はこの転職支援サービスの会社について「再就職先が見つかることだけが価値ではない」と言い訳しています。

◆団結し解雇阻止を◆

 解雇というのは生活基盤を根こそぎ奪い取る行為であり人生設計も狂わせます。このような乱暴な行為には必ずと言っていいほど違法が伴います。団結してたたかえば道が開けます。組合は、訴訟その他の手段を通じてたたかっていきます。

部門解散で整理解雇するな!
きちんと配置転換を!!

 TD&D部門の解散に伴い、会社は所属社員を整理解雇しようとしています。これを阻止すべく、組合は団体交渉(以降「団交」と記載)を積み重ねてきました。
 そもそも、日本IBMは毎年数百億円以上の経常利益を上げています。このような黒字の会社に、整理解雇ということはありえません。
 解雇ではなく、会社の誠意ある対応で配置転換すべきです。

◆配転に努力しない会社◆

 会社が部門解散を決めたなら、次に行うべきことは所属社員の社内での配転先を決めることでしょう。
 毎年数百億円以上の経常利益を上げている会社が、なぜ80人程度の社員の配置転換ができないのでしょうか?
 会社は対象者の配置転換に対して、各自自身で社内公募に応募するという方法しか提示していません。
 対象者に対してDBを提供したと言っていますが、それは今回の対象者を考慮したものではなく、常時全世界のIBMに解放されている社内公募でしかありません。そのため、今まで半導体の設計を行ってきた社員に対して、募集は営業職で今までの営業経験年数を条件とするなどの不一致が生じています。
 組合は団交で、会社に対して対象者の異動希望先を提示して回答を求めました。しかしながらそれに対する会社側回答は、社内公募DB上条件が一致する人に対しては「合致する社内募集案件は存在することを確認しました。ぜひ、積極的にご応募いただくようお願いします」と回答しています。なんと条件が一致する案件が無い人に対しては「残念ながら、現時点において、社内募集案件が存在しないことを確認しました」と回答するだけで、配転先を探す努力は全く行っていません。、
 また、例え一致する案件があったとしても、それは異動できることを意味していません。通常の社内公募と同様に採用側の部門が採用するかどうか判定するかだからです。
 会社側は、社内で異動先が決まった人が18人いると回答しています。組合で調査したところ、そのうち17人はコネで異動先を確保しており、社内公募を通して決まった人は一人しかいません。コネでの異動先の確保に会社は、「個人チャネルがあれば(それを利用しての異動を)否定しない」と回答しています。
 会社はどの部門も業績が厳しいと回答し、「どこかの部門が特に好調ということならばそれを調査します。また、社員であれば、部門業績についてはイントラネットで調べられるでしょう」といい放ちました。

◆斡旋会社も再就職させられない◆

 残念ながら社内での配転先が見つからず退職の道を選んだ社員に対して、きちんと就職できる転職先を会社は見つけてくるべきです。
 しかしながら実態は、社内公募で異動先が決まらない人に対して、会社が示している進路は退職だけです。退職に当たり、会社は再就職斡旋会社に登録することを勧めています。では登録すれば再就職ができるかというと、団交の席上まだ再就職の実績は0人だとの回答でした。

◆突然あなたの部門にも◆

 部門解散、所属社員の解雇という手法は、今回だけの特別な出来事ではありません。この会社の横暴を許せば、今後、様々な部門で採用されるでしょう。
 今回の部門解散理由について会社は、「半導体部門については、新興国の方が、人件費が安い。物価水準とか、示せばいいのですか?」というふざけた回答をしています。
 整理解雇に対して、会社は、退職者にはプレミアムを付けている、新規採用の抑制、昇給の停止など、解雇回避努力をしていると言っていますが、整理解雇自体が成り立たないというところから、見直しをしなければなりません。

◆PBC『1』でも◆

 また、退職対象者には、PBCの成績は関係ありません。現に、今回の対象者にも、PBCが1の社員も含まれています。昨年の評価がよかったから、自分には関係の無いことと高をくくらず、注意深く自分の置かれている状況を把握することが大切です。

勝訴で退職強要ストップを!
 退職強要・人権侵害裁判控訴審結審

 IBM退職強要・人権侵害裁判の控訴審が8月22日に結審し、10月31日に判決が言い渡されることになりました。一審に続きこの控訴審でも不当判決となれば、会社はこれまで以上に退職強要を堂々と行うようになってしまいます。みなさんのご支援をよろしくお願いします。

▼RAプログラムから▼

 ことの発端は2008年4Qに行われたリソースアクション(RA)プログラムでした。会社は1993年から継続的にRAプログラムを行ってきましたが2008年のものは熾烈を極めました。
 弁護士資格を持つ法務担当取締執行役員が「48時間以内に退職届を出さないと、普通解雇する」というメールを送りつけたり、所属長が自宅に電話して奥さんに「ご主人に会社を辞めるよう説得してください」と言ったり、ありとあらゆる方法で社員を追い詰めていきました。
 そのため12月8日に目標数を達成し終了宣言が出されるまでに、1500人もの社員が「自己都合退職」に同意させられ会社を去っていきました。

▼雇用の防波堤へ提訴▼

 これに対して「これ以上の退職強要を防ぎ雇用の防波堤になる」ため組合は裁判を決意しました。2009年5月に「退職強要の差止めと損害賠償請求」を求めて3名の組合員が東京地裁に提訴し、10月にもう1名の組合員が追加提訴して4名の原告で一審が始まりました。
 第1ラウンドは訴状や準備書面による文書のやり取りです。原告は、自分に対して行われた退職強要の内容を訴えました。それに対して会社は「そのような事実はなかった」と虚偽の証言を繰返し、原告4人がいかに無能であるかを主張してきました。原告は反論しようとしましたが、渡邉和義裁判官は「どのような(退職強要)行為が行われたかが問題であって、原告の評価は関係ない」との見解を示しました。

▼和解協議不調▼

 双方の主張が出揃ったところで、裁判所は和解を勧めてきました。
 ところが第2ラウンドの和解協議の初回において、裁判官からは「この裁判の争点がわからない。原告さんは『退職強要を止めろ』と言い、被告さんは『退職強要なんかやっていないし、これからもやらない』と言っている。それでいいじゃあないですか」というとんでもない発言が飛び出しました。
 原告は弁護士と協力して、会社がこれまでも退職強要を繰返してきたこと、この裁判が今後の退職強要を防止しIBM社員の雇用を守るための裁判であることを訴え、裁判官も一応の理解を示しました。
 しかし裁判所の作成した和解案は会社の主張そのものであり、退職強要を認めないなど到底原告が納得できるものではなく、和解は不調に終わりました。

▼再び証人尋問▼

 そして第3ラウンドの証人尋問が始まりました。原告は証人として、4人の原告に直接退職強要を行った上司をそれぞれ1人~3人を申請しました。同時にRAプログラムの張本人として、当時の人事担当取締役執行役員の坪田國矢氏も証人として申請しました。会社は反対しましたが、結局坪田氏の証人尋問が認められ原告側弁護士は坪田氏を鋭く追及しました。
 また原告の本人尋問において、原告は自分に対して行われた数々の退職強要を真摯に正直に証言しました。それに対して会社は第1ラウンドと同様に「そのような事実はなかった」と虚偽の証言を繰返し、また原告4人がいかに無能であるかを主張しました。
 裁判官は再び「原告の評価は関係ない」という見解をしめして第一審は結審しました。そして2011年12月28日に「原告の請求を棄却する」という不当判決が言い渡されました。組合はこのような不当判決に屈することは出来ず、2012年1月に東京高裁に控訴しました。

▼退職強要やめさせよう▼

 控訴審において、原告は一審判決の認定の誤りを指摘しました。同時に原告の勤務成績評価の不当性も訴えました。会社は「一審での主張の繰り返しである。」と反論して、結審を迎えました。
 昨年末の不当判決を受け、会社のリストラ攻勢はますます強まっています。退職強要は後を絶たちません。成績不良を口実にした普通解雇のみならず、部門解散を口実にした整理解雇も行われようとしています。
 控訴審で不当判決が出れば、会社はますます社員への退職強要を強めてくることでしょう。
 この退職強要人権侵害裁判は、現在の退職強要をやめさせ、将来においても退職強要をさせないための、私たちの今後の雇用を守るための裁判です。組合ではこの裁判を「退職強要防止裁判」と位置付けています。

相次ぐロックアウト型解雇 
許せない従業員への仕打ち

ロックアウト型解雇の相談が組合に相次いでいます。

◆自己都合か普通解雇か◆

 組合への相談内容をまとめると、解雇通知書および解雇理由証明書が手交され、そこには次のことが明記されています。
「解雇予告手当てを振り込むこと。」「就業規則53条の解雇事由に該当すること。」「自ら退職する意思を示せば自己都合退社を認め、解雇を撤回した上で退職加算金を支払う。」というものです。しかしそこに書かれていることは、自己都合退職か普通解雇の会社を去る選択しかなく、実質屈辱的な自己都合退職に追い込まれることになります。更に「所属長の指示に従い、他の社員への業務引継ぎを誠実に行います」と書かれた書類にもサインをさせられます。即日のロックアウトで業務の引継ぎをする時間もありません。これまで会社に貢献してきた従業員の扱いとして許せないものです。

◆突然で実感できず◆

 組合に寄せられたロックアウト型解雇の相談のひとつを紹介します。『9月14日解雇通告をうけました。10月1日までに自分で異動先か、休職か、退職をコミットしろと9月初めに通告されましたが、その後は無視状態でした。こちらも体調不良で安定勤務ではなかったのですが、精神科の主治医とは薬を調節しながら、もう少し様子をみよう、となっていました。9月18日中に退職届けを提出すれば、自己都合退職にできる、と迫られております。同じようなやり方で、退路を塞いで退職に応じさせることが横行するのでは、と思いご連絡しました。私自身も突然で失業の深刻さが実感出来ていない状態です。』
 この女性社員は、主治医から様子をみながら、業務と治療を平行して行っていこうとしていた矢先でした。
 日本IBMの社長に就任したマーティン・イェッター氏は、6月15日に報道陣との初めてのインタビューで、大規模なリストラの憶測に対して「それはプレスが言っているルーマー(噂)だ」と答えたと報じられています。しかし、実際はいよいよ本格的にリストラが始まっています。

◆労使対等の会社に◆   

 成果主義の行き着く先は、従業員を使い捨てにするということです。2015年ロードマップの目標を達成するため、会社は人員削減を今後も強めてきます。いまこそ組合に集結し、労使対等の会社を目指そうではありませんか。

◆解雇通知書に書かれた但し書きの内容◆

 但し、会社は9月21日の17時36分(必達)までに、郵送もしくは持参にて貴殿が添付書式にて2012年9月27日付にて自ら退職する意思を示した場合はこれを受理し、解雇を撤回したうえで、貴殿の自己都合退職を認める考えです。この場合、退職加算金や、会社の費用負担で再就職支援会社のサポートを受けられるオプションも用意する考えです。詳細は別途、口頭にて説明します。なお、期限を過ぎた場合、提出書類に不備があった場合などはこの限りではありませんのでご留意ください。これら対応は、会社と貴殿との間の雇用契約を円満に終了したいとの考えに基づくものです。

IBM中央団交報告

解雇者をゼロにせよ
TD&D整理解雇で団交

 会社は、8月3日の中央団体交渉(以下「団交」という)の最後に、「次の職場が見つからない、TD&Dの社員は9月末付けで整理解雇する」と通知してきました。これを受け、組合は、8月24日に団交を開き、「会社は解雇回避に努力しているというが、組合は不十分と判断している」ことを伝えました。組合は、解雇者をゼロにするよう会社に要求しました。

組合の要求に回答できず

 まず組合は、今回は解雇という重大案件なので団交に社長や役員の出席を要求しました。しかし会社は、「トップから人事が権限委譲を受けているので、人事が対応する」旨回答し、社長や役員を出席させませんでした。
 また通常の組合側出席者は、中央執行委員15名に限定されています。しかし解雇という重大案件なので、9月末で整理解雇になりうる社員を中央執行委員とは別枠で出席させることを要求しました。同時に地方から来る当該社員の交通費を支払うことも要求しました。会社は持ち帰って検討することを約束しました。

解雇対象社員の悲痛な声

 その後、対象社員が各自の想いを吐露しました。一人は「解雇をやっていることを、人事担当者本人はどう思っているのか?自分がやっていることを家族に話せるか?」と問いました。会社は「会社のために必要な業務だと考えている。」と回答しました。
 また別の社員は「社長は『7月は業績が上がった。優秀な社員は夫婦で正装ディナーに招待する』と発表した。ふざけるな。そんな余裕があるなら、解雇対象の全社員を救え。」と抗議しました。
 会社は「数年ぶりに数%成長したから、それに貢献した社員を表彰するものである。」と回答しました。組合は、再度「解雇される社員がいるのにギャップが大きすぎる。」ことを抗議しました。

社内異動先を確保せよ

 組合は「時間がたつにつれて新しい職場が決まる社員が増えている。」として、解雇期日を延ばすよう要求しましたが、会社は拒絶しました。また、再教育も要求しましたが、こちらも拒絶しました。
 組合は当該社員を解雇する場合は、「事前協議」するよう要求しました。
 会社は「社内の配転先を探すために努力している」と回答したにすぎませんでした。
 組合は「配転先リストをDBに登録してあるだけである。それも対象社員にそぐわない条件が付き、実際に応募できる案件が少ない。事実上の門前払いである。」ことを指摘しました。
 会社は数名の組合員が採用案件に応募していないことを指摘しました。しかし組合は「これらの組合員は、前団交担当の堤さんが『配転先を探し報告する』と約束したから待っていただけである。」と反論しました。
 組合は単に配転先リストをDBに登録するだけでなく、一人一人に個別具体的に異動先を提示するよう要求し、会社は検討することを約束しました。

解雇自由化もくろむIBM

厚生労働省で記者会見

 JMIU(全日本金属情報機器労働組合)とJMIU日本IBM支部は9月3日厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、日本IBMで起こっている普通解雇事件と部門解散にともなう整理解雇問題に関して状況を報告し、企業の横暴を許さない組合の意思を表明しました。

◆日本IBMの状況◆

まず大岡委員長が日本IBMの状況を説明しました。部門売却を繰り返し、労働者を物として扱っていること、成果主義を悪用し相対評価のボトム10%を作り出し退職勧奨を行っている実態、その結果格差から差別化につながっていることなどを報告し、今回の普通解雇と整理解雇の二つの問題を説明しました。

◆解雇自由化の毒見役◆

続いてJMIU三木書記長が次のように報告しました。「日本では、IBMのような大企業が解雇を行うことは極めてまれです。電気関係の企業で大規模なリストラが行われていますが、そのほとんどは配置転換と希望退職の募集による人員削減です。しかし日本IBMはいきなり解雇を通告するという乱暴な手法に変えてきました。これは、解雇自由化の毒見役を果たそうとしているのではないかと分析しています」

◆ロックアウト解雇◆

普通解雇をされた鈴木裕治さんが解雇の状況を説明しました。7月20日(金)17時に上長に呼び出されました。会議室に行くと書類を入れた封筒を渡され「中身を見てください」と言われ確認すると、解雇予告通知および解雇理由証明書が入っていました。この直前まで、上司と翌週の仕事の打ち合わせをしていましたので、それを見て呆然としました。
会議室を出るときに「上司が付き添うので、17時36分に会社を出てください」と一方的に通告をされました。翌週出勤すると入館できなくなっていました。受付で上司を呼び出してもらったところ「上司、その他におつなぎできないことになっています」と回答されました。
この私の体験を、他の従業員の退職勧奨面談で脅し文句に使っています。「ロックアウト解雇された人を知っているよね、あなたも同じようにならないように退職しなさい」と。提訴の準備をしています。

◆部門解散型整理解雇◆

テクノロジー開発部門所属の社員は次のようにいきさつを説明をしました。5月23日に突然部門の閉鎖を告げられました。我々に辞めろといっているのかと確認をしたところ「そのようなことは言っていない」と返答がきました。しかし8月3日には「9月24日までに退職届けを提出すれば加算金を支払います。そうでなければ9月30日に解雇します」と。
どちらにしても会社を退職する選択をさせられています。成績がトップであっても会社に残れません。部門閉鎖の理由は、上位の責任であるのにその責任を末端社員に負わせています。それどころか会社の説明は言い逃ればかりで納得できません。

◆整理解雇撤回を◆

組合は団体交渉で整理解雇撤回を求めて交渉中です。
会社は、社内公募案件を使って自分で仕事を探し自分で折衝するように求めています。実際には営業の実務経験の条件がついているなど異動は簡単ではありません。
また再教育の場をまったく与えられていません。これでは整理解雇を回避しているとは言えません。会社の回避義務として、こちらの職種に異動してくれないかというのが普通です。
わたしたち組合はこのような解雇を絶対に許しません。

 

日本IBM 鈴木裕治さん解雇にあたっての声明

~「解雇自由化」を狙い成果主義を悪用した不当解雇は即時撤回せよ~

(1)日本IBMは鈴木裕治さんを「業績が低い」という理由で、就業規則上の解雇事由に該当するとして2012年7月26日付で解雇した。JMIUは、この不当な解雇攻撃に断固抗議し即時撤回を求めるものである。

(2)会社が本人に通告したのは解雇日のわずか1週間前で、労働組合が抗議しなければ組合への通告や団体交渉すら行おうとせず、その団体交渉もわずか1回で解雇を強行した。団体交渉の席上でも、会社は「総合的に勘案した結果」だと述べるだけで、解雇の理由である「業績悪化」の具体的な説明はまったくなかった。

(3)日本IBMでは、10年以上前から成果主義が導入されており、とりわけ、2008年頃から成果主義にもとづく業績評価で「成績が低い」とみなした社員を対象に、日常的な退職強要を繰り返し、「ボトム10」と呼ばれてきた(成績が下位の社員10%は退職させること)。JMIU日本IBM支部はこうした不当な退職強要はいずれ「解雇」攻撃へとエスカレートするとして、東京地裁に提訴してたたかってきた。今回の解雇は、わたしたちの危惧がまさに的中したことを示している。もし、今回の解雇を容認するならば、日本IBMは「業績悪化」を口実に従業員を自由気ままに解雇する無法地帯と化すだろう。

(4)日本の裁判例では、「普通解雇」について、合理的な理由や社会的な相当性がなければならないとして制限してきた。今回の解雇は、こうした裁判例に照らして正当な理由はまったくない。そればかりか、鈴木さんは、2年前の賃金減額をめぐって現在、労使交渉中であり、また、過去の不払い残業代を求めて東京地裁に提訴したばかりだった。今回の解雇は、鈴木さんの行動への報復を企む不法行為である。

(5)昨今、成果主義を口実にした普通解雇の攻撃がひろがりつつある。また、財界・大企業や政府は、「解雇の自由化」「解雇規制の緩和」「解雇の金銭解決」を主張しており労働者の雇用と権利が脅かされている。かつて日本IBMの社長が「リストラの毒味役」と豪語したように、同社のリストラ攻撃はその後全国にひろがる。そういう意味からも今回の解雇攻撃を絶対に阻止しなければならない。

(6)JMIU日本アイビーエム支部は鈴木さんの解雇を撤回させるまで闘う決意をここに表明し、全国の労働者・労働組合、国民のみなさんのご支援を心から訴えるものである。

2012年7月29日
                           全日本金属情報機器労働組合
                           同      東京地方本部
                           同  日本アイビーエム支部

日本IBMがロックアウト解雇
「総合的に勘案した結果」で

Aさんの経緯と団体交渉の内容

 金曜日の7月20日午後5時頃にAさんは上司に面談を求められ、下記のような書面を渡され、7月26日付での解雇予告通知を手渡されました。そして、そのまま就業時間に退出するように言われました。翌週7月23日に出勤しようとすると、入館カードが止められており、社内に入ることがでず、社員用のメールIDも停止されていました。
 組合は会社と7月25日夕方に団体交渉を行いましたが、会社は総合的に勘案した結果だと述べるだけで、何ら具体的な解雇理由の説明がありませんでした。

組合に加入して退職勧奨・強要は拒否しよう

解雇は「容易に」出来ない

 会社は人員削減のためのリストラ攻勢を強めています。退職勧奨・強要を繰返し、それを拒絶すると「自己都合退職に応じなければ、解雇もありえる」と脅迫してくる例が増えています。しかし会社は社員を「容易に」解雇することは出来ません。
 辞める人のほとんどは、退職勧奨・強要を受け、嫌気がさしたり、会社への絶望による「自己都合退職」です。所属長が「解雇もありえる」と言う場合は、相当悪質で退職強要となり違法です。

法律・判例に見る解雇制限

 以前より会社が行っているリストラは、自己都合退職の形式をとっていますが、実態は、間違いなく会社事情で行う整理解雇です。会社が整理解雇を行う場合は、「整理解雇の4要件」を満たすことが判例上、求められます。4要件とは①人員整理の必要性②解雇回避努力義務の履行③被解雇者選定の合理性④手続きの妥当性の4つです。
 日本IBMの場合、①②が全く当てはまりません。①の「人員整理の必要性」では「整理解雇を行わないと、経営を維持できない」程度の必要性が求められます。2011年に1000億円近い経常利益を上げている日本IBMは完全に対象外です。②の「解雇回避努力義務の履行」は「希望退職募集」「役員報酬削減」「新規採用抑制」などを行い、整理解雇を回避する努力を行わなければならないということです。しかし日本IBMは過去20年近く「希望退職募集」を行っていません。したがって日本IBMでは「整理解雇」などを行うことは出来きず、社員を「自己都合退職」に追い込む姑息な方法で脱法的リストラを行っています。
 また平成20年3月1日施行の労働契約法16条に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と明確に定められています。
 会社の無法な脅迫に屈することなく、後悔しないためにも退職勧奨・強要を受けた場合は「辞めません」とはっきり答え、組合に相談して自分の雇用を守ることを考えてください。

多くの問題点はらみつつ東京ラボラトリー開所

大和事業所からの移転がほぼ終了しました。これに伴う通勤困難の発生や、豊洲カフェテリアの混雑、部門閉鎖の問題等が発生しています。

 豊洲事業所で6月15日に東京ラボラトリーの開所式が開催されました。そこで東京ラボラトリーを率いる久世執行役員は、「大和研究所の事業の柱は『基礎研究』『ハードウエア・ソフトウエア製品開発』『製造』『製品サービス』と位置づけられていたが、昨今の激しい変化の中で、これまでのような製品開発スタイルでは市場に対して大きなインパクトを出せない。組織を越え、企業を越え国境を越えた協業体制の下で、新しい形の研究開発を目差す」と発表しました。
 すでに大部分の豊洲への移転は完了しており、残りは9月以降に新川崎へ移転する組織があり、その時点で、大和からの移動が完了することになります。

▼多数が通勤困難に▼

 大和ラボラトリーの豊洲移転が発表されたのは、2011年4月26日。組合は事前に閉鎖の情報は入手していましたが、まさか東日本大震災の一ヵ月半後に移転発表をするとは驚きでした。それは、震災の影響で見直し作業が必要であると誰もが考えていたためです。そのため建物の耐震性、豊洲地区の液状化、東京への一極集中など多くの疑問と不安の声が従業員から出ていました。
 特に多くの社員が通勤困難になることは、事前にわかっていたことです。組合はそのような事態が発生しないように、発表前から会社に対し従業員の生活を守るため、移転先を配慮するように申し入れを行っていました。
 また、この移転に伴い、豊洲から幕張、箱崎や横浜北へ玉突きで数百名が移動となっています。豊洲勤務であった従業員にも通勤困難になった方がいると思われます。

▼事業所に諸問題▼

 もともとオフィス用途のフロアーに大型のサーバー機を設置するなど、次に大きな地震がきて被害が発生すれば、それは「想定内」とも言える無理な進め方もされました。さらに電源の不足、小スペースなど拡張性に乏しい設備となっており、研究開発の将来への投資とはなっておらず、目先の大和事業所を閉鎖するための一時的な投資となっています。
 また、組合から豊洲事業所にカフェテリアを設けるように毎年要求をし続け、カフェテリアを設けました。しかし3000人の施設としては、その規模やメニューなど、豊洲勤務者の要求を満たすには程遠い状況であり、大幅な改善を行うように会社に要求します。

▼部門閉鎖も引き続く▼

 東京ラボラトリー開所式の裏で、突然のテクノロジー開発・デリバリー部門解散が発表されました。84人が退職や外部への転職を勧奨されています。組合は、雇用責任を果たすよう強く要求しています。
 また、移転直前の計画では満席であったオフィスで既に空席が目立つようになってきています。コストを少しでも減らすために実験室を持つ部門がオフィスを返却して実験室兼オフィスとしており、それに加え人員削減も進んでいると思われます。
 今後、新たな事業所の閉鎖が実施されることが予想され、組合にも情報が寄せられています。事業所閉鎖や部門解散がいつまで繰り返されるのか。2015ロードマップは、私たちの労働条件に留まらず、雇用を脅かせています。

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