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相談窓口

JMIU日本IBM支部東京都不当労働行為
救済申し立てにあたっての声明

(1)2012年11月5日(月)、全日本金属情報機器労働組合、同東京地方本部、同日本アイビーエム支部(以下、総称してJMIUという)は、東京都労働委員会に不当労働行為救済申立を行った。申立の内容の概要は以下のとおりである。

    ①日本IBMがJMIU組合員らに対し、9月18日から20日にかけて行った解雇予告通告について、9月21日に予定されていた団体交渉の議題とすることを拒否したことが団交拒否の不当労働行為にあたることの確認。
    ②日本IBMは、今後、JMIU組合員に対し解雇通告を行う場合には、日本IBMが設定する自主退職期限の前にJMIUとの団体交渉に応じなければならない。
    ③ポストノーティス

(2)日本IBMでは、この間、指名解雇通知を大量に乱発している。JMIUが把握しているだけでも、7月に1人、9月に9人、10月に1人の合計11人の労働者が解雇通知を受けた。なお、11人のうち3人は、10月15日に東京地裁に解雇無効を求めて提訴し、1人は現在、提訴準備中である。残りの7人は、解雇通知後、解雇日までに自主退職した。

(3)JMIUは9月18日から20日にかけて行われた8人への解雇通知の撤回を求め、もともと解雇通知前から別件で設定されていた9月21日の団体交渉で緊急に議題にするよう日本IBMに求めた。ところが会社は、この団交はもともと別件の団交であることを理由に団体交渉の議題にあげることをかたくなに拒否した。しかし、解雇は、労働者にとってもっとも過酷な攻撃であり、解雇前に労使協議を行うことは高度な必要性がある。にもかかわらず、それを拒否したのは、解雇前の団体交渉を拒否することで、労働組合を弱体化することをねらったからである。実際、8名のうち6人は解雇日前に自主退職した。

(4)過去の経験からすると、日本IBMは、年末にかけて、解雇攻撃をさらにエスカレートしてくることは必至であり、このような団交拒否が繰り返されると労働組合のいっそうの弱体化は避けられないし、労働者の雇用をまもることはできない。

(5)労働委員会が新しく改正された委員会規則の趣旨を踏まえ、ただちに命令を発していただくよう強く要望するものである。

2012年11月5日

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同  東京地方本部            
同  日本アイビーエム支部       

日本IBM退職強要事件
東京高裁不当判決に対する声明

(1)2012年10月31日、東京高裁第1民事部は、平成24年(ネ)第763号各損害賠償等請求控訴事件について、控訴を棄却する不当判決を下した。

(2)この事件は、JMIU日本IBM支部組合員4名が、日本IBM株式会社により退職を強要されたとして損害賠償を請求した事件である。同社は、2008年10月から年末にかけて、「RAプログラム」という名のリストラ計画にもとづき、会社が恣意的に低評価にした労働者をターゲットにして、多くの労働者に退職を迫り、1300人の社員が退職に追い込まれた。

(3)東京地裁は、会社の主張をそっくり鵜呑みにした事実認定のうえに立って、退職勧奨に応じるかどうかは労働者の事由な意思に委ねられているので、労働者が退職拒否の意思表示を示した後も使用者が引き続き説得を継続することは違法でないとしていた。

(4)東京高裁判決は、予断と偏見に立った東京地裁判決を大幅に修正した。たとえば、目的に合理性がない場合や対象者の選定が恣意的な退職勧奨は、労働者の自由な意思決定を阻害するものであること、当時、日本IBMでは整理解雇に準じるような事情はなく、人員削減にあたっては労働者の自由な意思決定が必要不可欠であること、ラインマネージャーのなかには職務権限を背景に恣意的な業績評価や過剰な説得をする者があるのではないかという危惧があったことなどを指摘した。個別の事実認定でも、会社の主張をそっくり鵜呑みにした東京地裁の事実認定を大幅に修正した。

(5)にもかかわらず、東京高裁は、考え方の大枠として、東京地裁判決を踏襲しており、このように、東京高裁判決は極めて不当であり到底納得できるものではない。

    ①日本IBMは2008年においても、当時1000億円の純利益をあげる優良企業であるにもかかわらず、リーマン・ショックの影響を過大に評価して、人員削減の必要性を無批判に肯定している。
    ②1300人という大量人員削減をめざしたことやさらにその3倍の労働者に退職勧奨を行ったこと、使用者が恣意的に退職勧奨の対象を選定したにもかかわらず、プログラムが「飽くまで対象者の自由意思」であることを形式的にかかげていることを理由に「定められた退職勧奨の方法及び手段自体が不相当であるともいえない」として、雇用をまもる使用者の責任を不問にしている。
    ③ラインマネージャーの言動などに不適切なものがあることを認めるなど、面談で執拗に退職と業績改善を求めた事実を認定しているにもかかわらず、「会社の退職勧奨が労働者の自己決定権を阻害するものではない」という結論に至っている。この背景には、使用者は労働者に対して圧倒的に強い立場にあるという職場の現実を考慮していないことがある。

(6)電機大企業では、全体で13万人とも言われる大規模なリストラ人減らしの嵐が吹き荒れている。そのリストラの様態は、どこも、日本IBMでの退職強要に酷似している。また、日本IBMでは、今年後半に入り、さらに「ロックアウト解雇」といわれる乱暴な大量指名解雇へとそのリストラの手法をエスカレートさせている。こうした背景に、東京地裁判決があることは想像に難くない。

(7)わたしたちは、ただちに最高裁に上告するとともに、現在、東京地裁に申し立てした大量指名解雇事件とあわせて、一日も早い勝利をめざし、全国の仲間とともに全力をあげる決意である。

2012年11月5日

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同     JMIU日本アイビーエム支部
日本IBM裁判弁護団           

強引に計画された整理解雇
解雇撤回へ記者会見

 10月15日、東京地裁への普通解雇撤回を求める提訴の後、原告団は裁判所内の司法記者クラブと厚生労働省記者クラブの2カ所で記者会見を開き「不当解雇撤回裁判にあたっての声明」を出してIBMの普通解雇の不当性をマスコミ各社に訴えました。

◆「業績不振」に疑問◆

 記者会見には、並木弁護士、三木JMIU中央書記長、杉野IBM支部書記長と3人の原告が出席しました。まず並木弁護士が訴状を示して、解雇撤回と給与・賞与の支払を求めた裁判であることを説明しました。特に会社が「業績不振を理由とした普通解雇である」と言っているにもかかわらず、「期日までに自己都合退職を申し出れば、解雇予告を撤回し、割増退職金を支払う」と但書きしていることを指摘し「業績不振」の正当性に疑問を呈しました。

◆ロックアウト型解雇の強引さ◆

 杉野IBM支部書記長は解雇の状況および会社の状況を説明しました。終業時間30分前に面談に呼びつけて解雇予告通知書を淡々と読み上げ、17時36分までに退去するよう通告することや、CASカードやノーツIDを直ちに停止して事業所から締出し、メールも使えないようにする、ロックアウト型の解雇の強引さを訴えました。

◆計画された整理解雇◆

 さらに、これまで例のなかった普通解雇がわずか3ヶ月間で組合が確認しているだけでも11人も集中して出されたことや、このロックアウト型解雇を引合いに出して自己都合退職を迫るラインがいることから、組織的に計画された整理解雇であることを説明しました。
 3人の原告はそれぞれ、解雇通知を受けたときの無念さや悔しさ、夜中の3時、4時まで眠れず不眠に悩まされていること、将来への不安を口々に訴えました。

◆裁判避け但書きか◆

 マスコミからは「なぜ解雇のような(裁判を起こされる可能性がある)面倒なことをするのか。他社のように希望退職ではダメなのか」という質問が出されました。
 三木JMIU中央書記長は「IBMは二十数年来、希望退職募集を行っていない」こと、「希望退職は何度も面談を行うので手間がかかる。解雇通知なら1回十数分で済む」こと、「裁判を起こされないために『割増退職金付の自己都合退職』の但書きがついている」と答えました。
 さらに最初に解雇された組合員にはこの但書きがなく提訴の意志を強く示したため、それ以降の解雇通知書には但書きをつけた可能性を示唆しました。

◆解雇自由化を許すな◆

 またブルームバーグのPIP解雇裁判で解雇無効判決がでたこととの関連で質問が出ました。それには「PIPのように解雇理由を詳細に説明した解雇でさえ無効である。解雇理由を全く説明していないIBMの解雇には合理性が完全に欠けている」と答えました。
 最後に「IBMは破廉恥事件で辞任した最高顧問が言ったように『リストラの毒見役』を自認している。このような違法な解雇を許せば、解雇自由化につながり他社にも同様の違法な解雇が広まるであろう。」と訴えました。
 司法記者クラブでは20名の記者とテレビカメラ、厚生労働省記者クラブでは十数名の記者が取材に来て、盛況のうちに記者会見を終えました。

ブルームバーグ不当解雇撤回裁判に組合側が勝訴 

~強引な米国流の能力不足解雇に厳しい判断~

米国系通信社ブルーグバーグ(BB)社を相手に新聞労連が2011年3月から争っていた解雇撤回裁判(民事36部、事件番号・平成23年(ワ)8573号、光岡弘志裁判官)の判決で東京地裁は5日、解雇無効を認める判決を下しました。
労働側の勝訴はBBが東京支局で長年行ってきた「能力不足を偽装した」解雇が、極めて違法性の高いことを示した判断といえます。

周到に準備された解雇

BBが解雇自由な米国の流儀を日本に持ち込んで強行している「能力不足解雇」は、日本の元労働弁護士に指南を受け、日本の法制度の「すきま」を縫って実現しようとして用意周到に準備された「仕掛け」です。
辞めさせようとする社員にパフォーマンス・インプルーブメント・プラン(略称・PIP)と称する特別な過剰なノルマを短期間に課し、社員を追い込みます。ノルマが達成できないと突然会議室に呼び出し、そのまま机に戻さず会社から「ロックアウト」し自宅待機にします。
裁判になった時に証拠を確保させないための違法性の高い戦術です。同時に退職勧奨しますが、応じないと有無を言わさず解雇するのです。

ブルームバーグPIP解雇事件東京地裁判決についての声明

不当解雇撤回へ 東京地裁に3人が提訴!!

 7月から10月にかけて行われた不当な普通解雇の撤回を求めて、10月15日に3人の組合員が東京地方裁判所に提訴しました。原告団を代表して、原告Mさんの裁判への決意をご紹介します。

 「9月18日の16時55分に突然17時よりミーティングと告げられました。部屋で待っていると面識のない二人(理事と人事)が入ってきて、名乗ったかどうかもわからないうちに、一方的に書面を読み出しました。よく聞き取れないが解雇通知だろうか?読み上げた事はあとですべて書面で渡すとのことなので、黙って聞いていました。要約すると、9月26日付で解雇、17時36分に私物をまとめて退社、明日以降は出社禁止、ただし9月20日の17時36分までに自己都合退職届けを出すなら解雇撤回、退職加算金と再就職支援会社のサポートあり、とのこと。
 会社から締め出し、考える時間を与えず、解雇か、自己都合退職+退職加算金、のどちらか究極の選択を迫られます。
 これはかなりきつい。法的措置が間に合わないため、解雇の正当性に関わらず、とりあえず解雇されてしまいます。
 再就職、これからの生活、裁判の費用・時間・労力を考えると自己都合退職か・・・。
 そんな中私が裁判を選択したのは、この解雇があまりに不条理で、理由が不透明だからです。
 また裁判の行方によっては、解雇自由化につながり、労働者の生活を脅かします。
 応援よろしくお願い致します。」

日本IBM退職強要・人権侵害裁判
!!10月31日に高裁判決!!

 東京高裁での日本IBM退職強要・人権侵害裁判は、次週いよいよ、判決を迎えます。 当日は多くの方々に傍聴いただきたく、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。



日時:10月31日(水)午後3時
場所: 東京高裁 822号法廷

JMIU日本アイビーエム支部

日本IBM不当解雇撤回裁判提訴にあたっての声明

 本日、日本アイ・ビー・エム株式会社(東京都中央区、代表取締役社長執行役員マーティン・イェッター(Martin Jetter)、以下、「日本IBM」またはたんに「会社」と言う)で働くJMIU日本アイビーエム支部(以下、たんにJMIUと言うこともある)に所属する組合員3名が、会社が行った解雇は違法であり無効であるとして東京地裁に提訴した。
 日本IBMでは、この間、会社が労働者に対し指名解雇通知を大量乱発している。JMIUでは、原告らを含めて、7月に1人、9月に9人、10月に1人の合計11人が解雇通知を受けた。解雇は今後もさらに拡大することが予想される。
 会社は就業規則の解雇要件である「成績不良」を解雇理由とするが(いわゆる「普通解雇」)、本人にも労働組合にも、具体的な事例などはいっさいの説明を拒絶しており、労働契約法16条でいう解雇権濫用法理に明らかに反する。また、JMIU推定では日本IBMは現在約1万4千人の従業員だが、それを3年間で1万人にまで人員削減する計画をもっているという情報もあり、今回、いっせいに大量の解雇通知を乱発していることから、解雇の真の理由はこの人員削減計画に沿った人減らしである可能性が強い。しかし、日本IBMは、毎年1000億円近い経常利益を出す優良企業であり、解雇しなければならない経営上の必要性はない。このように、今回の大量指名解雇は法の潜脱をねらった違法なものである。
 会社はJMIUが団交を申し入れたにもかかわらず解雇を強行した。また、組合員をねらいうちに解雇してJMIUの存在を無意味にしておいてからさらなる大規模な解雇を強行しようとしており、組合員への解雇は不当労働行為でもある。
いま、財界・大企業は「解雇の自由化」のねらい(法の規制をなくし自由に労働者を解雇できるようにする)を強めている。本件大量指名解雇は「解雇自由化」を現場からすすめるものであり、これを突破口に「解雇」によるリストラ人減らしが一気にひろがる恐れがある。
 わたしたちは裁判の勝利判決をめざすとともに、世論と運動で日本IBMを包囲し、解雇撤回・職場復帰を必ず勝ち取り、「解雇自由化」の財界・大企業のねらいを粉砕するために全力をあげる決意である。

2012年10月15日

全日本金属情報機器労働組合(JMIU)
同    日本アイビーエム支部
日本IBM不当解雇撤回裁判弁護団

会社、大歳事件を闇に葬る

リストラの毒味役を公言していた
      大歳元社長、ついに毒が回ったか


「業界における新たなリストラ策の毒味役」を公言していた大歳元社長が、その毒が自分の心身にまで回ったとしたら自業自得といえます。
 会社は大歳元社長の事件についての組合の要求に対して、すでに日本IBMを辞めていて個人に関することはコメントできないと無責任な回答をしてきました。
 最高顧問を務めていたのに、事件公表までの1週間ほどの間に手回しよく自主退職させての話です。退職金も相当もらっているでしょう。
 一般従業員への対応とのあまりの落差に会社の倫理の欠如や身勝手が見てとれ、あきれるばかりです。

組合要求書
組合要求

会社回答書
会社回答

あなたに突然解雇通知・会社は団交拒否

 理由も明さず「低業績」を名目にした普通解雇が相次いでいます。組合はこれに対して直ちに団体交渉を申し入れましたが会社は団交を拒否しました。
 組合が確認しただけでも会社は9月14日から1週間で12人に解雇を通知しました。
 解雇通知の手交後ロックアウトされ、数日のうちに自ら退職の意思表示をする期限が設定されています。退職届を出さない場合は解雇通知から10日前後で解雇されます。
 深夜にノーツメールで解雇通知が送られてきたりという乱暴なケースもあります。

◆会社は団交拒否◆

 組合は9月21日と28日に会社と団交を行いました。
 組合は解雇通知が行われてすぐ18日の団交を申し入れましたが、会社は拒否しました。組合から再度「適切な時期に団交を行わないことは団交拒否とみなします」と申し入れましたが会社は再考せず、さらに「不誠実団交だ」と団交を要求しても21日の団交の議題に入れませんでした。
 そのため解雇通告問題で交渉できたのは9月28日の団交になってしまいました。この日は会社が通告してきた解雇日ですが、当日の交渉となったにも関わらず解雇日の延長も行わないという不誠実さでした。

◆不自然な大量解雇◆

 何人に解雇通知を出したのか会社は回答しようとしません。1週間という短期間に多くの解雇通知を行ったことはきわめて不自然です。しかも解雇理由が皆同じです。
 実態は普通解雇を装った整理解雇ではないかとの組合の追求に、会社は「整理解雇ではありません。会社は整理解雇しなければならない状況にはない。解雇理由書にも書いてあるでしょう」というだけですが、解雇理由は一律に「貴殿は業績が低い状態が続いており」というだけで全く説明になっていません。

◆ロックアウトされて◆

 また、解雇通告後ロックアウトを行っています。
 ある社員の場合後日会社から自宅に私物が送られて来ましたが、乱暴に押し込まれておりその中に入っていたカップは割れていました。この「送りつける」という行為に通常考えられる配慮はありません。私物の整理も許さないことにどういう意義があるのでしょうか。

◆今後も続く解雇◆

 会社は低業績の社員に対して今後も解雇を行っていくとしています。しかしながら具体的に「低業績」とはどのような状態かの説明は全くありません。今日突然あなたに解雇通知が手渡されるかもしれません。他人事ではないのです。

◆整理解雇も強行◆

 TD&D部門の解散に伴う整理解雇では、社内での配転を望んでいる社員は残り1名となりました。1人に対しても社内での配転先を見つけられないのかと問いに、会社は「努力しましたが見つかりませんでした」と答えるばかりです。
 自主退職した人たちが84人中65人いますが多くは次の就職先が決まらないままです。会社が斡旋した転職支援サービスを受けた社員もいましたが、そのサービスを通じて転職できた人はいません。会社はこの転職支援サービスの会社について「再就職先が見つかることだけが価値ではない」と言い訳しています。

◆団結し解雇阻止を◆

 解雇というのは生活基盤を根こそぎ奪い取る行為であり人生設計も狂わせます。このような乱暴な行為には必ずと言っていいほど違法が伴います。団結してたたかえば道が開けます。組合は、訴訟その他の手段を通じてたたかっていきます。

部門解散で整理解雇するな!
きちんと配置転換を!!

 TD&D部門の解散に伴い、会社は所属社員を整理解雇しようとしています。これを阻止すべく、組合は団体交渉(以降「団交」と記載)を積み重ねてきました。
 そもそも、日本IBMは毎年数百億円以上の経常利益を上げています。このような黒字の会社に、整理解雇ということはありえません。
 解雇ではなく、会社の誠意ある対応で配置転換すべきです。

◆配転に努力しない会社◆

 会社が部門解散を決めたなら、次に行うべきことは所属社員の社内での配転先を決めることでしょう。
 毎年数百億円以上の経常利益を上げている会社が、なぜ80人程度の社員の配置転換ができないのでしょうか?
 会社は対象者の配置転換に対して、各自自身で社内公募に応募するという方法しか提示していません。
 対象者に対してDBを提供したと言っていますが、それは今回の対象者を考慮したものではなく、常時全世界のIBMに解放されている社内公募でしかありません。そのため、今まで半導体の設計を行ってきた社員に対して、募集は営業職で今までの営業経験年数を条件とするなどの不一致が生じています。
 組合は団交で、会社に対して対象者の異動希望先を提示して回答を求めました。しかしながらそれに対する会社側回答は、社内公募DB上条件が一致する人に対しては「合致する社内募集案件は存在することを確認しました。ぜひ、積極的にご応募いただくようお願いします」と回答しています。なんと条件が一致する案件が無い人に対しては「残念ながら、現時点において、社内募集案件が存在しないことを確認しました」と回答するだけで、配転先を探す努力は全く行っていません。、
 また、例え一致する案件があったとしても、それは異動できることを意味していません。通常の社内公募と同様に採用側の部門が採用するかどうか判定するかだからです。
 会社側は、社内で異動先が決まった人が18人いると回答しています。組合で調査したところ、そのうち17人はコネで異動先を確保しており、社内公募を通して決まった人は一人しかいません。コネでの異動先の確保に会社は、「個人チャネルがあれば(それを利用しての異動を)否定しない」と回答しています。
 会社はどの部門も業績が厳しいと回答し、「どこかの部門が特に好調ということならばそれを調査します。また、社員であれば、部門業績についてはイントラネットで調べられるでしょう」といい放ちました。

◆斡旋会社も再就職させられない◆

 残念ながら社内での配転先が見つからず退職の道を選んだ社員に対して、きちんと就職できる転職先を会社は見つけてくるべきです。
 しかしながら実態は、社内公募で異動先が決まらない人に対して、会社が示している進路は退職だけです。退職に当たり、会社は再就職斡旋会社に登録することを勧めています。では登録すれば再就職ができるかというと、団交の席上まだ再就職の実績は0人だとの回答でした。

◆突然あなたの部門にも◆

 部門解散、所属社員の解雇という手法は、今回だけの特別な出来事ではありません。この会社の横暴を許せば、今後、様々な部門で採用されるでしょう。
 今回の部門解散理由について会社は、「半導体部門については、新興国の方が、人件費が安い。物価水準とか、示せばいいのですか?」というふざけた回答をしています。
 整理解雇に対して、会社は、退職者にはプレミアムを付けている、新規採用の抑制、昇給の停止など、解雇回避努力をしていると言っていますが、整理解雇自体が成り立たないというところから、見直しをしなければなりません。

◆PBC『1』でも◆

 また、退職対象者には、PBCの成績は関係ありません。現に、今回の対象者にも、PBCが1の社員も含まれています。昨年の評価がよかったから、自分には関係の無いことと高をくくらず、注意深く自分の置かれている状況を把握することが大切です。

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