三つの重点を軸にした要求書を提出
いよいよ、2012年春闘が始まりました。わたしたちのたたかいは、「労働者のくらしと雇用を守り、企業の将来展望を開く」ことを目指しています。このことは、すべての人が安心して暮らせる社会をめざすことに通じるからです。
組合は、今年の重点要求として、①「すべての仲間の賃上げを行え」②「すべての仲間の雇用を守れ」③「業績改善プログラム・降格・減給をやめろ」を掲げ、その要求を2月23日に会社に提出しました。
賃上げをしない、させない成果主義
会社は、2005年10月3日発表の「人事制度の改革」発表以来、徹底した成果主義を推し進めてきました。当初「がんばれば賃金が上がる」という幻想をもった人も多かったと思います。組合は、従業員の賃金が抑えこまれる危険性があるとして機関紙で警鐘を鳴らしてきました。そして今それが現実となり、多くの従業員は成果主義に不満を感じ、怒りをもっています。それは、従業員の半数しか昇給しない仕組み、ごく一部の人を優遇する賞与制度など、従業員に利益を還元しようとする会社の姿勢がないからです。いま、会社が行っていることは「賃上げをしない、させない成果主義」なのです。その結果、会社の「年齢別保障給」を下回る社員が多く出てきたため、その制度を廃止するまでに至っています。
「すべての仲間の賃上げを行え」
組合の賃上げ要求に対し、会社はまったく応じようとしていません。春闘アンケートを実施して明確になったことは、毎月の支出で7万円以上の赤字を抱えている従業員が多く存在することです。これは、会社がベースアップの賃上げを実施していないからです。そこで、今年の賃上げ要求として、2006年からの1万円のベースアップと今年度の賃上げを加え、「一律10万円の賃上げ」を要求しています。これは決して高い要求ではなく、現実的なものです。7年間も昇給がない方もいます。お子様の教育費に支出のかかる年代の方もいます。更にバンド7の給与レンジ下限に達していない方、裁量労働勤務制のもとにサービス残業を強いられている方など、会社が労動者から搾取している賃金の還元を実現させる要求です。
「すべての仲間の雇用を守れ」
会社は、2015年ロードマップを実現するため、大規模なリストラを実施しようとしています。以前は、その対象者をボトム10(%)といいましたが、それがボトム15(%)になり、そして今年はボトム30(%)、すなわち5000人が対象になろうとしています。そこから、会社が目指している人員削減計画が推測できます。このような会社の横暴を許さず、従業員の雇用を守らなくてはなりません。
「業績改善プログラム・降格・減給をやめろ」
成果主義は、労働者の賃金を使用者の一方的な評価によって個別に決めるというものです。そして次々に改悪されていくのが特徴です。したがって、結婚、子育てなど生活費が増大してもそれが賃金に反映されません。それどころか、低評価を口実にした減給や降格を行っています。このように「賃金の生計費原則」を真っ向から否定する業績改善プログラム・降格・減給をやめさせなければなりません。
組合は、今年の重点要求項目を軸に、100項目以上の要求を会社に提出しています。今後、その要求と回答を機関紙、組合ホームページを通じて公開していきます。