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相談窓口

5月24日4次スト決行

5次回答
 物価高騰を上回る賃上げをせよ
 全従業員の賃上げデータを回答せよ

 今23春闘の情勢は、4月12日に3次ストを決行した組合の強い要求によって、4月27日、日本IBMは5月1日付賃上げの実施を発表しましたが、日本IBMの5月1日付賃上げの組合推定平均賃上げ率はわずか1.0%と、下表の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)の上昇率(対前年同月)をはるかに下回り、実質賃下げです。
 そこで組合は4次ストを構え、4次回答指定日を5月22日として、日本IBM、キンドリルジャパン両社に以下を要求しました。
①日本IBMは、組合が求めている物価高騰を考慮した、加えて年齢別本給下限額を踏まえた、組合員個別の賃上げ額の上積みを行うこと。
②両社の昨年9月の賃上げ無視で賃上げが1回分足りない状況(2020年から22年の3年間に2回)を解消するため、日本IBMは、就業規則通り今年9月に賃上げを行うこと、キンドリルジャパンは、7月と今年中にもう1回賃上げを行うこと。
③両社は、集団的労使交渉に必要な情報として全従業員の賃上げデータ(平均賃上げ額、平均賃上げ率など)を回答すること。
 しかし、両社とも5月22日の4次回答で前進回答は無く、組合は5月24日、9時から12時、13時から17時36分のあいだに設定した5つの時間から組合員が時間を選択して参加する形で、出社・在宅にてストライキを決行。さらに昼休みには両社の箱崎本社前で宣伝行動(写真上)を実施し、両社の大幅賃上げをさらにプッシュました。

物価高騰いまだ収束せず

 今年4月現在、左表の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は20ヶ月連続のプラスとなり、上昇率(対前年同月)は昨年4月以降が毎月2%以上、昨年9月以降が毎月3%以上という高水準が続いています。一見、今年2月以降は、政府による電気・ガス料金の抑制策により、昨年12月、今年1月の4%以上よりは低下しましたが、物価高騰はいまだに収束していません。
 そこで組合は5次ストを構えて、引き続き日本IBM、キンドリルジャパン両社に上記の内容を要求し、キンドリルジャパンの7月1日付賃上げの水準を踏まえた対応を実施することを計画しています。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、今からでも遅くありません。ぜひ、あなたも組合に加入してストライキ、賃上げ交渉に参加しましょう。組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。必要事項を記入し組合メールアドレスに送付して下さい。

夏ボーナス一次回答出る

バンド7以下(一般職)推定昨年上回る
 日本IBM 平均92万6千円
 キンドリルジャパン平均90万円

 6月9日は夏ボーナスの支給日です。日本IBM、キンドリルジャパンから組合に一次回答が出ましたので、下表の全社推計をお知らせします。

昨年よりアップも不十分

 日本IBM本体のバンド7以下(一般職)の全社推定平均支給額は92万6千円、昨年より5万7千円のアップ、月数では2.06ヶ月でした。5月1日付の賃上げを反映しています。
 一方、キンドリルジャパン本体のバンド7以下(一般職)の全社推定平均支給額は90万円、昨年より5万円のアップ、月数では2.05ヶ月でした。7月1日付の賃上げは6月のボーナスには反映されません。
 両社とも年額換算のボーナスは昨年より10万円程度のアップですが、この10万円程度という金額は多くの従業員にとって年収の1%台に過ぎず、現在も続く物価高騰を補うにはまだまだ不十分な水準です。

ボーナスの計算方法

 両社では下図の通り、従業員の年収相当額をリファレンス・サラリー(以下、RS)と呼び、RSの計算式は「本給×12カ月+賞与基準額」となっています。
 そして、このRSを元に、固定部分と変動部分から成る賞与支給額が計算されます。固定部分の計算式は「賞与基準額?RS×6%」、前年度の業績が反映される変動部分の計算式は「RS×6%×会社業績達成度×個人業績率」となっています。
 したがって、実際の年収額がRSと同額になるには、会社業績達成度、個人業績率ともに100%でなければなりませんが、会社業績達成度が100%になることはまずないので、実際の年収額はRSより低いのが通常です。つまりRSは満額受け取ることのできない計算上の金額なのです。

ボーナス減のからくり

 以上の計算式を見るとわかるように、会社業績達成度が下がれば、賞与支給額が下がる仕組みになっています。
 例えば、RSを1000万円(RSの6%は60万円)、個人業績率を100%と仮定したケースでは、会社業績達成度「45」の2017年支払時には、賞与支給額の変動部分は27万円となり、RSの6%との差額33万円はもらえません。
 さらに、個人業績率というもう一つの業績値があり、賞与支給額の変動部分の計算式では会社業績達成度と個人業績率を掛け合わせていますので、どちらかの業績値がゼロ%になると、賞与支給額の変動部分はゼロ円になります。
 このように会社業績達成度と個人業績率が賞与支給額にいかに大きく影響しているかがおわかりいただけたと思います。

会社は会社業績達成度の判断基準を開示せよ

 会社業績達成度は賞与支給額に大きく影響し、また下表のように毎年変動しますので、会社業績達成度の判断基準は検証を要します。
 日本IBMでは2016年度には税引前利益が前年の2倍以上である1996億円もあったにもかかわらず、会社業績達成度「45」という発表に大きな疑念が生じました。
 この時、団体交渉で組合が会社業績達成度の判断基準をただしたのに対し、会社は、会社業績達成度の基準はUS?GAAPに基づく決算資料であると説明しましたが、その資料を労使協議で未だに開示しません。一方で、会社は都労委では「必ずUS?GAAPが判断の要素になるということではない」と違う主張を始め資料開示を免れようとしています。
 会社は会社業績達成度の判断基準を開示すべきです。

日本IBMでリストラ

リストラ
 新手法にもご注意を
 今すぐ組合に加入しよう

 日本IBMでリストラが進行中であることは、かいなで報じましたが、今回は既報の内容を含め、これまでに組合に集まっている情報を元に、日本IBMでのリストラについてまとめます。

リストラの開始時期と発表

 組合に寄せられている情報によると、日本IBMで今年2月頃から退職勧奨が行われています。より早いケースでは昨年12月下旬や1月にも退職勧奨が行われています。
 一方、これとほぼ同期して、米IBMが2022年第4四半期の決算発表と同日の1月25日、従業員の1.5%にあたる約3900人の人員を削減する方針を明らかにしており、今回のリストラはこのグローバルの人員削減の一環と見られます。

今回のリストラの特徴

 今回のリストラには新手法を含め、次の特徴があることにご注意下さい▼①退職勧奨を断っても再度行われるケースが少なく、退職勧奨の様態が比較的軽度である▼②目標未達になると次にPIPに進むLPIC(LowPerformance Identification Conversation)の実施をラインから提示された従業員がいる(下記チャート参照)▼③営業成績によって現在よりも賞与、年収が減る可能性があるオンコミッション(営業報酬)制度を適用していない部門に適用しようとする動きがある。さらに適用対象者にレベニューのような営業目標を持たない非営業職も含まれていることも不適切である。
 つまり、①のように退職勧奨の様態が軽度でも、将来、重度の退職勧奨にあうかもしれず、また②、③のような退職勧奨以外の新手法のリストラもありますので、安心は禁物です。
 次に、将来の大規模リストラに発展するであろう、従業員のAI(人工知能)への置き換えについてお知らせします。

AIで代替可能な職種のAIへの置き換え

 5月2日のFоrbesの記事に、IBMのアービンド・クリシュナCEOがブルームバーグのインタビューに対して述べた、次の内容が掲載されました。
・IBMはAIで代替できそうな職種の採用を打ち切る方針だ。
・IBMで現在、人事など非顧客対応の職種についている2万6千人ほどのうち、約3割(7800人)は5年のうちにAIに置き換えることができそうだ。
 はたして従業員のAIへの置き換えは非顧客対応の職種にとどまるものでしょうか。いえ、将来その範囲がサービス・デリバリー部門に拡大することがあっても、けしておかしくはありません。

組合に加入しよう

 リストラを含む組合員の労働条件や処遇については、労使協定に従い、会社は組合と団体交渉で協議しなければなりません。①~③のリストラにあわれた方、AIへの置き換えを言われた方、またそうでない方も、今すぐ組合に加入しましょう。

4月12日3次スト決行

4次回答
 日本IBMは賃上げ額を上積みせよ
 両社は全従業員の賃上げデータを回答せよ

 今23春闘は、3月23日の2次ストの前後に、日本IBMは賃上げ日が5月1日となる可能性が出てきた上に、キンドリルジャパンは賃上げ日が7月1日となったことを受け、組合は4月12日に午前半日の3次ストを構えて、3次回答指定日を4月11日として両社に賃上げの有額回答を要求しました。
 しかし、両社とも4月11日の3次回答で賃上げの有額回答は無く、組合は翌12日、両社の箱崎本社前で午前8時45分から宣伝行動を実施し、9時から3時間のストライキを決行。9時から9時30分までは箱崎本社前でスト行動(写真上)を実施しました。同時に在宅勤務の組合員も午前9時からの3時間、全ての業務を停止しメールも見ない在宅ストを決行しました。
 この3次ストを決行した組合の強い要求によって、4月27日、日本IBMは5月1日付賃上げの実施を発表しました。

推定平均賃上げ率1.0%

 今年3月現在、下表の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除く総合指数が、19ヶ月連続のプラスとな り、昨年9月以降の上昇率(対前年同月)は毎月3.0%以上、最高で4.2%に達しました。
 しかし、前号の通り、今23春闘では、JMITU主要企業(上位15社)の賃上げ回答は昨年を上回る高水準な成果を上げており、賃上げ率回答の分布は5%以上5社、4%台6社、3%台後半3社、2%台後半1社となっています。

 一方、日本IBMの5月1日付賃上げの全従業員平均賃上げ率は回答が未だになく分かりませんが、組合による推定平均賃上げ率はわずか1.0%で、消費者物価指数の上昇率をはるかに下回り、昨年5月1日付推定平均賃上げ率の1.5%と合わせても及ばず実質賃下げです。 そこで組合は4次ストを構えて会社に以下を要求します▼日本IBMは、組合が求めている物価高騰を考慮した、加えて年齢別本給下限額を踏まえた、組合員個別の賃上げ額の上積みを行うこと▼両社の昨年9月の賃上げ無視で賃上げが1回分足りない状況(2020年から22年の3年間に2回)を解消するため、日本IBMは、就業規則通り今年9月に賃上げを行うこと、キンドリルジャパンは、7月と今年中にもう1回賃上げを行うこと▼両社は、集団的労使交渉に必要な情報として全従業員の賃上げデータ(平均賃上げ額、平均賃上げ率など)を回答すること。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、今からでも遅くありません。ぜひ、あなたも組合に加入してストライキ、賃上げ交渉に参加しましょう。組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。必要事項を記入し組合メールアドレスに送付して下さい。

テクノロジーと労働Barboraさん来日講演

 ~AI・アルゴリズムにどう立ち向かう~

 4月15日、日本労働弁護団と法政大学大学院フェアレイバー研究所が主催し、ILAWのテクノロジーと労働プロジェクトの主任研究員であるBarbora Cernusakovaさん講演会が法政大学(東京・市ヶ谷キャンパス)において開催されました。同講演のテーマは「テクノロジーと労働~AI・アルゴリズムにどう立ち向かう~」です。

AIへの問題意識が拡大

 Barboraさんの講演は、企業がAIやアルゴリズム(以下AI)を活用して、労働力の管理や人事評価、生産性の監視を行なっていることが問題になっているという問題提起で始まりました 。
 そして以下の具体的な問題点を挙げ、もともと不平等な労使関係をさらに悪化させる恐れがあると警鐘を鳴らしました。・AIによる労働条件の決定は、仕組みや判断の過程が労働者には不透明であり、どのような情報が収集され管理・利用されているかも労働者には明らかではないこと。・AIが労働現場で使われることで、労働者側の交渉力が弱まるだけでなく、個人情報をコントロールする権利が脅かされかねないこと。
 まさしくこのことは、日本IBMで起きている事案と類似しています。

労働者保護が進むヨーロッパ

 Barboraさんから、ヨーロッパの労働現場におけるAI管理に関する現状や取り組み、裁判判例が紹介され、労働者の保護がかなり進んでいることが理解できました 。
 例えばスペインではライダー法( 64条)が施行され、使用者が自動化された意思決定システムを利用した場合、システム管理者は労働者とその組合に対して、以下を含む相当な情報を提供しなければならないとしています。
・プログラム開発者とシステム導入者の名前
・システムの内容とその目的
・システムで用いられるトレーニングデータと変数の具体的情報

日本でも労働者保護を

 Barboraさんは、日本において、使用者によるデータの取得・利用、AIによる自動決定、労働条件の透明性確保、データへの労働者や労働組合のアクセス権などにもっと注目し、労働者の立場を改善するための行動が必要であると提唱されました。

来日の目的

 Barboraさんは、G7広島サミットに合わせて開催されているCivil Society7(C7)の会議に参加するために来日されました。公正な経済への移行ワーキンググループによる分科会では、Barboraさんが登壇し、AIによる労務管理の中で、労働者と消費者の権利を確保するための方策について議論がなされました。

日本IBMのAI不当労働行為事件を聴取

 JMITU日本アイビーエム支部が東京都労働委員会に申立を行った「AI不当労働行為事件」について、Barboraさんが強い関心を寄せ、組合の担当弁護士と組合を交え事件の詳細について聞き取りを行いました。今後この事件について、ヨーロッパ諸国に広められることが予想されます。

両社とも大幅賃上げをせよ 不当回答なら4月12日半日スト

3次回答

 JMITUの23春闘の情勢は、左表の4月6日時点の主要企業(上位15社)の賃上げ回答で見ると、昨年を上回る高水準な成果を上げています。
 一方、日本IBM、キンドリルジャパンは前号の通り、両社とも3月22日の2次回答で賃上げの有額回答が無く、組合は翌23日に午後半日の2次ストを決行しました。しかし、賃上げの実施時期については、日本IBMは5月1日の可能性が出てきており、キンドリルジャパンは7月1日となりました。
 そこで組合は両社の大幅賃上げをさらにプッシュすべく、3次回答指定日を4月11日として両社に賃上げの有額回答を要求しました。3次回答が不当回答の場合は、組合は4月12日に午前半日の3次ストを実施します。
 従業員の皆さん、ぜひ、あなたも組合に加入してストライキや賃上げ交渉に参加しましょう。

 

 

日本IBMでリストラ  今すぐ組合に加入しよう

 リストラ 

 組合に寄せられている情報によると、かいな2422号1面の通り、日本IBMで今年2月頃から退職勧奨が行われています。より早いケースでは昨年12月下旬や1月にも退職勧奨が行われています。一方、これとほぼ同期して、米IBMが1月25日、従業員の1.5%にあたる約3900人の人員を削減する方針を明らかにしており、今回のリストラはこのグローバルの人員削減の一環と見られます。
 今回のリストラには次の特徴があることにご注意下さい▼①退職勧奨を断っても再度行われるケースが少なく、退職勧奨の様態が比較的軽度である▼②目標未達になると次にPIPに進むLPIC(Low Performance Identification Conversation)の実施をラインから提示された従業員がいる▼③営業成績によって現在よりも賞与、年収が減る可能性があるオンコミッション(営業報酬)制度を適用していない部門に適用しようとする動きがある。
 つまり、①のように退職勧奨の様態が軽度でも、将来、重度の退職勧奨にあうかもしれず、②、③のような退職勧奨以外のリストラもありますので、安心は禁物です。
 リストラを含む組合員の労働条件や処遇については、労使協定に従い会社は組合と団体交渉で協議しなければなりません。①~③のリストラに今回あわれた方も、そうでない方も、今すぐ組合に加入しましょう。

メーデーの起源と日本での歴史

 毎年5月1日に開催されている、労働者を中心に全世界の勤労市民が、デモンストレーションによって団結の力と国際連帯の意思を示す大統一行動。これがメーデーです。

8時間労働制をもとめて

 メーデーは、8時間労働制をもとめるたたかいのなかから生まれました。カール・マルクスの指導により、1864年9月に労働者の国際組織として創設された国際労働者協会(第1インターナショナル)は、1866年の大会討議を経て8時間労働制獲得の方針を確立します。アメリカでは、1860年代後半から8時間労働をもとめる運動が本格化します。
 1886年5月1日、シカゴを中心にアメリカ全土で34万人の労働者が8時間労働をもとめて決起したのがメーデーの起源とされています。「働くのは8時間、休むのが8時間、あとは自由な8時間」という「8時間ソング」を歌いながらデモをして、約20万人の労働者が8時間労働協約を勝ち取りました。
 獲得できなかった労働者たちは運動を継続。しかし激しい弾圧を受け、8時間労働協約は次つぎと破棄されてしまいます。
 アメリカ労働総同盟(AFL)は態勢を立て直し、1888年、8時間労働制の実現にむけて1890年5月1日にゼネラルストライキ(企業の枠を超えた全国・全産業規模のスト)などの共同行動にとりくむことを呼びかけます。これに応え、翌1889年、フランス革命100周年となる7月14日、パリに集まった世界の社会主義者たちは、フリードリヒ・エンゲルスの指導によりひらかれた国際労働者協会(第2インターナショナル)の結成総会において1890年5月1日を8時間労働制のための国際的な統一行動日ときめました。これによりメーデーは世界中にひろがります。

反戦平和をかかげて

 現在のメーデーでは、反戦平和がかかげられることもあります。たとえば、2018年韓国メーデーでは、民主労総(全国民主労働組合総連盟)のキム・ミョンハン委員長が、「朝鮮半島の軍事的緊張が緩和し、恒久的な平和体制が構築されれば、(南北の)労働者の希望になる」とあいさつ。この直前には、朝鮮戦争終結にむけて努力することを宣言した南北朝鮮首脳会議がひらかれています 。
 平和と労働者の生活を結びつけるのは、第1次世界大戦への反省から創設されたILO(国際労働機関)憲章の前文でも示された、20世紀をつうじて確立している国際社会における重要な見地です。ロシアのウクライナ侵略が1年以上も継続するもと、こうしたこともふまえてメーデーの準備をすることが大切です。

日本でのとりくみと全労連

 1920年5月2日、東京・上野公園に1万人が結集して、日本ではじめてのメーデー屋外集会が開催されました。(それ以前には社会主義者たちによる小集会が2回ほどありました)。1日ではなく2日に開催されているのは、この日が日曜日だったためです(日本では週休2日制が定着するのは1990年代ごろ)。翌年からは5月1日に開催されますが、1936年以降は弾圧により、第2次世界大戦の終結まで開催できませんでした。
 戦後、占領下の1945年12月、日本国憲法の制定に先駆けて労働組合法が公布され、労働組合運動が復活し、翌1946年5月1日メーデーも11年ぶりに再開。未曽有の戦争・原爆体験を背景に、労働組合も積極的の反戦平和の課題にとりくむようになるなか、メーデーもそのことが反映していきます。そして、2020年には100周年を迎えました。
 もう1つ、特筆すべきことがあります。1989年の第60回メーデーにおいて、労働運動の右翼的再編がすすみ、メーデーに変質・分断攻撃がもち込まれます。この行動に反対する労働組合や民主団体などが「第60回メーデー実行委員会」を結成。「たたかうメーデー」を継承し、右翼的潮流に与しない独自のナショナルセンター結成への確固たる決意が示すメーデーを開催しました。「たたかうナショナルセンター」である全国労働組合総連合(全労連)は、こうした歴史的背景もふまえて結成されたのです。
 大軍拡よりも暮らし優先。コロナ対策を前提に「たたかうメーデー」を継続させ、「市民と野党の共闘」の立て直しにもつなげていきたいものです。

3月23日2次スト決行 両社動き遅く有額回答なし

3次回答
両社とも有額回答せよ
不当回答なら4月12日半日スト

 23春闘は、3月9日に1次ストを決行した組合の強い要求によって、賃上げ日が徐々に見えてくる情勢になりました。
 組合が1次ストの後、日本IBM、キンドリルジャパン両社との団体交渉で23春闘要求への1次回答(3月8日回答)について協議した結果、日本IBMは3月16日の団体交渉で、賃上げ日を5月1日を含め検討中であると回答しました。またキンドリルジャパンは3月9日の1次スト後の午後に発表した4月1日付就業規則一部改定案で、給与調整の期日を9月1日から7月1日に改定する案を示し、3月15日の団体交渉で今回の就業規則一部改定案が発効すれば賃上げ日が7月1日になると回答しました。
 このように賃上げ日は徐々に見えてきましたが、両社ともに動きが遅いため、組合は前述の団体交渉で、2次回答指定日を3月22日とし翌23日に午後半日のストを構えて、両社に賃上げの有額回答を要求しました。
 しかし、両社とも3月22日の2次回答での有額回答は無く、組合は翌23日、朝からの雨を突いて、両社の箱崎本社前で午後12時30 分から1時までスト宣伝行動(写真上)を実施。続いて1時から5時36分まで午後半日のスト(2次スト)を決行しました。同時に在宅勤務の組合員も午後1時以降、全ての業務を停止しメールも見ない在宅ストを決行しました。
 スト宣伝行動では、組合は、賃上げの有額回答をせず従業員の生活を軽視している両社の姿勢に抗議し、有額回答をさらにプッシュしました。また日本IBMが有額回答をしない一方で退職勧奨を行っていることにも抗議しました。
 組合は両社に3次回答として賃上げの有額回答を要求します。3次回答が不当回答の場合は、組合は4月12日に午前半日のストを実施します。

組合に加入しよう

 従業員の皆さん、今からでも遅くありません。ぜひ、あなたも組合に加入してストや賃上げ交渉に参加しましょう。組合加入申込書は、組合ホームページ「当支部の紹介」の「組合加入申込書」からPDFでダウンロードできます。必要事項を記入し組合メールアドレスに送付して下さい。

日本IBM・キンドリルジャパン グループに頼れる労働組合あり

 

 4月1日付で入社された新入社員の皆さん、そして中途入社の皆さん、この世界的に厳しい経済情勢を乗り越えての入社おめでとうございます。
しかし、入社の喜びの一方で、会社分割された日本IBMとキンドリルジャパンはこの先大丈夫なのか、外資系の両社はブラック企業なのではないか、職場でひどい目に会わないか、と不安の人もいらっしゃることでしょう 。
 でも安心してください。日本IBMグループとキンドリルジャパングループには、頼れる労働組合があります。それが当労働組合「JMITU日本IBM支部」です。まずは両社の労務政策の特徴と、それに対する当労働組合の対応を紹介します。

両社の労務政策の特徴

 両社の労務政策の特徴は「ラインによる人事管理」です。これは、昇給額や人事異動など、普通は人事部門が決めることをすべて皆さんの上司であるラインマネジャーが決定する人事管理です。
 つまり会社から強大な権限を与えられたラインが配下の個々の従業員を「会社対個人」の関係で支配することがこの会社の労務政策の根幹をなしています。

パワハラ4点セット

 この、あなたの評価・待遇をすべて握っているとも言えるラインとりわけ所属長の圧倒的な権限が、ラインのパワハラ体質を生み、職場はパワハラの温床になります。事実、会社分割前の日本IBMでは「パワハラ4点セット」が猛威をふるったことがあります。
①リストラのターゲットになった従業員に対して人事考課権限を濫用し、恣意的な低評価をつける「パワハラ低評価」▼②低評価をつけた従業員の賃金を下げる口実をつくるために行う「改善指導」(Performance Improvement Program)という名の「パワハラPIP」▼③会社から追い出す目的で賃金を下げる「パワハラ賃下げ」▼④賃下げされても会社を辞めないでがんばっていると待っている「パワハラ降格」。
 また、会社分割で発足したキンドリルジャパンは日本IBMの人事・給与制度を受け継いでいます。したがって、パワハラ4点セットは両社でいつまた走り出すかわからず、常に警戒を要します。
 皆さんも働きだしてみれば、所属長との関係をどう良好に保つかに異常なほど腐心しながら働く従業員がいることが分かってくるでしょう。それこそが、パワハラ体質の証明と言えるものです。

日本の労働法の考え方

 外資系企業も、日本という国で事業をしている以上、日本の法律は守らなければなりません。特に大事なのが、会社と従業員との関係を規定している「労働法」です。
 日本では労働三権(労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権)を保証する日本国憲法第28条の下に、労働組合法、労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法があります。このように最上位の憲法で労働者の団結権が認められていることから、日本の労働法は「会社対労働組合」、すなわち集団的労使関係という考え方が基本になっています。
 ところが、両社の「ラインによる人事管理」という労務政策は会社対個人に押し込めるものですから、日本の労働法に真っ向から挑んでいるということが言えます。

当労働組合のメリット

 パワハラ体質の職場で我慢して働かなくても良くなる方法が、当労働組合に入ることです。
 当労働組合は「オープンショップ」、つまり、「入りたい」と思う人が入る制度を取っています。この点が全員自動加入の一般の大企業の労働組合とは異なり、団結力が格段に強いことが特徴です。
 この団結力と労働三権の力で、ラインによる人事管理の壁を乗り越え、「会社対個人」の関係から「会社対労働組合」の関係に持ってゆくことができ、パワハラの恐怖から解放されるのです。
 個の管理によって従業員一人一人が孤立する傾向がある中でも、当労働組合には皆でオープンに話し合うことができるコミュニティがあります。
 また、当労働組合に入るとお得な保険である「全労連共済」に加入することができます。若い時から入ればさらにお得です。その上、当労働組合の組合員であれば「ろうきん」から有利な金利で住宅ローン等の借り入れをすることができます。
 いかがでしょうか。この両社で当労働組合に入らない理由は無いのではないでしょうか。

今後のアドバイス

 心身ともに健康を保つことを心がけてください。もし心折れそうだと感じたときは、左表の「なんでも相談窓口」に連絡してください。

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