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相談窓口

レノボジャパンで開発エンジニアに解雇通知
『あなたが悪いんじゃない、会社が悪い』
と身重の妻

 レノボ・ジャパンは、2005年にPC部門が会社分割され設立されました。その会社で、10月13日、Aさんに対し言いがかりとしか思えない就業規則を適用し解雇通知を行いました。これは、解雇4要件を満たしておらず、上司が散々嫌がらせを繰り返した上で、解雇を言い渡すという、前代未聞の事件となっています。

解雇のショックで流産の危険性

 Aさんの奥様のお腹には、12月に出産予定の初めてのお子様がおられ、解雇のショックで流産の危険性があります。会社のこのような対応に、社員から多くの怒りの声があがっています。
 Aさんは、東京工業大学工学部卒業のThinkPad開発エンジニアです。日本IBМに入社し、2005年のPC部門の会社分割によりレノボジャパンに移籍しました。そして今年2月、開発費15%の削減を名目に、大規模に実施されたリストラで退職を拒否しました。すると、3月から全ての開発の仕事を取り上げ、4月から専門外の翻訳をやるように言い渡されました。何もトレーニングがないまま、週3回という異常な頻度で翻訳の進捗をトラッキングされ、Aさんは「バージョンが古い2000年のPMP(10章分・350ページ)」「サンプル問題(800件と解説)」「論文40件」も翻訳しました。それにも関わらず、課題を増やしては「遅れ」を週3回責められました。更に問題はその成果物をレノボ社内で、どのように有効活用していくのか、全く説明もアクションもありません。

2ndライン3度も脅迫

  2ndラインは「品質が悪い」と言って、その後修正を求めていないことからも嫌がらせアサインであることは明白です。 2ndは、8月と9月の面談で3度の脅迫をしました。「継続的にパフォーマンスを改善できない場合には解雇できるという就業規則があるのは読んだことありますか?読んでおいてくれる?」 他にも、奥さんの体調が悪いため、定時で帰宅すると、定時で帰宅する理由を説明させ、それを責めるというとんでもないいじめです。
 今回の2ndの責任は、嫌がらせ行為のみではありません。お子様の命を奪おうとしています。
 奥様は待ちに待った、初めてのお子様を授かっています。そのため、Aさんは奥様に解雇通知の件を話すことをためらいましたが,苦渋の選択で話されました。 「ショックを受けて体調を崩してしまわないか、というのが一番の心配でした。流産しやすい体質なので、ショックで早産になってしまわないか、夜、不安になって睡眠障害になってしまわないか。以前、心の病気になりかけて会社を退社したので、心が持つかどうかが今も心配です」。
 そして奥さんの反応です。「あなたが悪いんじゃないよ、会社が悪いんだからね」と言ってくれたのがとてもうれしく感じました。そして「一緒にがんばろう」と最後に言ってくれました。

解雇権の濫用許さず

 この事件は、解雇権の濫用そのものです。そして組合の弱体化を狙った会社の攻撃です。速やかに解雇通知を「撤回」することを要求します。
 そして、私たち組合は、レノボ・ジャパンと日本アイ・ビー・エムに対し「全面闘争状態」に入ったことを宣告します。このことを広く社会に知っていただくため、今後、本社前、駅頭でも抗議行動を行い、マスメディアを含めた大きな活動にします。

ブルームバーグでの解雇を絶対に許さない_業績改善プログラムを外資系企業が活用

 ブルームバーグは、経済・金融情報の配信、通信社・放送事業を手がけるアメリカの総合情報サービス会社です。この会社でも、PIP(成績改善計画=パフォーマンス・インプルーブメント・プラン)と呼ばれる日本IBMで行われているPIP(業績改善プログラム)と同様のプログラムが行われており、2人の解雇者がでています。

日本IBMと同様の手口

 日本IBMで、2000年初めから実施されていた業績改善プログラム(PIP)が、今、外資系企業で活用され始めました。
 トムソン・ロイターでは、PIPの名の下に会社の上司や人事部の者が複数で一人に対して面談を繰り返し、およそジャーナリズムにそぐわぬ数値目標を与えて、期間内の達成を迫り、目標が達成できない場合は解雇もありうるとして、圧迫面接を繰り返しています。
 同業のブルームバーグでも同じようにPIPが行われています。ブルームバーグでは、アクション・プランと呼ばれることもありますが、ロイターで行われているPIPと同じく、狙った社員に対して退職を強要し精神的に追い込みます。

強引にIDカードをとりあげ解雇

 ブルームバーグの社員2人は、3回にわたるPIPのあと、成績が改善されないとして自主退職を迫られました。
 会社から、自主退職を願い出る書類にサインを強要され、拒否すると、強引にIDカードを取り上げられ自宅待機を命じられ、その後、2人を解雇しました。
 日本IBMにおいても、1回のPIP実施後「解雇する」と言われたと組合に相談が寄せられています。
 組合は「PIPは業績を改善する目的ではなく、社員を退職に追い込むためのツールである」と以前から主張しています。
 これは、他社での状況をみても明らかです。もはや、まったなしの状態です。

シンポジウム開催へ

 ブルームバーグでの解雇事件を受け、組合が以前から警鐘していたように、PIPは「新型解雇」のツールとしての位置づけへ進化しています。
 そこで、PIPの現状報告と情報交換を行うため、新聞労連とJМIUの共同主催で、PIPのシンポジュームを開催します。新聞労連は、日本の新聞・通信社で働く8割の労働者が加入するメディア最大の産業別労働組合です。更に、学者や弁護士も参加するシンポジュームになる予定です。

外資系企業で働く仲間として連帯

 今後、ブルームバーグは、日本のマスコミ労働者と全面対決の覚悟が必要となるでしょう。また、今回の解雇事件には放送、印刷、出版、映画演劇業界の労働者も強い関心を寄せています。さらに、あらゆるマスコミ業界労組の連携組織である日本マスコミ文化情報労組会議(МIC)もブルームバーグへの抗議行動に参加しています。そして、私たち組合もこのような常識はずれの労務政策を決して許しません。外資系企業で働く仲間として連帯して闘います。
 従業員のみなさん、会社からPIPが実施されていたら、退職のレールに乗っています。組合にご相談下さい。

『減給』は労働契約法に著しく違反

  会社は就業規則を変更し、今年から自由に社員の給与をカットできるようにし、年俸制ではないバンド7以下の社員に対しても7月給与調整で給与の5%減額を強行しました。
 この「減給」処分は法的にはどんな扱いになるのでしょうか。
 

▼労働基準法第91条 制裁規定の制限

 一つの考え方は、当該社員に対する「制裁」である、というものです。
 ところが、就業規則における制裁規定は、労働基準法第91条の制約を受けます。
 「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」
 そして、就業規則には既に第10章表彰および懲戒に以下のように規定されています。
 「減給 始末書を提出させ、減給する。ただし、1回の減給額が、平均賃金の1日分の半額を超え、また懲戒該当行為が数事案発生しても減給合計額が一給与計算期間の給与総額の10分の1を超えることはない。」
 これは、労働基準法第91条に沿うことを意図したものだと言えそうです。
 ところが、「制裁」にあたるのか疑問ををコンフィデンシャリースピーキングに投じたところ、コーディネーターは受理を拒否してきました。

▼就業規則の不利益変更制限

 もう一つの考え方は、就業規則の変更による「労働条件の変更」(不利益変更)である、というものです。
●就業規則の変更(労働契約法10条)
(1)就業規則を変更することによって、労働条件を変更することもできる。
  この場合、

変更後の就業規則を労働者に周知させること。

変更した就業規則の内容が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更にかかる事情に照らして合理的であることの要件を満たすことが必要である。

 IBMの就業規則変更は労働契約法10条に照らして適法と言えるでしょうか。条文の「イ」に照らして見てみましょう。

今年度の減給実施額が年収のほぼ5%と非常に大きい(労働者の受ける不利益の程度)、

会社は大幅な利益を出しており、経営状態は客観的に良好である(労働条件の変更の必要性)、

日本の労働慣行に著しく反している(変更後の就業規則の内容の相当性)、

労働組合が一貫して大反対している(労働組合等との交渉の状況)

 以上の条件から、日本IBMの就業規則不利益変更は、労働契約法10条に著しく反していると言わざるを得ません。

▼減給処分を受けた方は不服申し立てを

 会社から一方的に労働条件の不利益変更をされても、「労働者の合意」があれば違法ではなくなってしまいます。
 減給処分を受けた人は、合意していないことを証拠に残すために、不服申し立てを文書に残る形で行うことをお勧めします。

9.29 田町駅頭宣伝行動

 9月29日の就業後、JR田町駅前にて「退職強要・人権侵害裁判」の支援を訴える街頭宣伝活動を行いました。
田町駅での宣伝行動は初めてです。支部組合員と支援者25名がマイク宣伝とビラの配布を行いました。日本IBMのリストラ対する感心は強く、準備した500枚のビラは、たった30分でなくなりました。

ビラを配布していると「元日本IBMの社員です」と20才代と思われる男性から声をかけられました。この男性は、今年、ソフトウェア事業のPLM事業部が会社分割法により売却された時、他社に移籍した社員でした。田町はその部門があったところです。
毎回、多くの方に声をかけられ、そして励まされ本当に嬉しい限りです。

神奈川・大和事業所から撤退か 
将来展望を打ち出せず

入居者減少に伴うカフェテリアの縮小

 大和事業所では9月6日よりC館2階と3階で営業していたカフェテリアが2階のみとなりました。その影響で、混み合うようになり、且つメニューも減りました。 実施の1週間前に総務から、「ここ数年で大和事業所は、開設当初と比較しますと入居部門の移転に伴う入居者数の減少・社員の勤務形態の変更等もあり、カフェテリア利用者の減少がみられます。
」との内容を含むお知らせがありました。
 これを大和事業所の勤務の多くの従業員は「大和事業所からの撤退が決まったのでは」という意味でとらえたと思います。

大和事業所から、別会社の移転が始まる

 2005年に会社分割されたレノボ・ジャパンの開発部門が年内に横浜市のみなとみらい21へ移転、そして、2007年に会社分割されたインフォプリント・ソリューションズ・ジャパンの開発部門が来年初めに東京への移転を予定しています。大和事業所では、この空きスペースの利用方針が打ち出されないため、大和事業所の賃貸契約を終了し、ここ1~2年で閉鎖されるのではないかと囁かれています。

従業員に大和の事業所の将来計画を説明せよ

 会社に要求したいのは、情報公開を行えということです。会社分割された2社は、早くに大和からの撤退説明を従業員に対し行い、影響を最小限にする努力をしています。それが会社の従業員に対する配慮です。
 住居の引越しを伴う移動が発生したり、単身赴任者がでたり、そして子供の進学先にも影響が出るような移転計画は、十分な時間を設ける必要があり、私たち組合は、早期の情報開示を求めます

セーフティネットも廃止 
最低保障給を下回る給与制度

9月15日、組合が新体制となって2回目の中央団交を会社とおこないました。団交は、IBM組合(以下「組」)及び組合の上部組織(略称JMIU)以下「上」)並びに会社人事労務(以下「会」)との間で行いましたので概要を報告します。

お客様先常駐プロジェクトの安全衛生について

組合 安全衛生に関して先月のプロジェクト常駐先ホテルでの上谷組合員の死亡事故も起きており、会社としての管理はどう考えているのか。
会社 会社のビジネス形態も変化しており、安全衛生に対する懸念については会社も理解している。
 あるプロジェクトでは異常な労働環境であり、AEDの設置を要求したがIBMが管理するビル以外にAEDは設置できないと言われ設置できなかった。
 調べてみる。
 会社の障害者の雇用者数と雇用率を照会した処、開示の必要性なしと回答された。
 組合が必要な意図が分からない。
 組合は雇用環境全般について問題がないか関心を持っている。それだけで十分だ。しかるべきプロセスを通せば開示される情報を公開しないのは不誠実である。^
 持ち帰って検討する。

定年延長制について

 65才の定年延長を真剣に考えて欲しい。
上部 JMIUの産業別労働組合としての最重要課題であり、JMIU中央統一行動として厚労省に要請する。企業としても対応していただきたい。
 要求に対して後日回答する。

賃上げ交渉に関して

 現在の新入社員の給与は毎年1.5%ずつ昇給しても37才で最低保障給を下回る。今回の昇給率が1.1%であり、15年後は多くの社員が影響を受ける。最低保障給の撤廃は納得できない。
 世の中の賃金水準動向についていこうという給与制度であるから問題ないと考える。
 賃金水準を維持できるのは一部の人だけだ。PBC2でも昇給せず賃金格差がある。PBC2以下の人も会社に貢献しており救済されるべきである。
 将来的にMBAを全く行わないという事ではない。処遇は業界水準を見ながら考慮している。年齢により左右されるべきではない。
 年齢(年齢別昇給)と最低保障給とは話が異なり、混同している。
セーフティネットとしての最低保障給のない企業は社会的責任を果たさず、社員を使い捨ての道具と考えている。
 一度廃止したから変えないのではなく制度として検討したい。

幕張の管理の新組織について

 組合員3人が異動対象となっている。管理部門の新組織について説明を求める。
 管理部門の諸業務を集中的に管理し効率化を図るためである。
 要員の人選は低評価を受けた人や休職等していた人ばかりであり、マネージャーも経理の知識・経験がない。会社の意図は、隔離・切り離しである。多くの部門で同様の組織(COE=Center Of Excellence )が作られている。
 新組織の情報はつかめないが、STH、GBSやGTSのオペレーションは、COEであると理解する。
 COEを別会社として切り離す意図はないか。
 HOURS、IGASの例があり全くないとはいえない。
 後日文書で質問する。

分会団交(組合と事業所長との交渉)について

 2008年リストラ以降、会社は分会団交であつかう議題をできるだけ狭めようとしているが40年もの間おこなって
きたことを一方的に反故にするのは問題だ。
 分会との場を持つことは継続するつもりだ。施設など事業所のことはあつかう。
 事業所長は労働安全衛生について法的に責任がある。にもかかわらず事業所長に対する安全衛生にかかわる組合の申入れについても労務から回答が来るのはおかしい。まず事業所長の職掌について明示することを要求する。

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 今回の団交は比較的静かに終わりましたが見えてくるものがありました。
 社員が過労死するまで管理せずに働かせる利益一辺倒の姿勢、労働に対して賃上げで報いることなく社員の生活の維持など全く顧慮しない会社の態度、特に普通に働いても最低保障給を下回る給与制度を見れば会社は長期的な視点で経営を考えているとは思えません。
 短期的に社員から絞るだけ絞って、報いることをしない姿勢は、中国やインドから高利益を得られるので、もう日本の役割は終わったから日本での企業経営を縮小・撤退しようというコーポレーションの意図を感じます。
 ただIBMとして企業経営の縮小は世界的なことであり、短視眼的に会社の株価上昇のみを志向する経営は、ストックオプションがらみで引退も間近な会長の私利私欲の追及と連動しているものと思われます。

8.27五反田駅頭宣伝行動

 8月27日の就業後、五反田駅にて「退職強要・人権侵害裁判」の街頭宣伝活動を行いました。異常な暑さが続く中、週末を迎えやっと一息ついているサラリーマンの方が多い中「日本IBMのリストラ裁判に関するビラをお配りしています」といいながら、ビラを配布すると多くの方が関心を持ってビラを受取ってくれ、準備した500枚のビラはすべてなくなりました。

 日本アイビーエムのリストラは、他の赤字で苦しむ企業と異なり、1,000億の利益をあげながら、指名解雇に近い形で秘密裏に陰湿に行っていると説明すると「酷いことをする企業だ」と言って私達の闘いにエールを送ってくれました。
 こうした声を聞くと、暑い中で頑張った甲斐があったと感じるとともに、地道にビラを配ることが、社員の人権を尊重せず、侵害し続ける悪質企業の悪行を社外に広める方策として効果があることだと痛感しました。

HDD会社分割争議終止符_労働条件の不利益変更を許さず

労働条件の不利益変更許さず

 2011年7月12日、最高裁はHDD分割争議で上告を棄却し、8年間の闘いは終わりました。
 「主文、本件上告を棄却する」、「上告費用は上告人らの負担とする」と告げた、たった十数秒の法廷で、8年間の闘いに終止符が打たれました。
 思えば、2002年4月、食堂に800人を集めた緊急会議でHDD部門を切り離すと発表してから始まったこのHDD会社分割争議は、横浜地労委の不誠実団交での提訴、横浜地裁の仮処分、横浜地裁本訴、東京高裁控訴、最高裁上告と日本IBMと法的機関で争ってきた日々でした。 そもそも、会社分割法、労働契約承継法は民法625条の「移籍は本人の同意がなければできない」という労働者を守る原則をなくし、会社分割の場合には、主に従事する仕事を引き継ぐ時、本人の同意なしで強制移籍ができるというものです。会社はそこに目をつけ、当時赤字だったHDD部門を会社分割法で6日間だけの会社を作り、脱法的に日立製作所に当時のお金で、2500億円で売却した会社(日立GST)です。


最高裁判決後の報告集会

経営者に都合の良い法律

この争議の中で明らかになったことは東京高裁の判決で「会社分割により労働契約が承継される新設会社が分割会社より規模、資本力等において劣ることになるといった、会社分割により通常生じると考えられる不利益は当該労働者において甘受すべきものと考えられる」と言い切った点です。これは正に労働者を保護するものではなく、経営者に都合のいい法律であることを裁判所がお墨付きを与えたものです。しかし、会社分割・労働契約承継法制の立法過程において、本判決の述べるような不利益当然甘受論は一切表れていません。むしろ、「会社分割というものが労働者に不利益を与えてはならない」あるいは「労働者の不利益を解消し、保護するために、別に法律による措置が必要」といった答弁がなされてきたことからも、この判決内容は立法者意思に反するものです。

名ばかりの個別協議

 さらに、最高裁の判決では会社分割にあたって「個別協議がされない、説明や協議の内容が著しく不十分な場合は、労働契約承継の効力を争うことができる」と労働者保護の必要性を認めてはいるものの、今回のIBMの場合は「個別協議が不十分とはいえない」と判断し、上告を棄却したものです。しかし、実態は個別協議とは名ばかりで形式的なものであったことは組合の当時のアンケート結果からも判明していたことです。このことからも裁判所は職場の実態をまったく無視した企業(経営者)に傾倒した見方しかできない組織だと痛感させられました。

共に闘った成果

8年間の闘いの結果だけを見ると残念の一言ですが、この闘いがあったからこそ、当初担当常務が「移籍して業績が悪化すれば製造要員は賃金は半分になる」といった労働条件の不利益変更をさせなかったことの意義は大変大きいと思います。
 最後にここまで共に闘った、弁護団、そして支援してくれたJMIUの仲間、地域の友好労組の皆さん、そして職場の皆さんに心から感謝を述べたいと思います。

[原告団長 金子秀男]

8.3団体交渉報告_賃金のセーフティーネットを廃止_本給減給の布石か

 組合は、8月3日に会社と団体交渉をおこない,、6月1日付で廃止した年齢別保障給について追求しました。 その一部について報告いたします。

組合 廃止する理由は。
会社職務と業績で決めるとした以上は、この制度はコンセプトと食い違いが生じるもので役割は終わった。
 年齢保障給を作った理由は何か。
 考え方しかわかりません。
 制定した経緯もわからず廃止するのか。これも給与制度であるはずだ。
会社が労働者の生活に重要な労働条件を一方的に決めていることが問題である。ずっと昇給されない可能性があるのに、その歯止めとなる年齢保障給を廃止するなら、代わりとなるセーフティーネツトが必要だ。
これでは格差がもっと拡大していく。入社した時点から10年昇給がなかった場合、生活への影響がないと考えるのか。
 理屈としてはありうるがそうならないようにしたい。
 相対評価なので実際にありうる話だ。
  そもそも評価の基準が不明朗だ。判断するラインによって恣意的なものが入る。
 恣意的といわれると困る。体温計みたいに数値で測れるものではない。
評価が公正かどうか、客観的にどうかなどと言うのは不可能である。
 人事の仕組みとして考える必要があるのではないか。もらっている人と比べてそうでない人は雲泥の差だ。単に制度の廃止を説明しているだけで交渉になってない。
 交渉しているつもりだ。おりあいにくい内容が多いだけだ。
 デフレ環境なのに株を上げて、労働分配率(利益の中から労働者への分配される割合)だけを下げていくのは納得できない。
 発言は否定しないが、資本主義経済の中で株主に答えていくのは健全なこと。アメリカ企業のスタンダードだと考える。
 賃金をどのように考えているのか
 人により違いはあるが、ビジネスをしていくのに多過ぎても、少な過ぎてもダメで、同じ業界、職種の中で競争力をつけていく必要がある。
 高い人たちを作る仕組みがあるのだから、低い人を救済する仕組みについて組合と話し合う必要がある。
 人件費の配分の問題である。
 来年、本給からの減給に手をつけるための布石ではないのか。ハイパフォーマンスを言うなら企業の水準を高くするということでなおさら保障給が必要だ。保障給にひっかからないように手当てすればいい話だ。
 ・・・・・
 40歳での保障給はいくらか。
 30万円強だ。
 賃金の最低補償の問題は重要だ。あらためて申し入れる。

廃止前までの年齢別保障給(金額:単位百円)

年齢 保障金額 年齢 保障金額 年齢 保障金額 年齢 保障金額
20 1367 30 2019 40 3121 50 3358
21 1423 31 2117 41 3185 51 3363
22 1478 32 2290 42 3253 52 3367
23 1535 33 2415 43 3270 53 3370
24 1591 34 2544 44 3287 54 3373
25 1647 35 2629 45 3304 55 3376
26 1703 36 2714 46 3321 56 3379
27 1759 37 2909 47 3338 57 3382
28 1816 38 2992 48 3348 58 3385
29 1919 39 2992 49 3353 59 3388

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