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相談窓口

セーフティネットも廃止 
最低保障給を下回る給与制度

9月15日、組合が新体制となって2回目の中央団交を会社とおこないました。団交は、IBM組合(以下「組」)及び組合の上部組織(略称JMIU)以下「上」)並びに会社人事労務(以下「会」)との間で行いましたので概要を報告します。

お客様先常駐プロジェクトの安全衛生について

組合 安全衛生に関して先月のプロジェクト常駐先ホテルでの上谷組合員の死亡事故も起きており、会社としての管理はどう考えているのか。
会社 会社のビジネス形態も変化しており、安全衛生に対する懸念については会社も理解している。
 あるプロジェクトでは異常な労働環境であり、AEDの設置を要求したがIBMが管理するビル以外にAEDは設置できないと言われ設置できなかった。
 調べてみる。
 会社の障害者の雇用者数と雇用率を照会した処、開示の必要性なしと回答された。
 組合が必要な意図が分からない。
 組合は雇用環境全般について問題がないか関心を持っている。それだけで十分だ。しかるべきプロセスを通せば開示される情報を公開しないのは不誠実である。^
 持ち帰って検討する。

定年延長制について

 65才の定年延長を真剣に考えて欲しい。
上部 JMIUの産業別労働組合としての最重要課題であり、JMIU中央統一行動として厚労省に要請する。企業としても対応していただきたい。
 要求に対して後日回答する。

賃上げ交渉に関して

 現在の新入社員の給与は毎年1.5%ずつ昇給しても37才で最低保障給を下回る。今回の昇給率が1.1%であり、15年後は多くの社員が影響を受ける。最低保障給の撤廃は納得できない。
 世の中の賃金水準動向についていこうという給与制度であるから問題ないと考える。
 賃金水準を維持できるのは一部の人だけだ。PBC2でも昇給せず賃金格差がある。PBC2以下の人も会社に貢献しており救済されるべきである。
 将来的にMBAを全く行わないという事ではない。処遇は業界水準を見ながら考慮している。年齢により左右されるべきではない。
 年齢(年齢別昇給)と最低保障給とは話が異なり、混同している。
セーフティネットとしての最低保障給のない企業は社会的責任を果たさず、社員を使い捨ての道具と考えている。
 一度廃止したから変えないのではなく制度として検討したい。

幕張の管理の新組織について

 組合員3人が異動対象となっている。管理部門の新組織について説明を求める。
 管理部門の諸業務を集中的に管理し効率化を図るためである。
 要員の人選は低評価を受けた人や休職等していた人ばかりであり、マネージャーも経理の知識・経験がない。会社の意図は、隔離・切り離しである。多くの部門で同様の組織(COE=Center Of Excellence )が作られている。
 新組織の情報はつかめないが、STH、GBSやGTSのオペレーションは、COEであると理解する。
 COEを別会社として切り離す意図はないか。
 HOURS、IGASの例があり全くないとはいえない。
 後日文書で質問する。

分会団交(組合と事業所長との交渉)について

 2008年リストラ以降、会社は分会団交であつかう議題をできるだけ狭めようとしているが40年もの間おこなって
きたことを一方的に反故にするのは問題だ。
 分会との場を持つことは継続するつもりだ。施設など事業所のことはあつかう。
 事業所長は労働安全衛生について法的に責任がある。にもかかわらず事業所長に対する安全衛生にかかわる組合の申入れについても労務から回答が来るのはおかしい。まず事業所長の職掌について明示することを要求する。

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 今回の団交は比較的静かに終わりましたが見えてくるものがありました。
 社員が過労死するまで管理せずに働かせる利益一辺倒の姿勢、労働に対して賃上げで報いることなく社員の生活の維持など全く顧慮しない会社の態度、特に普通に働いても最低保障給を下回る給与制度を見れば会社は長期的な視点で経営を考えているとは思えません。
 短期的に社員から絞るだけ絞って、報いることをしない姿勢は、中国やインドから高利益を得られるので、もう日本の役割は終わったから日本での企業経営を縮小・撤退しようというコーポレーションの意図を感じます。
 ただIBMとして企業経営の縮小は世界的なことであり、短視眼的に会社の株価上昇のみを志向する経営は、ストックオプションがらみで引退も間近な会長の私利私欲の追及と連動しているものと思われます。

8.27五反田駅頭宣伝行動

 8月27日の就業後、五反田駅にて「退職強要・人権侵害裁判」の街頭宣伝活動を行いました。異常な暑さが続く中、週末を迎えやっと一息ついているサラリーマンの方が多い中「日本IBMのリストラ裁判に関するビラをお配りしています」といいながら、ビラを配布すると多くの方が関心を持ってビラを受取ってくれ、準備した500枚のビラはすべてなくなりました。

 日本アイビーエムのリストラは、他の赤字で苦しむ企業と異なり、1,000億の利益をあげながら、指名解雇に近い形で秘密裏に陰湿に行っていると説明すると「酷いことをする企業だ」と言って私達の闘いにエールを送ってくれました。
 こうした声を聞くと、暑い中で頑張った甲斐があったと感じるとともに、地道にビラを配ることが、社員の人権を尊重せず、侵害し続ける悪質企業の悪行を社外に広める方策として効果があることだと痛感しました。

HDD会社分割争議終止符_労働条件の不利益変更を許さず

労働条件の不利益変更許さず

 2011年7月12日、最高裁はHDD分割争議で上告を棄却し、8年間の闘いは終わりました。
 「主文、本件上告を棄却する」、「上告費用は上告人らの負担とする」と告げた、たった十数秒の法廷で、8年間の闘いに終止符が打たれました。
 思えば、2002年4月、食堂に800人を集めた緊急会議でHDD部門を切り離すと発表してから始まったこのHDD会社分割争議は、横浜地労委の不誠実団交での提訴、横浜地裁の仮処分、横浜地裁本訴、東京高裁控訴、最高裁上告と日本IBMと法的機関で争ってきた日々でした。 そもそも、会社分割法、労働契約承継法は民法625条の「移籍は本人の同意がなければできない」という労働者を守る原則をなくし、会社分割の場合には、主に従事する仕事を引き継ぐ時、本人の同意なしで強制移籍ができるというものです。会社はそこに目をつけ、当時赤字だったHDD部門を会社分割法で6日間だけの会社を作り、脱法的に日立製作所に当時のお金で、2500億円で売却した会社(日立GST)です。


最高裁判決後の報告集会

経営者に都合の良い法律

この争議の中で明らかになったことは東京高裁の判決で「会社分割により労働契約が承継される新設会社が分割会社より規模、資本力等において劣ることになるといった、会社分割により通常生じると考えられる不利益は当該労働者において甘受すべきものと考えられる」と言い切った点です。これは正に労働者を保護するものではなく、経営者に都合のいい法律であることを裁判所がお墨付きを与えたものです。しかし、会社分割・労働契約承継法制の立法過程において、本判決の述べるような不利益当然甘受論は一切表れていません。むしろ、「会社分割というものが労働者に不利益を与えてはならない」あるいは「労働者の不利益を解消し、保護するために、別に法律による措置が必要」といった答弁がなされてきたことからも、この判決内容は立法者意思に反するものです。

名ばかりの個別協議

 さらに、最高裁の判決では会社分割にあたって「個別協議がされない、説明や協議の内容が著しく不十分な場合は、労働契約承継の効力を争うことができる」と労働者保護の必要性を認めてはいるものの、今回のIBMの場合は「個別協議が不十分とはいえない」と判断し、上告を棄却したものです。しかし、実態は個別協議とは名ばかりで形式的なものであったことは組合の当時のアンケート結果からも判明していたことです。このことからも裁判所は職場の実態をまったく無視した企業(経営者)に傾倒した見方しかできない組織だと痛感させられました。

共に闘った成果

8年間の闘いの結果だけを見ると残念の一言ですが、この闘いがあったからこそ、当初担当常務が「移籍して業績が悪化すれば製造要員は賃金は半分になる」といった労働条件の不利益変更をさせなかったことの意義は大変大きいと思います。
 最後にここまで共に闘った、弁護団、そして支援してくれたJMIUの仲間、地域の友好労組の皆さん、そして職場の皆さんに心から感謝を述べたいと思います。

[原告団長 金子秀男]

8.3団体交渉報告_賃金のセーフティーネットを廃止_本給減給の布石か

 組合は、8月3日に会社と団体交渉をおこない,、6月1日付で廃止した年齢別保障給について追求しました。 その一部について報告いたします。

組合 廃止する理由は。
会社職務と業績で決めるとした以上は、この制度はコンセプトと食い違いが生じるもので役割は終わった。
 年齢保障給を作った理由は何か。
 考え方しかわかりません。
 制定した経緯もわからず廃止するのか。これも給与制度であるはずだ。
会社が労働者の生活に重要な労働条件を一方的に決めていることが問題である。ずっと昇給されない可能性があるのに、その歯止めとなる年齢保障給を廃止するなら、代わりとなるセーフティーネツトが必要だ。
これでは格差がもっと拡大していく。入社した時点から10年昇給がなかった場合、生活への影響がないと考えるのか。
 理屈としてはありうるがそうならないようにしたい。
 相対評価なので実際にありうる話だ。
  そもそも評価の基準が不明朗だ。判断するラインによって恣意的なものが入る。
 恣意的といわれると困る。体温計みたいに数値で測れるものではない。
評価が公正かどうか、客観的にどうかなどと言うのは不可能である。
 人事の仕組みとして考える必要があるのではないか。もらっている人と比べてそうでない人は雲泥の差だ。単に制度の廃止を説明しているだけで交渉になってない。
 交渉しているつもりだ。おりあいにくい内容が多いだけだ。
 デフレ環境なのに株を上げて、労働分配率(利益の中から労働者への分配される割合)だけを下げていくのは納得できない。
 発言は否定しないが、資本主義経済の中で株主に答えていくのは健全なこと。アメリカ企業のスタンダードだと考える。
 賃金をどのように考えているのか
 人により違いはあるが、ビジネスをしていくのに多過ぎても、少な過ぎてもダメで、同じ業界、職種の中で競争力をつけていく必要がある。
 高い人たちを作る仕組みがあるのだから、低い人を救済する仕組みについて組合と話し合う必要がある。
 人件費の配分の問題である。
 来年、本給からの減給に手をつけるための布石ではないのか。ハイパフォーマンスを言うなら企業の水準を高くするということでなおさら保障給が必要だ。保障給にひっかからないように手当てすればいい話だ。
 ・・・・・
 40歳での保障給はいくらか。
 30万円強だ。
 賃金の最低補償の問題は重要だ。あらためて申し入れる。

廃止前までの年齢別保障給(金額:単位百円)

年齢 保障金額 年齢 保障金額 年齢 保障金額 年齢 保障金額
20 1367 30 2019 40 3121 50 3358
21 1423 31 2117 41 3185 51 3363
22 1478 32 2290 42 3253 52 3367
23 1535 33 2415 43 3270 53 3370
24 1591 34 2544 44 3287 54 3373
25 1647 35 2629 45 3304 55 3376
26 1703 36 2714 46 3321 56 3379
27 1759 37 2909 47 3338 57 3382
28 1816 38 2992 48 3348 58 3385
29 1919 39 2992 49 3353 59 3388

日本IBM会社分割事件・最高裁判決についての声明

       日本IBM会社分割事件・最高裁判決についての声明

(1)最高裁判所第二小法廷は、2010年7月12日、日本IBM会社分割・上告受理申立事件につき、上告人らの請求を棄却する不当判決を下した。本件は、2002年12月、日本IBM(以下、会社という)が、当時不採算部門であったハードディスク部門を「会社分割法制」(旧商法)にもとづき分割して新会社を設立した後、日立に株式譲渡したことにともない、同部門に所属する労働者の労働契約を本人の同意なく分割先の会社に承継させた(すなわち、転籍させた)ことに対して、労働者がその労働契約承継を無効として日本IBM社員としての地位確認と損害賠償を求めたものである。

(2)最高裁は、“商法附則第5条にもとづく当該労働者との個別協議が全く行われなかったとき、あるいは、行われた場合でも、説明や協議の内容が著しく不十分なため5条協議の趣旨に反することが明らかな場合には、労働者は労働契約承継の効力を争うことができるという初の判断を示した。これは、“労働者は会社分割により通常生じる不利益を甘受すべき”であり、5条協議義務違反となるのは、“労働者が会社分割により著しい不利益を被る場合”などに限定されるとした東京高裁判決をさらに一歩ひろげたものである。とりわけ、最高裁判決が、商法附則5条1項の規定について“労働契約の承継の如何が労働者の地位に重大な変更をもたらし得ることから、労働者との協議を行わせ、当該労働者の希望等をも踏まえつつ分割会社に承継の判断をさせることによって、労働者の保護を図ろうとする趣旨と解される”としたことは、最高裁が、商法の定めに労働者保護の趣旨を認めた解釈をしたものとして注目される。

(3)ところが、最高裁判決は、上記の判断基準に照らして本件を判断するに際して、形だけで内容のない会社のやり方を是認し、会社のとった7条措置や5条協議は、説明・内容が不十分で法が求めた趣旨に反するとまでは言えないとした。そればかりか、最高裁は、“あらたに設立された会社の経営見通しなどについて当該労働者らが求めた形での回答に応じなかったのは会社の将来の経営判断に係る事情等であるから”だとか、“(当該労働者の)在籍出向等の要求に応じなかったのは、本件会社分割の目的が合弁事業実施の一環であったから”とした。これらは、大企業の都合を優先しており、あたかもその代弁者かと見間違うかのようである。

(4)会社分割法制(会社法・労働契約承継法)が施行されてから10年が経ち、国会審議のなかで懸念をされた「泥船分割」が実際にひろがりつつある。こうした「泥船分割」から労働者の雇用と権利をまもるためには、今回の最高裁判決を土台に5条協議・7条措置に実質的な協議を義務付けていくとともに、EU諸国ですでに実施されているように、設立会社への労働契約承継拒否権を認める方向で「会社分割法制(会社法・労働契約承継法)」改正を求めていかなければならない。

(5)わたしたちは、この裁判闘争が転籍先での労働条件切り下げ攻撃から当該労働者の権利をまもってきたとともに、新自由主義的経済政策のもとで横行した企業再編やM&Aから労働者の権利をまもる必要性を社会に告発し世論をひろげる力となったと確信している。2003年の横浜地裁提訴から7年にわたって支援をしていただいた全国の労働者・労働組合の仲間のみなさんに心から御礼を申し上げると同時に、引き続き、この間、改悪され続けてきた企業法制や労働法制を見直し、労働者の権利保護へと政治の抜本的な転換をめざして闘う決意である。

2010年7月12日

                            日本IBM会社分割事件原告団
                                  同      弁護団
                        日本IBM会社分割争議支援共闘会議
                        全日本金属情報機器労働組合
                                  同  日本IBM支部

5.19街頭宣伝!_品川駅頭で人権侵害訴え_瞬時に600枚配布

組合は「日本IBM退職強要・人権侵害裁判」の支持を広く人々に訴えるため、5月19日(水)、品川駅前にて、スピーカーによる訴えとチラシ配布による宣伝行動を行いました。

組合は、目黒駅、新橋駅など東京の主要駅で月1回街頭宣伝行動を行っています。5月は、品川駅の東口駅前で行いました。夕方ともなると、大勢の帰宅するサラリーマンや、待ち合わせの人たちでにぎわっています。
 
原告の木村団長をはじめ、大勢のJMIU支援組合員が集まり、横断幕を張り、組合旗を立て、多くの方々に支持を訴えることができました。建設会社で働く二人の女性が「私たちの会社でも同様のことが行われており、がんばってください」と話されていきました。また、IT関連の企業も多く関心が高い地区です。雨の中で傘をさしながらの活動でしたが、用意したチラシ600は枚は1時間でなくなってしまう盛況ぶりでした。

組合は今後とも多くの一般の方々に支持を訴え、会社を社会的に包囲してゆく方針です。

評価「2」でも業績改善PGMを_半数以上が降格・減給の対象

組合は4月9日に会社と団体交渉を行い、業績改善プログラムについて追及しました。業績改善プログラムは「改善目標管理シート」で管理され、30日?90日をワンサイクルとして繰り返し実施されます。達成不可能な目標を立てさせられたり、目標達成しても目標にないコミュニケーション不足等を理由に未達成とされます。結果、降格や減給、更には退職に追い込まれるものです。 組合はこのような問題のあるプログラムを止めるように、以前から主張してきました。

進捗レビューで追い込む
このプログラムの開始の根拠となっているのはPBCの低評価ですが、これは「透明性、公平性、客観性」に欠けています。事実、ラインが部下のリストラを進めるために、退職させやすい社員対象や職権乱用でプログラムを実施しています。また、最近顕著に表れてきたのは、退職を拒否した者に対して、プログラムの進捗レビューと称して面談を実施し、そこでの会話で精神的ダメージを与え退職に追い込むやり口です。 これに加えて、このプログラムは、以下のように対象者を拡大する暴走を始めています。

半数以上の社員を降格・減給対象に
会社はこれまで、PBC3または4(15%)の社員に対し、スキルアップをするために実施すると主張していましたが、今回、PBC2についてもラインの判断で進めていくと発言をしました。これだと、社員の半数以上にまで、降格・減給の対象が広がることになります。

名称を変え隠匿
別名称の「パフォーマンス改善計画」という業績改善プログラムが存在します。ここでは、目標管理シートのフォームをラインが自由に変更して使用します。 名称とフォームを変更することで、当事者に隠蔽し実施する意味があると思われます。 

ライン判断で実施
ラインは、このプログラムの開始時の対象者への説明で「人事からの命令で行う」と発言します。しかし会社は「一定のガイドはあるがそのような事実はない、ラインの判断で実施する」といっています。この人事の発言が正しければ、ラインにすべての責任があることになります。特にメンタルへルス疾患者に、降格、減給、解雇と書かれたログラムを実施すれば、強度の精神的圧迫を受けることは誰の目にも明らかです。このプログラムで多くのメンタルヘルス疾患者が退職、休職に追い込まれているのは事実です。組合に多くの相談が寄せられており、直ちにこのプログラムを止めないと「死者」がでると会社に警告しています。 会社は「これについてもポイントを絞ることで配慮している」などと主張し安全衛生管理面で責任を果たそうとしません。 

業績改善プログラムの根拠を示せず
業績改善プログラムの継続理由は、リストラツールであるというのが組合の分析です。このプログラムの実施で成果がどれだけ上がっているのか説明を求めましたが、会社はまったく結果を精査しておらず、このプログラムを継続する根拠すら示すことができませんでした。このように組合に説明できないプログラムを実施することは、社員のスキルアップが目的ではなく、リストラ目的であると言わざるを得ません。

会社は社員に報いよ!_達成度恣意的に「51」

3月20日、会社は橋本社長名レター「2009年度の日本IBM会社業績達成度について」の中で、昨年の会社業績達成度を「51」と発表しました。
 日本IBMの会社業績を測る三つの量的指標(税引き前益、売上高伸び率、キャッシュフローがすべて目標を大幅に下回ったものの、退職金制度「改悪」などさまざまなコスト削減への取組を勘案した、としています。しかし、会社売上高伸び率を除いて、具体的な指標に対する目標ならびに結果の数値を何一つ公開していませんし、2008年度業績達成度「55」と比べても、2009年度の業績達成率が合理的に決められていると判断できる資料は何もありません。 業績達成度の数値は引き続き「恣意的に決められている」ということがきるでしょう。

止まらない人員削減
さまざまなコスト削減への取り組みの最たるものは、人件費の削減です。本年も1Qらリソースアクョンプログラム走ったか、組合員の周りでも、仕事のGD移管の話や、派遣社員の雇い止めなど、あらゆる手段を使っての人件費削減施策が聞かれます。箱崎のある組合員の職場では、管理部門トップの経費削減号令のもと、派遣社員を削減することになり、派遣社員が担当していた仕事を、SOD(業務分担において重複して担当してはいけない業務を定めている)を守りつつ誰に引き継ぐのか、が大きな問題になっています。 幕張のある組合員は、現在まさにGDへの業務引継中であり、今後のジョブアサインに不安を抱いています。

まず上層部から
また、3月26日には、同じく橋本社長名レター「2010年インテグリティー・プランの推進について」が出されました。 継続的活動として、「トップ・マネジメント(社長と各部門長)が、定期的なミーティングで、企業倫理を遵守することを強調し、部門毎の目標とアクション進捗をレビューする」とありますが、ニイウスコーの循環取引への関与、連結納税制度を悪用した脱税容疑の告発、高橋組合員がかかわる訴訟の中で明らかになった労働安全衛生法違反などを見るにつけ、まずは会社上層部がコンプライアンスを遵守するべきであることは明らかです。 売上高が伸びなくなっているのも、すでに行きすぎた人員削減と退職金制度を含めた人件費の大幅削減によって社員の士気が大幅に低下し、仕事が回らなくなっているからです。

社員に報いぬ態度に終始
会社は3月18日の団交で「赤字になっている場合ではない」と発言していますが、そのためにコンプライアンスをないがしろにし、人件費を削って社員に報いない、という態度に終始することは到底許せません。 組合は引き続き団体交渉などで粘り強く会社の責任を追及していきますが、社員(正社員・派遣社員を問わず)の皆さんの声を大きくして届けることがもっとも効果的です。 会社の今の経営に「NO!」を突きつけるあなたの声と組合加入をおちしています。

委員長挨拶 2010年日本IBMグループ 新入社員のみなさんへ

2010年4月1日 日本IBMの入社式が本社(箱崎)で開催される。
日本IBM グループは、約130名 (本体80名、グループ会社50名)の新入社員を迎えることになる。

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日本IBMグループ 新入社員のみなさんへ
                       
                            全日本金属情報機器労働組合
                                 日本アイビーエム支部
                             中央執行委員長 橋本 雄二

厳しい就職活動を勝ち抜き日本IBMグループ会社へ入社した皆さん、まずはおめでとうございます。皆さんが数ある会社の中からIBMグループを選択した動機は様々かと思いますが、それぞれが夢と希望に胸を膨らませていることでしょう。仕事と余暇を充実させ、豊かな社会生活を過ごしていただきたいと思います。そして誰一人として落ちこぼれることなく、一日も早く仕事を通じて社会へ貢献できることを心から祈念しています。
全世界のIBMの労働者数は40万を超えていますがIBMは2007年からGIE(Globally Integrated Enterprise)を展開し労働市場のシフトを開始しています。インドなどの低賃金のグロース・マーケットを中心に増加傾向にあるものの、一方高賃金のメジャー・マーケットのアメリカ、日本、EU諸国の労働者はいつもリストラのターゲットにされ、昨年米IBMでは約1万人の人員削減が実施されました。日本IBMも例外ではありません。2008年秋、用意周到に準備された会社ぐるみの苛烈な退職強要に引き続き、今年も低評価社員をターゲットに人員削減が継続されています。
新入社員のみなさんは長く安心して働ける職場を希望しているのではないかと思いますが、昨年入社された何名かの社員は退社に追い込まれたと聞いています。今年はさらに、日本IBMは従来の3ヶ月間の「試用期間」を6ヶ月間に引き延ばし、新入社員に対しプレッシャーをかけ一段と高いハードルを設定してきています。今日目出度く入社されたみなさんも、一年後には失職の憂き目にあう可能性も十分に考えられます。

2008年秋の「リーマン・ショック」以降、完全失業率、有効求人倍率は過去最悪を記録、日本の雇用情勢や労働環境はその厳しさを一段と増してきています。今こそが労働組合の存在価値、存在意義を発揮する時であり、また真価が問われる時でもあります。日本IBM支部労働組合は昨年5月、結成50周年を迎えましたが、労働条件を改善し働きやすい明るい職場をつくり、労働者の権利である生活と雇用を守るため日々努力しています。
想像できないかもしれませんが私たちの職場には多くの問題が山積しています。「パワーハラスメント」「低評価査定」「降格・減給」「サービス残業」「業績改善プログラム」「退職強要」の問題等々・・・。しかし、私たち一人ひとりは弱い人間です。これらの問題は一人では何も解決しません。団結・連帯し、職場の仲間と力を合わせてこそ一つ一つの問題を解決していくことができるようになるのです。皆さんがそのことを自覚し、組合の存在の重要性をよく理解され、一日も早く組合加入を決意されることを願っています。
雇用の流動化が進む中、多くの社員が定年までIBMで働く気概をもって活躍することを期待して、今日の入社式をお祝いいたします。

労働組合は「安全で働きやすい職場環境」を作っていかなくてはなりません。

労働組合は「安全で働きやすい職場環境」を作っていかなくてはなりません。
組合は、大和事業所で起こりました自殺事件について、会社に対し質問状を提出しました。 しかし、回答期限を過ぎても組合に対し何ら回答がありません。 

(質問状)
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                                   2010年 3月16日
日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社
代表取締役社長 伊藤 重光 殿
                              
                              全日本金属情報機器労働組合
                                   日本アイビーエム支部
                              中央執行委員長 橋本 雄二

             
             大和事業所内で起こりました自殺について

2010年3月3日(水)20:00に 日本アイ・ビー・エム(株)大和事業所B館3Fで日本アイ・ビー・エム・サービス株式会社( ISC-J ) の従業員が自殺しました。

事件の詳細説明を2010年3月19日(金)17:00までに書面で回答をお願いします。

                                       以 上

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