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退職金制度Q&A――改訂内容の問題点はここだ!

退職金制度改訂に対する組合から会社への申し入れ内容はこちら。

会社との団体交渉報告はこちら。

Q1:組合が考える退職金制度改訂の問題点は何ですか?

A1:2010年退職金制度改訂の問題点をあげると下記のようになる。

なぜ今退職金制度を改訂しなければならないのかが不明である。

  • 2008年度は対前年比で経常利益、純利益が増加している。
  • 現在の会社の年金に対する負担額が明らかにされておらず、経営に対するインパクトが不明である。
  • DCに対する拠出額の規制緩和が行われたから改訂するというふうにしか聞こえない。
  • 退職金への拠出率を10%から8%にする根拠がまったく無い。

これでは労働者に対する一方的な不利益変更である。

Q2:同意署名を断った場合、リストラターゲットにするなどの措置をとってくる可能性はありますか?

A2:同意署名を断ることが低評価や退職勧奨につながるようなことはあってはならないことです。しかし、会社がどのような措置に出てくるかは予断を許しません。もし、正当な理由なく低評価や退職勧奨の話をされたら、メモをとり、すぐに組合にご相談ください。

メールフォームから質問をお寄せください。この記事に回答を追加していきます。

9/11 退職強要・人権侵害事件 東京地方裁判所要請行動

2008年4Qに実施されたリストラに伴う退職強要・人権侵害事件で、5/29東京地方裁判所に3名が提訴しました。9/11午前、支部代表および原告団代表が、原告を救済する判決が一日も早く下されるよう、東京地方裁判所に要請行動を行いました。当日は他にも四団体が東京地裁に、また別途四団体が東京高裁への要請行動を行いましたが、担当官が真剣に話を聞き、メモを取っている姿が印象的でした。以下、要請内容です。


2009年9月11日

平成21年(ワ)第17789号事件
上告人兼申立人 木村 剛外2名
被上告人兼相手方 日本アイ・ビー・エム株式会社
東京地方裁判所民事19部 御中

JMIU日本IBM支部
中央執行委員長 橋本 雄二

要 請 書

日本アイ・ビー・エム株式会社(以降 会社)は、ハードディスク部門だけでなく、半導体部門、PC部門、プリンター部門、物流部門をことごとく会社分割により、社員ごと売却をしましたが、昨年秋、今度は業績悪化を理由に約1500名の社員をリストラしました。会社業績は、前年と変わらない960億円の利益を上げているにもかかわらずです。

このリストラは、ノミネートした社員を退職へ追い込むために、マニュアルを作成し、休日に管理職を集めて、実践トレーニングをするという用意周到で、悪質なものです。

そして、管理職により、面談と称して、何回にもわたる執拗な退職強要をおこなわれ、多くの人がプライドを傷つけられ、身体も心もズタズタになって退職を余儀なくされました。

このリストラで辞めずになんとか残った人も、退職強要により、心身の病気や体調不良で満足に仕事や生活ができない人もでてきています。

さらに、会社は、辞めずに残った人に対して、成績を不当に評価して、降格に追い込むとともに、さらには、成績が悪いことを理由に普通解雇に追い込むことを検討しています。

組合は、このような会社の人権を無視した、退職強要に対して5月29日に東京地裁に損害賠償をもとめて提訴しました。

会社は、利益を得るためには、たとえ十分な利益を上げ、社員を雇用できる十分な体力があるにもかかわらず、本社の高い売り上げ、利益などの目標に届かなかったというだけで、日本の雇用環境に悪影響を与えることも省みず、平気で会社売却や大規模な人員削減をおこなっています。

会社は昨年のリーマンショック以降も、このような企業の社会的責任を無視した利益至上主義を推し進めており、このまま米国系外資企業の行動を放置すれば、他の会社にも蔓延し、日本社会は今以上に混乱しかねません。余力のある大企業が雇用を確保することによって失業者の増加を抑え、安心して働ける社会実現に向けたひとつのきっかけになるよう、原告を救済する判決を一日も早く下されますよう要請いたします。

以上

9/11 箱崎事業所前 退職金制度改訂/リストラ/HDD会社分割問題抗議集会

退職金制度改訂の説明責任を果たさない会社への抗議行動

9月11日(金)の始業前8時から1時間、箱崎事業所前で、HDD部門の会社分割問題(現在最高裁判所に上告して争議中)への抗議、昨年実施したリストラに伴う退職強要・人権侵害(5/29東京地裁に提訴し争議中)、低評価、業績改善プログラム、ゼロ昇給への抗議、および今年新たに行われる可能性の高いリストラを許さないために、30労組・争議団が参加しデモンストレーションの集会を行いました。 今回は、退職金制度改訂に対する抗議も行いままいた。箱崎事業所前での抗議行動への関心は高く、準備した500枚の抗議ビラは、たった30分でなくなりました。

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2009年9月11日

日本アイ・ビー・エム株式会社
代表取締役社長 橋本 孝之殿

東京地評争議支援総行動実行委員会
実行委員長

金属機械反合委員会
委員長

全日本金属情報機器労働組合
日本アイビーエム支部
中央執行委員長   橋本 雄二

要 請 書

米国の金融危機に端を発した世界的な経済危機は、日本経済に「100年に一度」とも言われる深刻な影響をもらしています。
自動車、電機などの大企業による「非正規切り」などの大量解雇が引き起こされるとともに、正規労働者に対してもかつてないリストラ攻撃が加えられ、配転・出向、賃下げ、解雇などが大規模に進められています。こうした現状は、国内の消費を縮小させ「不況」をより深刻化させています。
日本経済を根本的に立て直すためには、人口の圧倒的多数を占める労働者の雇用の安定をはかり、「働くルール」を確立することが不可欠であり、労働者・国民のくらしを豊かにする大幅賃上げ、均等待遇実現、社会保障充実、中小零細企業支援、農林漁業振興など内需拡大型の施策に転換し、個人消費を拡大することが焦眉の課題と言えます。
私たちは、いまほど、大企業の法令順守とCSR(社会的責任)が厳しく問われているときがないと考えます。非正規雇用の拡大や「ワーキングプア」と呼ばれる低賃金労働者の増大、正規労働者など対する成果主義賃金の導入などは、「貧困と格差」を拡大し、労働者の困窮度をつよめ、メンタルヘルスの増長・健康破壊をもたらし、将来の日本を担う若年層の希望を見失わせています。
私たちは、このような現状を変えるために、すべての企業が憲法の基本原則およびILOなどの国際基準に則り「人間らしく生き、働くルール」を企業内に整備することにより、企業としての社会的責任を果たすことをつよく要請するものです。
本日は、30労組・争議団が参加し、すべての争議の早期全面解決を要求して「9・11争議支援総行動」を展開しています。
貴社におかれましては、企業の社会的責任と使用者としての責任を果し、関連する争議の早期全面解決のために、真摯に対応されるよう、下記事項について強く要請します。

1. 日本アイ・ビー・エムは直ちに退職強要による人減らしを止めること。
2. 不当な低評価による一時金の大幅減額を直ちに改めること。
3. 日立GSTに移籍させられ、「日本アイ・ビー・エム社員としての地位確認」を求めている原告の、日本アイ・ビー・エム社員としての地位を認めること。
4. PC事業部のLENOVOへの売却に伴う、組合員の強制移籍を撤回すること。
5. プリンティング事業部門の(株)リコーへの売却に伴う、組合員の強制移籍を撤回すること。
6. 最高裁判決に従い、組合員の範囲を主任までとした人事ガイドを撤廃すること。
7. 2005年10月3日発表の「人事改革の方向性と施策」を撤回すること。

以上

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退職金制度改訂の説明責任を果たしてください。申し入れ書の回答を要求します。

雇用の確保も退職金の確保もしない会社になり下がった

2008年4Qのリソースアクションプログラムにおいて、1500名近くの従業員がリストラにより会社を退職していきました。その時会社は「ハイパフォーマンスカルチャーの実践」いう言葉を使い、あたかもその浮いた原資により昇給が行われるような「まやかし」がありました。 その通り、その後に待っていたのは「昇格凍結」「全社員ゼロ昇給」という信じられない実態です。

そして今回 「現在の貢献に報いるための投資ができないために」と発表し退職金制度改訂に手を出してきました。 しかしこの説明は本末転倒です。

既に2002年の退職金制度改訂で従業員は大きな不利益変更を受けており、更に退職金制度に手を出すのであれば、それなりの根拠を十分に従業員に説明しなくてはなりません。 このまま強行することは労働者に対する一方的な不利益変更となりかねません。

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まず、退職金制度の改訂提案をする前に、役員報酬の公開、役員報酬のカット、役員数の削減を実施すべきであると組合は考えます。その上で退職金改訂が必要な根拠を従業員に説明をすべきです。そうしないと、数年後に更に改訂をすることも否定できません。

そこで、組合は会社に対し「2010年退職金制度の改訂について申し入れ書」を提出しています。回答要求期限は9月15日ですので、その結果を聞いてから判断しましょう。

ラインは目標人数達成のため署名を求めてくるでしょうが、この改訂は私たちの人生設計の大切な問題です。 まして、ラインの顔を立てるような安易な気持ちでの署名は厳禁です。


2009年9月8日

日本アイ・ビー・エム株式会社
代表取締役社長 橋本 孝之 殿

全日本金属情報機器労働組合
日本アイビーエム支部
中央執行委員長 橋本 雄二

2010年退職金制度に関する申し入れ書

2009年9月4日付貴社発表の「2010年退職金制度の改訂について」にともなう個人の同意については、一部の部門で説明会を行うにあたって、あらかじめ印鑑を持ってくるように所属社員に通知しています。 このことについては、何等、問題ないという貴職の見解ですが、署名・捺印期限を伝えるだけで十分なはずです。今回の改訂内容は決して単純でわかりやすいものではありませんので、説明後すぐに署名捺印を強要するような何らかの指示やガイドがされるようであれば、商品に対して十分な説明と理解を得られる前に、即時購入を迫る悪質商法と同質であると考えます。 本来は、理解できる説明を行ったうえで、同意するか否かは日を改めるのが正しいやり方であり、そのための時間も十分にあります。

組合は、懸念される署名、捺印への強要によって、社員のモラル、モラールに悪影響を及ぼし、結果としてビジネスにおけるインテグリティーなどに悪影響をおよぼし、健全なビジネス遂行を妨げないためにも、身近な問題から質していく必要があると考えます。拠って、以下について要求しますので9月15日までに回答願います。

1. 制度の変更部分について、社員にとっての損益を包み隠さず説明するように部門に指導すること。

2. 50歳以上かつ勤務5年以上の社員を対象とする移行措置に伴う、退職強要をしないこと。

3. 署名・捺印は個人ごとに実施し、連名による方法は避ける手立てをとること。

4. 署名・捺印について、一切強要しないこと。ならびに拒否した人に対して不利益のないことを保証すること。

5. 人事から、現場のラインにどのようなガイドを流しているのか知らせること。
(ここのところは、言う必要はないという回答ではなく、概略でも回答すること。)

以上

安易な同意署名は厳禁!――退職金制度改訂について

本日、会社は組合との団体交渉において、2010年1月からの退職金制度改訂について通知してきました。概略は以下の通りです。

  • 対象者:キャッシュバランス型(CB=確定給付年金)と、確定拠出型(DC)を組み合わせた退職金制度に加入している方(2005年12月31日までに入社し、誕生日が1953年1月1日以降の方)。
  • 制度の改定内容
    • キャッシュバランス型(CB=確定給付年金)への積み立て拠出を2009年12月までで終了。2010年以降は利息のみ付与。
    • 現在のCB+DCでの拠出率10%を、8%に削減。
    • 定年扱い退職者の退職金のうち「20年保証・終身年金」部分について受給開始を「退職後すぐ」から「60歳」に遅らせる変更。
    • 退職一時金の導入。
      • CB残高の5%を付与(※1)。ただし2013年以降の退職者に限り適用。(※2)
      • (拠出額合計-DC拠出額)がプラスの場合追加で積み立て。利息はCB部分同様、年率2-6%の範囲で、10年もの国債の利率を基準に付与。
    • 定年扱い退職者がCB部分の退職金を全額一時金で受け取る選択をする場合、CB部分+退職一時金の10%を増額付与。(※3)
    • 確定拠出型(DC)への拠出上限額を51,000円に拡大。
    • [現在50歳以上で勤続5年以上の方]については:
      • 2年間は現行制度に据え置き。
      • この期間はDCへの拠出上限額も25,500円となる。
      • またこのため上の(※2)については2015年以降、(※3)については2012年以降の適用となる。
    • 2009年8月末時点の仮想CB残高が300万円に達しない人については、(※1)にかわり一律本給を2%昇給(Reference Salaryの1.4%相当)
      • CB残高の5%を退職一時金として付与することの利益が少ないため、と説明していますが、この部分は個人で意識しない限り退職後の蓄えにはできません。

会社は、

  • この制度改訂に同意いただければ、現在凍結している昇進・昇給についても凍結解除を検討する
  • すでに受給中の方の給付水準を守るためにも今回の制度改訂は必要

と述べていますが、会社が年金資産へ積み上げる金額を減らしたとしても、別のかたちで社員に還元される保証はまったくありません。

会社は一刻も早く法的に必要となる2/3以上の対象従業員の署名を集め、厚生労働省に提出して制度改訂を成立させたいと狙っています。そのために各ライン単位で、あるいは各対象社員に対して説明(会)を実施し、署名を求めてきます。組合としては、回覧形式での署名は受け入れられないので、各個人が別々に(個人単位で)署名ができるように要求していますが、社員の皆さんも

  • 改訂案についてわからない点があれば所属長を通して人事に質問する。
  • 改訂案がよく理解できるまでは安易に同意署名しない。もちろん会社の負担減について反対であれば、改訂案の内容が理解できても同意署名しない。

の二点を徹底していただくようにお願いいたします。特に50歳代の方はこの制度が適用されて、不利益になる前に退職しませんか、などと声をかけられる場合も想定されますので、安易な同意は禁物です。もし、強制的に同意させられるように感じた場合は、すぐにメールフォームにて投稿していただくか、お近くの組合員にご相談ください。組合なんでも相談窓口担当者リストもご参照ください。

GBSで長期有給休職制度が始まっています

8月6日からGBS事業の社員を対象とした長期有給休職制度のパイロットが始まっています。このプログラムは所属長の承認のもと1ヶ月から6ヶ月までの休職を認めるもので、休職期間中は月給の30%が支給されるというものです。休職期間終了後は原則、元の所属に復職することになっています。

組合として質問状を会社に提出し、その回答が得られましたので、添付PDFをご覧ください。

あくまでも本人の意思が先にあって休職するのなら良いですが、会社が圧力をかけるようなことがあれば新たなリストラの手段となり得ます。社員の皆さんはくれぐれも注意していただくとともに、もし会社から圧力を受けたと感じた場合は速やかにメールフォームにて投稿していただくか、お近くの組合員にご相談ください。組合なんでも相談窓口担当者リストもご参照ください。

(添付)「長期有給休職制度に関する質問書」への回答書(その1)(その2

(組合確認事項)

  • 「月給の30%支給」の対象は本給と専門職手当であり、副主任手当は除かれる。
  • 休職中の副業は会社の許可が必要(原則不可)。

従業員の誇りである創業以来の理念「良き企業市民たれ」を忘れたか。

「良き企業市民たれ」

IBMには創業以来の理念として受け継がれてきた「良き企業市民たれ(IBM should be a good corporate citizen)」という考え方があります。 つまり企業は社会の一員であり、公共の利益のために貢献すべきである、という考え方です。 これは、私たち従業員が誇れる素晴らしい理念です。即ち、企業は、社会、株主、社員にバランスの取れた施策が必要なのです。

しかし会社はバランスの取れた施策を打ち出さなくなりました。そこには「行き過ぎた株主重視」と「究極の成果主義」という短期利益の重視があります。 その結果「お金がすべて」という拝金主義と個人主義が社内に蔓延しています。

このような状況からお客様が満足していただける中期、長期の関係は生まれません。これがグローバルスタンダードというのなら日本IBMは取り返しのつかない方向に進んでいます。 即ち一部のエグゼクティブが多額の報酬を受けるためだけの行き過ぎたスタンダードということです。これは地球を喰えるところまで喰ってしまおうというスタンダードです。明らかに行き過ぎです。

株主に多くの配当を支払うために短期の利益をだす必要があります。そのためだけの従業員のリストラや賞与カット、そして「ゼロ昇給」が行われています。 これは株主の為に従業員を犠牲にしているのです。会社を成長・繁栄させるためには、すべての従業員の協力が必要です。そして従業員に公平に報いる必要があります。

私たちは「良き企業市民たれ」、この理念にもう一度回帰し、おかしくなった会社の理念を直させなければなりません。今こそ労働組合に結集し行動を起こすときであると考えます。

業績改善プログラムとの闘い 私はこうして「業績改善プログラム」を終了した 

2008年4Qに実施されたリソースアクションプログラムで退職を拒否した者に対し、会社は「業績改善プログラム」を実施しています。 このプログラムは30日から90日のプログラムを繰り返し実施されるのが特徴です。 一見、頑張って目標を達成すれば終了できるように思われるかもしれませんが、現実は違います。このプログラムの後には降格が待っています。 また、心の病を抱えている人は、病気が悪化し休職に追い込まれています。 会社に貢献してきた社員に対するこのような行為は断じて許せません。 もし上司から「業績改善プログラム」の話があれば、まず組合に相談してください。

私はこうして「業績改善プログラム」を終了した

私は今年の3月に「業績改善プログラム」の対象になり、「改善目標管理フォーム」によって管理されましたが、7月中旬に「目標は達成された」ということで、無事終了となりました。このプログラムは繰返し行われるため、油断しているわけではありませんが、私の経験が同じような状態におかれ、苦しんでいる社員の皆様の参考になればと思い、寄稿しました。

私の闘いのキーワードは:

  • 毅然とした姿勢
  • 所属長との交渉

です。要点のみになりますが、これまでの経緯を説明します。

私は昨年末のリストラの対象となりましたが、組合のサポートのおかげでリストラは切り抜けることが出来ました。ところが今年3月になって、所属長から「『業績改善プログラム』を開始する」旨、通告されました。そこで、メールにて納得できない点を伝えました。また「改善目標管理フォーム」に記入する文章も、納得できない点はひとつひとつ修正を求めました。

私が、「業績改善プログラム」をはねのけられた理由は繰返しになりますが、「毅然とした姿勢」のためだと思います。会社から見れば、手間をかけるよりは適当なところでやめておいて、抵抗の出来ない(今、流行の言葉で言うところの)草食系社員にターゲットを変えたほうが効率的なのでしょう。

また、所属長が「いい人」を装って、「自分は本当はこんなことはやりたくないのだけど、会社の命令だから仕方ないんです」と言いながら、「業績改善プログラム」を始めることがあります。騙されてはいけません。あなたを「業績改善プログラム」の対象にしたのは所属長です。鎧の上の衣に騙されないようしましょう。ここで所属長に同情して、「業績改善プログラム」を進めてしまうと思う壺です。

所属長と上長が連携して、「いい人役」と実行役を分担しながら「業績改善プログラム」を進めていく場合もあります。この場合も「いい人役」に気を許さないようにしましょう。

毎日、顔をあわせる所属長と対峙するのは気まずくていやだと言う人も多いでしょうが、対峙するのは面談のときだけです。普段は普通に振舞えばいいのです。自分自身が、毅然とした姿勢を明確にすれば、退職強要裁判が別途進行していることあり、会社側も手を出しにくいはずです。
頑張って闘っていきましょう!!

「定期健診による肺癌見落とし裁判」より 会社の労働安全衛生法違反が判明

定期健康診断において、2003年から2005年にかけて3年連続して肺癌が見落とされた医療過誤裁判(原告:高橋組合員、被告:日本IBM、A医師、B医師)が東京地裁で進行中です。裁判の中で、会社の労働安全衛生法違反が明らかになりました。法違反は高橋組合員に対してだけでなく、健康支援センターで定期健診を受診した日本IBMグループ全従業員への会社の健診体制そのものにあります。

労働安全衛生法は、「(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)第66条の4 事業者は、第66条第1項から第4項まで若しくは第5項ただし書又は第66条の2の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。」と定め、「当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に」対しては、医師の意見を聴取することとしています。

ところが被告会社は、「当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者」であっても、「就業上の配慮が必要であると判断した場合」でなければ意見を聴取していない(会社が裁判所に提出した準備書面(2)7頁)と告白しています。この告白は、「当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者」であっても、「就業上の配慮が必要であると判断した場合」でなければ意見を聴取しない点において労働安全衛生法違反です。速やかに法違反を正すべきです。

医師は会社に提言をすべき

ここで危惧するのは医師(あるいは産業医を兼務する医師)の態度です。会社が労働安全衛生法に違反している場合、健康支援センター所属の医師の側から事業主に「それは法違反ですから健診体制を速やかに見直しましょう」と正しい提言をすべきではないでしょうか。医師は事業主から独立して意見を述べることができますし、しなければなりません。昨今、健康支援センター所属の医師が、病気の従業員にたいしてリストラ(退職)の選択肢を発言するケースがしばしば報告されています。

会社は健診体制の法違反を直ちにあらため、医師の側は事業主から自立・独立する自覚を持ってほしいと思います。

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